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ドイツの鉄道労働者が連続ストに決起

20141009d-1.jpg ドイツの機関士労組(GDL)が、10月7日午後21時から翌8日の朝8時までの9時間ストを闘った。首都ベルリン・ハンブルク・ミュンヘン・フランクフルト・ケルンなどの大都市をはじめとする全国の都市交通・近距離交通・貨物輸送が、全面的に止まった(写真①・写真②参照)。このストは、スト権投票での91%の高率の支持に支えられ、運転士だけでなく、車掌や食堂労働者などの乗務員、駅の要員などが参加した。機関士労組は、5%の賃上げ、週39時間労働を2時間短縮すること、超過勤務の制限などの要求を掲げて闘っている。この要求に対し、1・2%の賃上げという低額回答を譲らない当局(ドイツ鉄道=DB)に対して、すでに9月1日と9日の2回にわたる部分ストをおこなってきた。この闘いは、ルフトハンザのパイロット労組が9月5日に年金問題で6時間のストをやり、8月に続き再度ドイツの空港を制圧したのと連動するもので、ドイツの交通と社会を揺るがした。

20141009d-2.jpg 政府・経営者団体・マスコミは、機関士労組とパイロット労組を「闘争を好む、かたくなな労組」と攻撃を集中してきた。しかもこれに、なんと労組のナショナル・センターであるドイツ労働総同盟(DGB)が加わり、「労働組合の評判を落とすものだ」などとブレーキをかけようとした。
 だが、今回のストの争点にはもう一つ、「単一の協約交渉」(一職場・一交渉労組・一協約)を法制化して強制しようという政府・財界の攻撃がある。これは、一職場で多数を組織している労組に単一の交渉権を与え、その他の少数派労組は、多数派労組によって締結された協約に従うことを強制するものである。同時に、協約交渉中は、当該労組をはじめ、それ以外の労組のストライキも禁止するという条項を法律に入れ込んで、スト権そのものを抑圧しようとするものである。これは、「戦闘的少数派労組」として機関士労組・パイロット労組・航空管制労組、そして闘う医師組織「マールブルク連合」などを名指しした攻撃である。今回の協約交渉で、経営側のドイツ鉄道(DB)は、機関士労組を交渉相手として認めず、交通労組の多数派で24万人の労働者を組織している体制内労組=鉄道・交通労組(EVG)のおこなう協約交渉に参加せよ、と要求している。
 ドイツの鉄道労働者をめぐる状況としては、このかんのドイツの新自由主義の民営化政策・緊縮政策攻撃が鉄道労働者の大量首切りとして襲いかかり、2002年から2012年のあいだに35万人から19万人に人員削減され、その結果、職場では人員不足から超過勤務が極限的に増大していること、さらに長年にわたる低賃金の強制ということがある。鉄道・交通労組(EFG)はもとより機関士労組(GDL)指導部も、ドイツ鉄道(DB)のこの民営化路線に協調してきた。これに対して、機関士労組内部で現場組合員の不満と怒りが高まっているのだ。機関士労組はこのかん、当初の運転士中心の組合から、すべての乗務員の獲得へと向かい、たびかさなるストと職場活動をつうじて、現在では運転士の80%、乗務員の30%を組織することに成功し、3万4000人の組合員を擁するにいたっている。さきほどの「単一の協約交渉」の攻撃は、これに脅威を感じた政府・財界などの対応である。
 ドイツ帝国主義・メルケル政権は、ウクライナ、シリア・イラク問題などで軍事的突出をはかりつつ、国内では階級戦争をしかけてきている。ドイツの階級闘争は、ドイツ経済が、世界大恐慌下、今年度第2四半期でマイナス成長に転落するという状況のなかで、革命的分岐の時期にさしかかっている。(Kw)

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