「原発を止めるまで行動を!」――首都圏で福島とつながる学生集会
「すべての原発が止まったときに、本当の幸せが来る。原発を止めるまで行動する」――佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)の言葉が参加した学生の心を揺さぶった。
10月18日、首都圏の学生で佐藤さんをお招きし、「福島とつながる学生集会」を開催しました。後期開講以降に知り合った学生、9・19デモで知り合った学生や留学生など、大学や国籍も実にさまざまに10以上の大学から多くの参加がありました。参加した学生一人ひとりの思いや問題意識、怒りや熱意が一つの大きな新しい力を生み出し、福島との固い連帯をつくり出す集会となりました。また、この日は法大包囲デモも行い、全原発の廃炉に向かって学生が福島とともに闘う一日となりました。
佐藤さんは冒頭に、「チェルノブイリ事故が起きたあの時に、何で原発を止められなかったんだ」という思いから今日に至っていることを語り、大きく3点話されました。一つは、福島の現実です。震災直後、ガソリンは警察と自衛隊が押さえていたこと、県も政府も放射能汚染レベルを知っていながら子どもたちを避難させなかったこと、福島県には10基もの原発がありながら県当局はガイガーカウンターすら所持していなかったことなど、マスコミの伝えない福島の状況が語られ、被災地の人々の命を守らない政府の犯罪性に怒りが込み上げてきました。
また、政府と御用学者の「安全キャンペーン」により、家族や地域で放射能を話題にすることすらできず、原発建設前も稼働中も事後後も住民の分断の上に原発が成り立っていることが伝えられ、佐藤さんの「20ミリシーベルト基準を撤回させないと殺される」という強い思いが参加者全員の胸に深く刻みこまれました。
二つ目は、学生への訴えです。政府交渉時の官僚の態度を怒りを込めて弾劾し、「知識とは生きるために必要なもの」という佐藤さんの言葉は、あらためて原発推進の大学のあり方を問うものになりました。さらに「学生は多くのことを吸収でき、教室で学ぶ以上のことができる存在」と、佐藤さんの学生に対する強烈な期待を感じ、行動に突き動かす言葉となりました。
最後は、反原発運動の展望についてです。「一人ひとりが行動するときだ」「違いを認めながら柔軟な心で、再稼動阻止にむけて大きな運動をつくっていこう」という呼びかけは、明治公園6万人集会を11・6集会への大結集でさらに発展させたいという思いが一層強くなるものとなりました。
講演後に「福島原発事故から大学のあり方を問い直す」と題して斎藤郁真全学連委員長がアピール。学内で原発反対の声を圧殺する法大当局と福島大学当局の行っていることは一つであり、大学から野田政権の原発再稼働を推し進めるものだと喝破。10・21福島大学行動から11・6集会への結集を熱烈に呼びかけました。
質疑応答では、「福島原発『事故』という表現では、東電や政府の態度があいまいになる。東電と政府に責任があることをはっきりさせるべき」と意見が出ました。さらに、悩みながらもフクシマの生の声を聴くために参加を決断した法大生、学内での反原発会議やシール投票など行動を開始している学生、「反原発行動は絶対に勝てる闘いだ」と決意を語る学生など、学生の情熱が会場を埋め尽くしました。
「フクシマの怒り」と連帯することは、原発再稼働を絶対に止めることであり、自らのキャンパスから行動を開始し団結を組織することです。全学連は、全国大学での福島連帯行動、そして10・21福島大学行動の勝利を踏まえ、残る2週間、11・6集会へ総決起し学生のうねりをつくり出します! (法政大・倉岡雅美)
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