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イスラエルで鉄道労働者が業務外注化阻止の大闘争に決起

s20111004a-1.jpg 新自由主義への怒りが爆発しているイスラエルで、鉄道労働者の激しい抵抗闘争が全国的に爆発している。イスラエル政府は、新型車両のメンテナンス業務を、車両を作っているカナダのボンバルディア社に外注しようとしている。これに対して鉄道労働者たちはこれは鉄道の民営化攻撃であり、非正規職化・労組破壊攻撃であると真っ向から反対して闘っている。
 イスラエル鉄道労働者委員会とヒスタドルート・トランスポート労組は、外注化をめぐる交渉が決裂した9月21日の夜、「制裁措置」として強力順法闘争を全国の現場に指令した。運転士たちは通常のダイヤを無視し、翌木曜日には全国で78%の列車が遅延、イスラエルの鉄道網は大混乱に陥った。 

s20111004a-2.jpg テルアビブ地区労働裁判所は、これらの争議行為を「違法な政治スト」だと中止命令を出し、鉄道公社にも交渉の席に着くように命令を出したが、組合は争議は正当であると闘争を継続し、公社も外注化は政府の方針だと交渉を拒否した。これに激怒した裁判所は、25日に新しく開通するリーション・レジオン線の開通式には列車を動かすように命令を出した。乗務に戻るべきだというヒスタドルート幹部の主張にも関わらず、開通の日、乗客が乗り込んだ始発列車はまったく動かなかった。公社が9名の労働者の停職処分を発表すると、これに抗議して多数の労働者が抜き打ちの病欠届けを出し、さらに鉄道は混乱した。公社や裁判所の度重なる警告や弾圧にもかかわらず、労働者たちは列車の時速を140キロから120キロに落としたり、列車を運休させたり、運行した列車も予定と違うルートで走らせたり好き勝手な場所で停車するという、強力順法闘争を続けている。
 そして9月28日、ついに裁判所は、労働者への争議の中止命令とともに外注化を凍結する命令を公社に出した。命令は10月2~23日の間に交渉を行うことを両者に義務づけたが、この闘いを組織している組合の委員長はマスコミのインタビューに「これは民営化・非正規職化との本格的な闘いである」と答え、さらに「この夏の全社会的な抗議運動が、このような動きが社会的な悪であるという認識を広めさせた」と付け加えた。
 アメリカの中東支配の要であった反共軍地基地国家=イスラエルで、外注化に反対する鉄道労働者の実力闘争が大爆発していることは感動的である。新自由主義を進めるネタニヤフ政権への60万人デモの高揚が、職場での外注化阻止闘争を決定的に促進しているのだ。これは日本における反原発闘争の大爆発と動労千葉の外注化阻止闘争につながる闘いであると同時に、鉄道労働者の持っている決定的な力を示している。こうした闘いを全世界で徹底的に推進することこそ命脈の尽きた新自由主義・資本主義をうち砕く革命的闘争だ。日本のわれわれも11月労働者集会へ向けて全力で闘おう!(SG)
写真①はストライキを掲示する駅の入り口、②はまったく動かない列車から降りる乗客たち
 

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