JR東による労働者への被曝強制に、動労水戸がストライキで決起!
動労水戸は10月8日、常磐線の広野までの営業運転再開反対と検修業務外注化阻止を掲げ、勝田車両センター所属の組合員11人が全一日の指名ストに立った。
JR東日本は10月3日、常磐線久ノ浜駅(福島県いわき市)~広野駅(同県広野町)間を10日に運行再開すると発表した。広野は福島第一原発から半径25キロ圏内にある。野田政権は9月30日、福島第一原発から25~30キロ圏を中心とする広野町など福島県内5市町村を対象とした緊急時避難準備区域の指定を解除した。この指定解除それ自体、原発事故が何ら収束していない中で「安全」を強弁するとともに、東電の賠償責任を免責させる絶対に許せない暴挙にほかならない。
JRは、政府が緊急時避難準備区域の指定を解除するやいなや、直ちに広野までの営業運転再開を打ち出したのだ。それは、原発再稼働を絶対的課題とする野田政権の最先兵にJR東日本が躍り出たということだ。
許し難いことにJRは、営業運転再開に際して、除染は必要ないと言い張っている。国が安全を確認したのだから、JRが独自に対策をとる必要はないというのだ。それどころかJRは、一貫して放射線量の測定もやらないと言い続けてきた。動労水戸がこの問題を追及する団体交渉を行った後にようやく放射線量の測定を始めたが、JRが公表したデータでさえ、末続駅-広野駅間の線路では毎時0・82マイクロシーベルトというきわめて高い値が出ている。それでもJRは、「国が安全だと言う以上、安全だ」と強弁して、駅や線路の除染もせずに営業運転の再開に突き進もうとしているのだ。
さらに重大なことは、大震災以降、広野駅構内に放置されていた電車をそのまま勝田車両センターに回送しようとしていることだ。この車両が大量の放射能を帯びていることは間違いない。JRは、専門的な除染対策も何ひとつせず、この車両の検修業務を勝田車両センターの労働者に行わせ、被曝を強制しようとたくらんでいる。しかもJRは、検修を終えた車両を営業運転に使用する方針を決めている。
まさにこれは、労働者の命のかかった問題だ。動労水戸は、こうしたJR東日本の暴挙に対し、命をかけた闘いとしてこの日のストライキに立ち上がった。ストに突入した組合員を先頭に、勝田車両センター前に陣取った動労水戸は、「広野までの営業運転反対」「回送阻止」「被曝労働阻止」「会社は除染をきちんとやれ」「検修業務外注化阻止」のシュプレヒコールを繰り返し、構内の労働者、同僚の労働者に検修作業拒否を心の底から訴えた。
ストに先立つ10月7日には、いわき市役所と茨城県庁の記者クラブで動労水戸の記者会見(写真)を行い、起こっている事態の重大性について社会的にアピールした。
今や検修業務の大半は平成採の青年労働者が担っている。動労水戸の組合員だけでなく、未来を担う青年の未来をかけて、動労水戸は営業運転再開反対の闘いを貫いている。これはまた、乗客や勝田車両センター周辺の住民の命と健康に直結する問題だ。労働組合が資本と闘ってこそ、乗客や住民の安全は守れるのだ。ところが東労組は、営業運転再開に反対せず、「広野まで乗務する乗務員にマスクを用意しろ」などという「要求」でJRの方針を認めようとしている。しかし、東労組の青年や女性の中から、広野までの行路には絶対に乗務したくないという悲痛な叫びが上がっている。
今回の営業運転再開の攻撃は、外注化攻撃とも一体だ。外注化が強行されれば、放射能に汚染された車両の検修を労働者に強いようとしている問題は、闇から闇に葬り去られてしまうのだ。
JRは9日にも放射能に汚染された車両を勝田車両センターに回送し、13日には汚染車両の検修業務を労働者に行わせようとしている。動労水戸はこの攻撃との非常決戦態勢に入った。
原発事故と放射能をめぐって、労働者と資本家の利害は絶対的に非和解だ。資本の手先となった東労組などの御用労組と労働者が絶対に相いれないことも明白になった。「闘いなくして安全なし」「安全なくして労働なし」。動労水戸は反原発を真正面から職場の課題として貫く闘いに立ち上がっている。この闘いを先頭に、反原発、外注化阻止―非正規職撤廃を掲げる11・6労働者集会への万余の結集をつくり出すために全力で闘いぬこう。(K)
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