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市東さん農地法裁判、証人尋問巡り大攻防

s20120327d-1.jpg 3月26日、三里塚反対同盟・市東孝雄さんの行政訴訟・農地法裁判が千葉地裁で開かれた。3・25全国総決起集会の成功を受け、反対同盟を始め労働者・農民・学生・市民が傍聴席を埋めてともに闘った。
 攻防の焦点は、暫定滑走路北延伸の決定当時(2006年)、国土交通省成田空港課長だった石指雅啓の証人尋問だ。成田空港会社(NAA)は前回、「証人は神戸で海上保安庁の要職にあり、現場を離れられない」などというデタラメを口実に、「神戸地裁の裁判官による尋問か、テレビ会議方式による証人尋問を求める」「それがダメなら代わりにNAA職員を申請する」と意見書を出した。 

s20120327d-2.jpg あまりにもふざけた話だ! 石指は農地取り上げの決定過程を指揮した中心人物だ。この最重要証人を「直接尋問しないでくれ」とは、公開法廷の否定、証人隠しそのものだ。そしてNAAは、石指本人の「陳述書」を大急ぎで提出させ、法廷に出さないためのあがきを続けている。法廷は、証人尋問をとにかく「予定通り」進めたい多見谷裁判長と、反対同盟顧問弁護団との大攻防になった。
 石指尋問をあくまで予定どおり4月23日に行うことが到底無理であると考えた裁判長は、尋問の先送りを画策し、10月に予定していた反対同盟事務局次長・萩原進さんの尋問時間を削ってそこに押し込めないか、というとんでもない提案をしてきた。絶対に認められない! それでも裁判長は、石指への尋問を秋以降に適当に入れ込んであとは「予定通り」進めるという姿勢を変えようとしない。弁護団は頑として譲らず闘った。その結果、次回4月23日は引き続き口頭弁論を行い、その後の尋問手順は、戸井証人の陳述書の提出を待って検討することになった。
 さらに、旧地主の藤﨑政吉について裁判長は「証人として不採用」の結論を出そうとした。ここで市東孝雄さんが立ち上がり、「藤﨑さんは地主でもないのに、何年間も地代をとり続けてきた。それがNAAの差し金とすれば、そのことを公の場ではっきりさせたい」と怒りを湛え申し出た。すかさず弁護団も「NAAは、『藤崎氏の依頼により云々』と藤﨑氏を主語として多くの主張を展開している。藤﨑を呼んで立証する責任はNAAにある」と強く訴えた。裁判長はこの場で「不採用」決定を下せずに閉廷した。次回は4月23日(月)午後1時30分。
 弁護士会館に場所を移し、記者会見と報告集会が開かれた。最初に市東孝雄さんがあいさつに立ち、「今晩から天神峰トンネルの片側車線を迂回させて第3誘導路の深夜工事が始まろうとしている。負けずにがんばりますので、一緒に闘ってください」と訴えた。続いて葉山岳夫弁護士が法廷での応酬を振り返り、署名偽造問題でNAAのずさんな鑑定書を追撃的に粉砕する新たな鑑定書を提出したことを報告。さらに弁護団全員が発言し「このまますんなり証人調べに移れない」ところへ裁判所を追いつめた手応えを語った。
 北原鉱治事務局長は、前日の全国総決起集会の成功を確認し、「藤﨑をなんとしても法廷に引っ張り出そう」と呼びかけた。さらに動労千葉の滝口誠さん、関実、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さんが連帯発言を行った。最後に萩原進事務局次長がまとめの提起を行い、「われわれは国策裁判のデタラメを暴き、市東さんを守る陣形を強化し、現地の闘いを推し進め、三里塚闘争の一段の飛躍をかちろう」と呼びかけ、参加者全員が熱い拍手で応えた。(TN)

★裁判スケジュール
◎市東さん耕作権裁判
千葉地裁民事第2部(白石史子裁判長)
4月9日(月)午前10時30分開廷
 

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