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イギリスで公務員労働者75万人が24時間ストに決起!

s20110703a-1.jpg 6月30日、政府の公務員年金改悪に反対して、教育労働者をはじめとしたイギリスの公務員労働者75万人がストライキに決起した。先頭に立ったNUT(全英教員組合)の呼びかけで全国の教育労働者がストライキに決起し、6割以上の学校が完全に休校となり、85%の学校に影響を与えた。さらにUCU(大学講師組合)が呼びかける「ノーティーチングデー」と称するストライキで、400以上の大学で多くの授業が停止した。25万の公務員労働者を組織するPCSの呼びかけで、職業安定所や福祉相談のコールセンター、空港や港湾の税関、博物館も停止した。首都警察は、999番の緊急コールセンターの9割がストに入ったことを認めた。PCSの幹部は、「85~90%が参加、こんなに支持を受けたストライキは初めてだ」と驚嘆の声を挙げた。 

s20110703a-2.jpg ストに決起した労働者たちは、ロンドンでの2万人集会をはじめとして各地で集会やデモ行進を行った。政府は激しい警備体制を敷いて、無抵抗の若者をいきなりひきずり回すなどデタラメな弾圧を各地で行い、参加者の怒りに油を注いだ。
 イギリス政府は、公務員の年金支給開始年齢を上げ、年金料も上げたうえで、支給額は下げるというすさまじい年金改悪案を作ろうとしている。これは550万人の年金制度を変える、イギリス史上でも戦後最大規模の年金改悪である。しかも、これを進める保守・自由党だけでなく、野党となった労働党もこれに加担しようとしているのだ。
 今回のストライキは、労働党の支配が強いTUC(イギリス労働組合会議)やGMB(全国都市一般労組)、UNITEなどの公務員を組織する最大の労働組合がストライキへの合流を拒否する中で、社会党やソーシャリストワーカーなどの左派の影響が強い教員系組合が先頭に立って、全国的に闘われた。特徴的なのは、「読み書きできない子どもが多いのは教員が怠けているからだ」とか「教員の高い年金が経済を停滞させている」などというマスコミのデマ宣伝にもかかわらず、ストへの世論の支持が相当に高かったことだ。激しい公務員バッシングに対する唯一の回答が、闘いの自粛ではなくストライキであることをイギリスの労働者の闘いは証明した。
 ストに決起した教育労働者たちは、「われわれは、銀行幹部の犯したミスの代償を支払わされようとしている」「マスコミはわれわれがどれだけサービス残業をやらされているのか絶対に言わない」と怒りを爆発させた。若い教師は「今回の行動で具体的に得られた成果は何もなかったけど、団結を示せたのはよかった」「問題は次はどうするかということ」と積極的に感想を語っている。今回のストライキで多くの若い教師が労働組合に入ったという。
 もう一つの特徴は、労働党や体制内労組幹部の裏切りへの怒りが圧倒的に拡大していることだ。多くの若者が、労働党がストに反対し、スト破りを扇動する姿を見て驚き、怒っている。ストに参加しなかった組合の幹部への不満が拡大し、UNITEやTUCの幹部もストへ連帯メッセージを送らざるを得なくなっている。ある教師は、「私たちには社会主義をめざすラジカルな労働党政権が必要だ」と語っている。
 今回のイギリスのストライキは、まさに原発震災のなかでわれわれ日本の労働者が直面している課題を突破する道をも示している。反原発・反失業闘争に立つのは労働者階級であり、闘う労働組合を甦らせることこそ、勝利の道だ。職場闘争こそ若者を獲得する最大の組織拡大闘争である。イギリス労働者と連帯して、7-8月闘争に決起しよう。(SG) 

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