ギリシャで最大のゼネスト、国会包囲デモ闘われる――革命が課題に
世界大恐慌の中心・ギリシャで労働者階級の怒りの炎が火を噴いた。10月19~20日、史上最悪の緊縮財政法案をめぐってギリシャ人も「見たことがない規模」と感嘆の声をあげるギリシャ史上(1974年の軍事政権打倒以来)最大規模の数百万の官民48時間ゼネストと数十万人の集会、国会包囲デモ、省庁占拠闘争が闘われた。
今回議会で強行されたさらなる緊縮政策は、想像をはるかに超えるものである。すでに20万人が削減され、賃金が4割カットされてきた公務員労働者に対し、賃金をさらに2~3割カット。そのうえで3万人の公務員を「予備人員」として職場から追い出し、次の仕事を見つけなければ首を切るというのである。
年金支給はさらに削減。世帯あたり年間10~15万円増額される所得税は、電気料金と一緒に集められ、払えなければ電気を止められる。民間でもこの4年間で25万人が職を失った。
ストに決起した労働者たちは怒りを込めて語っている。「私が働いていた電話会社は4800人のうち2500人を解雇した。23年働いた私も解雇され、どこにも仕事がなくて、結局3人の大人と1人の子どもが月に524ユーロの母の年金で生きている」(通信労働者)。「みな貧困で生きていけなくなっている。近所のおばあさんは虫が這っているご飯を食べているし、空腹で学校で気絶する子どもも出ている。こんな事は初めてだ」(ジャーナリスト)。「将来を考えると真っ暗だ」(学生)。「ギリシャの闘いは世界の闘いだ。なぜならEUの支配者たちはギリシャを使ってどこまで民衆に犠牲を転嫁できるか実験しようとしているから」(女性労働者)と。
今回のゼネストを実現したのは、既成指導部を突き上げるあらゆる産別の職場からの決起であった。10月11日には港湾労働者が全国ストに決起し、18~19日にストを行うことを決定。公務員労働者は、内務省や経済産業省などの省庁や地方自治体の市庁舎の入り口に座り込んで占拠し、闘いの先頭に立った。12日、電力労働者は電力公社の事務所を占拠し、「われわれはたとえ監獄にぶち込まれても税金が払えない人たちへの電気を止めない」と宣言した。13日、地下鉄、鉄道、市バス、路面電車とタクシーもストに突入し数千人で国会にデモ。ガン患者が財務相に抗議するそばで、医者は健康省前の集会に決起し、弁護士はストライキを支持して裁判所への出廷を拒否した。14日には清掃労働者がゴミ収集を拒否する10日間のストライキを開始。17日は徴税官が4日間の行動を開始し、船員は48時間ストに決起。18日は銀行労働者が48時間ストを開始。これらの闘いが、体制内指導部の思惑と制動を突き破って力あるゼネストを実現した。
ギリシャではまさに革命が課題となっている。世界大恐慌の真っただ中で、資本主義打倒の闘いを模索して決起するギリシャ労働者のゼネストは、世界中の労働者の階級的魂を揺さぶっている。彼らの闘いに日本から応える闘いこそ、11月6日の労働者集会への大結集だ。ギリシャの闘いと一つになって、胸躍る闘いに打って出よう!(SG)
写真1:国会に進撃する労働者たち(アテネ19日)
写真2:国会を守る機動隊と激突(シンタグマ広場)
写真3:テッサロニキを埋め尽くすデモ
写真4:1万5000人がゴミを武器に闘う(テッサロニキ)
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