被災地で熱気と感動あふれる春闘集会かちとる
2月26日、仙台市内で東北春闘集会が150人の参加で行われた。3・11から1年間、大震災と原発事故に対して生き抜くために「震災解雇ゆるすな」「原発なくせ」と必死に闘い抜いてきた東北の仲間が一同に会し、熱気と感動あふれる集会をかちとった。3・11後に職場に合同労組分会を立ち上げて被災地から労働組合を甦らせるために闘う福島の青年労働者、非正規労働者の雇い止め解雇攻撃と闘って団結をつくり、職場で賛同とカンパを集めて来た青森の青年労働者が司会をつとめた。
冒頭、呼びかけ人を代表して、みやぎ連帯ユニオン東北石けん分会副分会長の成田勝さんが開会のあいさつを行った。
「3月11日は絶対に忘れることができない怒りの日です。私はこの1年、今までだったら出会うことのない多くの人たちと出会いました。そして私たちが生きているこの社会や、未来についてこれほど考えさせられた時はありません」「国は国民を見殺しにする。原発事故の収束宣言、がんばろう東北や復興だという大キャンペーンなど政府のすべての政策の本質は、福島との分断であり責任逃れです。国・東電の責任を徹底的に追及し、原発の再稼働阻止へ、福島と心をひとつに闘おう」「反原発・反失業・非正規職撤廃を掲げて闘うのが労働組合です。職場の安全、仲間や家族を守り、会社や社会と闘うのが労働組合です。解雇されて泣き寝入りする時代ではありません。国鉄闘争全国運動を武器に、あらゆる職場で労働組合を甦らせよう」「私たちは亡くなった仲間たちの分も生きて、全原発を廃炉にし、腐りきった社会を変えていきましょう。3・11、労働組合の旗を持って郡山に集まろう」と、団結拡大の先頭に青年が立つという圧巻の提起を行った。
3本の特別報告が行われた。1本目が子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの椎名千恵子さんだ。椎名さんは、福島の子どもたちに甲状腺ガンの初期症状が現れたこと、それでも山下俊一福島医大副学長が『独自の検査は遠慮してください』と言ったことに怒りで声を震わせながら、「いつまでこの人がのさばっているのか」と弾劾。被曝車両を阻止した労働組合の闘いに原発をなくしていく力があると分かったと話し、3・11郡山の集会を「しっかりした闘いにしていきたい」と語った。会場の仲間は福島の怒りを自らの胸に刻みこんだ。
2本目は動労水戸の国分勝之副委員長だ。国分さんは反原発を掲げる動労水戸が、自らの職場に放射能汚染車両が持ち込まれることに対して「労働組合としてどうするのかが問われた」と、ストライキでの決起を報告。「自分の組合だけでなく職場全体の労働者のために闘って、支持された」「1人の青年の動労水戸への加入で会社の攻撃をストップさせた。団結拡大は資本を打ち倒す最大の闘いだ」と感動的な報告が行われた。
3本目は福教組の仲間からのメッセージだ。原発事故による生徒の転校に伴う兼務辞令により、教職員は福島県内バラバラに配置され、生活が破壊されてきた。そして今、授業再開による「兼務」解除によって、生徒数の減少をもって教職員を削減する人事異動が強行されようとしている。新たな混乱をもたらした教育委員会への怒りとともに、原発をなくそうとアピールが寄せられた。
全逓労働者によるカンパアピールに続いて、南部バス労組、国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、国労郡山工場支部の橋本光一さん、仙台市職労、あいコープ労組、宮城の全逓労働者が発言。「NAZEN青森を結成し、金か命かの闘いに、労働組合として決断と決意をもって闘う」「不当労働行為があっても解雇はOKとする国鉄分割・民営化を認めず闘う」「労働者が勝利する時代の到来に、戦後労働運動の教訓をもって勝負する。4・9政治和解路線反対を貫き、自分の本気さで組合員の信頼、支部の団結を作り出す」「世の中の情勢を労働者としてどう見て、どうするのかが核心。仲間の死をあいまいにせず、命よりも金の資本主義を労働組合の力で変えていく」「3・11以後、資本の休業命令で労組丸ごと排除されている。労組の団結を大事にして闘う」「1047名解雇撤回闘争は確実に全逓の仲間に浸透している。動労千葉を支援する会を立ち上げ、この力をさらに大きくしていく」と、熱く語られた。
本宮市職労の仲間が3・11郡山2万人集会の成功と、福島診療所建設をかちとろうと行動提起。全金本山労組の長谷武志副委員長が「本集会は17回目だが今日は平均年齢がグッと下がった。未来は光り輝く青年のものだ。われわれは闘いを総括し、次の世代に伝え、青年と共に行動する」とまとめを提起した。集会後には圧倒的なデモを打ち抜き、原発許さないと怒る青年労働者も飛び入り参加した。
集会に参加した青年労働者は、職場に闘う労働組合を作り出したい、3・11郡山に労働組合の旗をもって仲間と駆けつけたい、労働組合ってスゴイ・入りたいと大高揚している。この熱気と興奮を力に、被災地でさらに闘っていきたい。(宮城・T)
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