関西合同労組かねひろ判決、闘いの正義性が資本と裁判所を圧倒
6月19日、神戸地裁尼崎支部で、かねひろ運輸解雇撤回闘争の禁圧を狙う裁判の判決公判が行われた。かねひろ裁判は、12年にわたる許用皓さんの解雇撤回闘争を禁圧するため、資本が「地位不存在等確認」を求め「争議は違法」と訴えたものだ。
かねひろ運輸資本は、労働組合を職場につくろうとした許用皓さんを、組合嫌悪で2000年7月、「指名解雇」。以来、許用皓さんは、この解雇に怒りを燃やし、解雇撤回・原職復帰を掲げて闘いぬいてきた。
この闘いは、同時に「労働者は闘っても勝てない」と救済主義に転落した塩川派が巣くう「関西合同労組兵庫支部」執行部による「金銭和解路線」との闘いでもあった。彼らは、国鉄闘争を裏切った「4・4」派に純化し、資本の手先になって解雇撤回闘争破壊に手を染めてきた。資本が許用皓さんへの「指名解雇」に血道をあげているとき、彼らは資本の攻撃に屈して、無期契約を放棄し、解雇攻撃を呼び込むようなとんでもない「3カ月契約書」を取り結んだのだ。2000年7月解雇は奴らのこの裏切り抜きにはありえなかった。許用皓さんは、塩川派執行部の裏切り・闘争破壊を弾劾し、のりこえて、あくまで解雇撤回を掲げ意気高く闘いぬいてきた。08年の分岐以来、新たな団結で社長宅包囲弾劾・社前抗議行動を闘い、企業団地での署名は200筆に及んだ。不屈の闘いに共感する輪が広がり、2011年阪神支部が結成された。かねひろ闘争は、塩川派と分岐して階級的労働運動路線のもと「闘う関西合同労組」をつくり出す闘いでもあったのだ。
こうした闘いに追いつめられたかねひろ運輸資本は、2010年1月に「雇用関係不存在」「争議行為の禁止」を求めて裁判所に泣きつき、許用皓さんを訴えてきた。盗人猛々しいと言うべき裁判だ。許用皓支部長は、かねひろ側が3人もの弁護士をつけて臨んできたのに対して、弁護士なしでたった一人で法廷に立ち、関西合同労組の固い団結で闘った。「あくまで解雇撤回」を貫いて門前闘争を続けた2年半。この闘いの全過程が勝利そのものとして勝ち取られてきたのだ。
判決公判には、関西合同労組組合員をはじめ地域の仲間20人が結集する中、神戸地裁尼崎支部長の揖斐裁判長は、こそこそと主文だけを読みあげて脱兎のごとく逃げ去った。判決になんの正当性・正義性もないことを自己暴露したのだ。これに対して、許用皓支部長は法廷全体を圧倒する怒りの演説を行い、反動判決を徹底弾劾した。そしてあくまでも解雇撤回を貫き、デタラメな判決には控訴して闘いぬくことをきっぱり宣言したのだ。そして最後に、全員でシュプレヒコールを叩きつけた。
判決は、事実認定においてもかねひろ資本の言いなりで、「雇用契約上の権利がないことを確認する」とし、「社長・会長宅半径200メートル内」での争議行為を禁止するとんでもない反動判決だ。しかし、かねひろ運輸資本の思惑どおりにはならなかった。資本の狙いは門前闘争を含む争議行為の全面禁圧だったが、判決は、門前闘争を禁止できなかった。それどころか、会社敷地内への立ち入りを限定的にせよ認めている。労働組合に門前闘争の「お墨付き」を与えてしまったのだ。かねひろ判決は、敵の狙いを核心で打ち砕いた。12年に渡って「解雇撤回」を貫いてきた階級性・正義性が、かねひろ運輸資本、裁判所を圧倒したのだ。そもそも解雇撤回闘争は、職場闘争・団結の拡大で勝利する闘いだ! 何かにすがって勝ち取れるものではない。裁判所に「認め」させた門前闘争を断乎として闘いぬき、かねひろ運輸資本が解雇撤回の白旗をあげるまで闘いぬく決意だ。(関西・K)
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