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市東さん農地裁判でNAAの「訴えの一部取り下げ」を徹底追及

s20110413b-1.jpg 4月12日、市東孝雄さんの二つの農地裁判が千葉地裁で続けて開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生が傍聴席を埋め、ともに闘った。
 反対同盟と顧問弁護団のねばり強い闘いによって、成田空港会社(NAA)は前回、争点の土地である「南台41―9」について市東さんが占有(=耕作)していないことを認め、「訴えの一部取り下げ」を言い出してきた。ふざけるんじゃない! NAAは地主のような顔をして「賃貸借契約は終わりだ。土地を明け渡せ」と市東さんを裁判に訴えて被告席に座らせておきながら、今頃になって肝心の土地特定が誤りだったことをしぶしぶ認めて「一部だけ」取り下げるというのだ。 

s20110413b-2.jpg 午前10時半に市東さんが千葉県を訴えた行政訴訟が開廷した。県は06年に賃貸借契約解除許可決定を出し、NAAの農地強奪策動にお墨付きを与えたのだ。顧問弁護団は県の代理人弁護士に対し、NAAの「一部取り下げ」の事態を突きつけ、解約許可処分を取り消すよう鋭く迫った。沈黙を決め込む県に代わって多見谷寿郎裁判長は、「県のご主張は、許可申請の形が整っていれば中身に間違いがあっても許可を出した県に責任はない、ということでいいですか」などと水を向けるが、すかさず弁護団は「そんな主張は通用しない!」と徹底的に批判し、県は求釈明に速やかに誠実に答えなければならないことを裁判所に認めさせた。
 続いて11時10分、農地法裁判が開廷。原告NAAは「41―9」の土地が「現在は耕作されていない」と言いながら、もともと市東家の契約地ではなかったことは認めようとしない。認めればそれでこの訴訟は崩壊したに等しい。対象物件を正しく特定できない明け渡し訴訟など成り立たないということだ。
 NAAは旧地主の藤崎政吉が作成したと称する「境界確認書」「同意書」の図面だけを根拠にして、こs20110413b-3.jpgの土地が契約地だと言い張ってきた。だが弁護団による面談調査で、藤崎自身が「関与していない」と明言している。図面の証拠価値はゼロ、いやマイナスだ。これらの矛盾を弁護団は容赦なく追及した。NAA代理人弁護士の上野至(元千葉地裁の反動裁判長!)は、沈黙で乗り切ることができなくなり、「場合によっては請求の放棄を検討する」と裁判長に向かって言い出した。また藤崎を証人申請する意思があるかどうか尋ねられると上野は、「ありません」と全面拒否。その恥知らずな居直りに、傍聴席から一斉に怒りの声がたたきつけられた。
 次回期日を5月24日と確認し閉廷。その場で市東さんはNAA側に、穏やかな口調だがはっきりと「なぜ藤崎を証人に出さないのか」と迫った。上野らNAA代理人はまともに目を合わすこともできない。
 弁護士会館において鈴木謙太郎さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんが傍聴への感謝と決意の言葉を述べた。続いて葉山岳夫弁護士を先頭に、弁護団が法廷での闘いを解説した。とりわけ、「請求放棄」という形で争点そのものを削り落としてしまおうとするNAAのあがきに対し、追及の手を緩めず追いつめることが確認された。萩原進事務局次長がまとめの発言に立った。「裁判が始まるときマスコミは市東さんを、『人の土地を不法に耕して作物を売って暮らしている五十代男性』みたいに報道した。祖父の代から開墾して農地を育んできた農民にとってこんな屈辱はない! 敵にすきを見せずにさらに闘って勝利しよう。5・20現闘本部裁判控訴審では判決強行を粉砕するため全力で決起を!」と訴え、参加者は大きな拍手で応えた。(TN) 

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