米ウィスコンシン州で公務員労働者の闘いが爆発
エジプト革命の広くて深い影響は確実に全世界におよんでいる。それは北アフリカ・中東ばかりでなく、ついに国際帝国主義の総本山・アメリカ帝国主義をもとらえるにいたっている。カナダ国境からほど近い五大湖のスペリオル湖・ミシガン湖に面するアメリカ北中部に位置するウィスコンシン州(人口568万7000人)でこのかん、公務員労働者の闘い(写真)が大爆発しているのだ。
きっかけは、昨年秋の選挙に勝利し、この1月から州知事に就任した共和党のスコット・ウォーカーが、「州がかかえる莫大な負債を削減するため」と称して、公務員労働者から集団交渉権を剥奪し、賃金と年金の大幅削減に手を染めようとしていることにある。
この公務員には州と自治体のすべての労働者(教育労働者や消防・警察などじつに広範囲)が含まれる。
マスコミや同じ共和党の州議会議員からさえ、「これで州の負債が削減されるとは思わない。むしろ労使関係を悪化させ、投資環境を悪化させて経済の先細りにつながるのではないか」という声が上がる中で、しかしウォーカーはこの攻撃に突進している。狙いが、新自由主義の全面的貫徹のために、その最大の支障となっている公務員労組を破壊することにあることは明確だ。しかも、この攻撃がウィスコンシン州で通れば、そうした攻撃がアメリカ全土において吹き荒れていくことは間違いない。
これに対して、ついに公務員労働者の闘いが大爆発した。2月15日、州都マディソンに数万人の労働者が集まり、そのうち1万人以上が同案件を審議中の州議会に突入したのだ(写真③)。近年のアメリカ階級闘争史上においても特筆すべき大闘争だ。州知事のウォーカーは、なおも今回の公務員攻撃をあきらめてはいないが、想像をはるかに超える大闘争の爆発に完全に動揺している。労働者の側は連日のように州都に結集して闘い続けている。
エジプト革命によって全世界の支配階級は心底震え上がり、逆に全世界の労働者階級は圧倒的に奮い立っている。この力と決定的に結びつき、連帯し、日本の3・20渋谷デモを大爆発させよう。(U)
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