動労千葉運転士登用差別事件で最高裁が逆転反動判決
動労千葉の運転士登用差別事件で2月23日、最高裁第1小法廷(櫻井龍子裁判長)は、JRの不当労働行為を認定した高裁判決を破棄する反動判決を出した。
2年前の08年12月には同じ内容の裁判で動労水戸は勝利している。しかも同じ最高裁第1小法廷、同じ櫻井裁判長だ。絶対に許せない判決だ。
判決の主文読み上げはわずか5秒。裁判長は逃げるように退廷した。
判決後、最高裁前で、はちきれんばかりの怒りが爆発した。
組合側代理人の広瀬理夫弁護士は「二十数年間闘ってきた当該の思いが一瞬で否定された。判決文はJRの言い分をうのみにして、すべて形式論で切っている。しかも許せないのは、自らが判決を出した動労水戸事件との関係に一言も触れていないことだ。動労水戸の“み”の字も出てこない。最初から結論を決めておいてJR側の言い分をなぞっただけの、本当にふざけた判決だ」と怒りをぶちまけた。
田中康宏委員長は「ふざけるな最高裁! 三十数年にわたって虐げられてきた労働者の気持ちを分かってんのか! 運転士登用だけじゃなく、当該の仲間は無人駅の掃除やホームでの牛乳販売など、どれだけひどい扱いを受けてきたのか。こんな最高裁みたいなとこでヌクヌクしている連中には、そういうことがわかんないんだよ」と怒りをあらわにした。さらに「判決文はわずか数ページ。おれたちだけじゃなく本当に多くの労働者が苦しめられ、差別され、自殺に追い込まれてきた。それをやった連中が今日の判決を書いたんだよ。決意を新たにしなければならない。こんな間違った国はぶっ倒さないといけない。あらためてそのことを決意しました」と述べた。
当該の組合員は「本当に悔しいですね。これでも法治国家かと言いたい」「この怒りを外注化阻止に向け、ぶっ倒すまで闘う」「残念でなりません。当該の10人は全員が検査部門で働いています。この怒りを外注化阻止の闘いにぶつける」と次々と発言した。
動労水戸からもこの日、同じ運転士登用差別事件の当該組合員が支援に駆けつけ「動労水戸となぜ違う判決が出るのか。動労千葉と動労水戸が団結するのがこわいからだ。動労水戸でも裁判には勝利したが、いまだに会社は非を認めようとしない。職場から闘い、力ずくで会社に頭を下げさせるしかない。今日、一つの結果が出ましたが“だからなんぼのもんじゃい!”という話です。千葉と水戸で固く団結し、こんな判決はひっくり返そう」と発言した。
川崎昌浩執行委員は「闘いはこれからだ。判決への回答はただ一つ。職場からの壮大な反乱をつくり、何十人、何百人という若い仲間を獲得することだ。反動判決を出した裁判長に、こんな判決を出したおかげで運動が盛り上がってしまったと後悔させてやろう」と呼びかけた。
最後に結集した組合員と支援は、最高裁に向かって力いっぱい怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。(O)
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