北米西海岸の全港湾を封鎖、労働組合めぐる闘いが焦点に
12月12日、アラスカ、カナダからメキシコ国境のサンディエゴまで北米西海岸の全港湾が封鎖された。要求は「ILWU(国際港湾倉庫労組)とトラック運転手の労働組合への破壊攻撃を止めろ」だ。この一点で巨万の労働者が産業を越え、正規・非正規、組織・未組織を越えて団結した。労働組合を巡る攻防こそ1%と99%の主戦場であることが、全人民的に確認されたのだ。
写真:オークランドの港を占拠したオキュパイ運動
■“われわれは99%だ” “波止場のウォール街を占拠しよう”
12月12日、北米西海岸の港湾がオキュパイ運動のピケットラインによって封鎖された。その目標は、「ワシントン州ロングビュー港のILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)の労働者のEGT(穀物輸出施設)の労組破壊攻撃との闘いに連帯」と「港湾トラック運転手が『独立自営業者』扱いされて労組結成の権利を否定されていることに反対する闘いへの連帯」だ。
西海岸港湾封鎖は、オキュパイ・オークランド運動の総会で決議され、全西海岸のオキュパイ運動に呼びかけられた。
●11・2オークランドのゼネスト
オークランドは11月2日にゼネスト(本紙2511号)に恐怖した資本家階級は、全米のオキュパイ運動に対してさらに凶暴な弾圧をしてきた。
労働者の側は、新たな飛躍が必要だった。 オキュパイ・オークランドは、11月22日の総会で西海岸港湾封鎖を決議し、各地のオキュパイ運動に「波止場のウォール街を占拠しよう」と呼びかけた。
だが、ILWU本部とチームスターズ本部(トラック運転手などの組合)は、港湾封鎖に反対した。敵との非和解的な激突に入ることを恐れたのだ。
しかし、すでに1%=巨大独占資本は99%に対して、労働組合の存立そのものを否定し、命まで奪う攻撃――非和解的攻撃――をかけてきている。だから、多くのILWUとチームスターズのランク&ファイル(現場組合員)がオキュパイ運動を支持し、参加したのだ。オークランド教員組合は12・12港湾封鎖支持を決議し、多数の組合員が封鎖に参加した。
●平日朝5時半の大結集
オークランドでは、朝5時半から大量の労働者人民が結集し、港湾への行進を始めた。
「月曜の5時にさまざまな産業の労働者がこんなに多数集まった。給料を犠牲にして来ている」(アンソニー・レビージ氏〔09年の11月集会に参加したILWUローカル10組合員〕のインタビュー)。
警察は、ほとんど手出しできなかった。10時ごろ、港湾の仲裁人は、就労しなくてもよい旨の決定をせざるをえなくなった。港湾封鎖は成功だ。大歓声が上がった。
夕方、さらに多数の労働者が市庁舎前に集まり、夜勤労働者の出勤時のピケットのために港湾に向かった。港湾当局は、ピケットに対抗することはできず、施設を夜間も閉鎖する決定をした。大勝利だ。
サンディエゴとシアトル(ワシントン州、カナダとの国境近く)で警察が港湾封鎖を弾圧したとの報が入ると、事前の警告どおりにピケットを延長し、午前3時から始まる深夜勤の出勤時のピケットも行われることになった。
北はアンカレッジから南はサンディエゴまで、各地で張られたピケットラインをILWU組合員は越えて就労しなかった。
組合のない労働者や失業労働者を含めて圧倒的多数が労働組合を守る闘いに団結して決起し、封鎖を貫徹した。ここで得た団結への確信の意義は計り知れない。歴史は大きく動いた。(ST) 。
写真上:港湾を封鎖したオークランドのゼネスト(11月2日)
写真下:西海岸の全港湾封鎖を訴える港湾労働者(11月19日)
この記事へのコメントはありません。