民主労総がソウル国会前で8・28ゼネスト突入を宣言
6月28日午後5時、「非正規職撤廃! 整理解雇撤廃! 労働悪法改正!」の3大要求を掲げる民主労総がソウルの国会前(ヨイドの国民銀行前)で警告ストライキ・集会を開いた。6月25日から全面ストライキに突入した貨物連帯、27日から同じくストに入った建設労組をはじめ、金属労組、公共輸送連盟、保健医療労組、事務金融連盟、化学繊維連盟、公務員労組、女性連盟、民主一般連盟、地域本部組合員など3万人を超える労働者が結集した。この場で民主労総は、イミョンバク政権に対し3大要求の実現とともに労働弾中断、労働基本権および民衆生存権保障のための10大課題、79項目の社会改革立法を要求し、政府・資本が要求に応じない場合は8月28日から無期限ゼネストに突入する方針を明らかにした。
貨物連帯と建設労組のストに続き、金属労組は7月15日に第1次警告ストライキ、20日に第2次警告ストライキを闘い、8月第3次ストライキへと継続しながらゼネストへ向け闘争水準を高めていく構えだ。さらに保健医療労組の営利病院阻止闘争、貨物連帯ストライキを援護している公共輸送労組の公共部門民営化阻止闘争など、韓国労働運動は、新自由主義攻撃との全面的な激突局面を迎えている。
文字どおり闘わなければ生きられない、労働者と労働者家族の生存権をかけた激突情勢が到来している。それを端的に示しているのが、特殊雇用労働者の労働基本権保障、未払い賃金の根絶を要求してストライキに立ち上がった貨物連帯と建設労組の現状だ。
貨物連帯(組合員1万2000人)は、6月25日朝から「貨物労働者の力で物流を止める!」と宣言し、無期限全面ストライキに突入した。同時に、コンテナ輸送の中心地である釜山新港と京仁ICD(内陸コンテナ基地)で、パクウォンホ釜山支部長、イボンジュ・ソウル京畿支部長が要求貫徹まで降りないと、それぞれの物流拠点で高空籠城闘争に決起した。スト初日、支部員600人ほどの釜山港を往来するコンテナ車両約2000台のうち600台以上の運行がストップ。1日1万台を超える全車両運行量が30%以上も減少した。大型トラックは全国で運行している8万2000台中、初日には37%に当たる3万台が止まり、2日目からは8万台以上がストに参加し、非組合員も含め90%以上が運行を拒否した! 光陽港、平沢港、浦項鉄鋼工業団地、釜山港などで80%以上の運行が止まった。
「車を走らせる奴隷」とまで呼ばれる貨物労働者は、「個人事業主」と定義され、労働三権を認められていない「特殊雇用労働者」だ。彼らを最も苦しめているのは《大型運送会社→斡旋業者→零細運送会社→貨物労働者》という「多段階下請構造」だ。斡旋手数料という中間搾取の結果、貨物労働者が受け取る運送料は荷主が支払った運賃の63%。しかもその中から道路費と燃料代を含む油類税を負担し、買い取った車両の代金を返済しなければならない。その上、2月末には軽油1リットルが2000ウォン(約139円)に迫るなど自動車用の軽油価格の高騰が続いている。この軽油に付加される税金は約40%、1人の貨物労働者が納める油関連税は収入の58%にも上るのだ。
その上、日常的な長時間労働と深夜運行、交通事故発生率の増加と死亡事故……、しかし労災保険もない。黙っていたら殺される! これが非組合員も含めて38万貨物労働者の90%がストライキに立ち上がる最大の理由だ。これは、貨物連帯と共同闘争で立ち上がった建設労組も同じだ。
全国建設労働組合(2万9000人)は、6月27日から18項目の対政府要求を掲げて無期限の全面ストライキに突入。翌28日には組合員1万5000人がソウル市庁広場での総決起大会に集まった。この日、タワークレーン操縦士たちが現場を放棄しソウルに結集したことで全国1000カ所、80%の工事現場が止まり、非組合員のストライキ参加が大きく広がった。
現在、韓国の建設労働者の70%が臨時・日雇い労働者であり、低賃金の上、慢性的な賃金・建設機械賃貸料の未払い問題に苦しんでいる。労災での死亡率も高いが、「特殊雇用労働者」であるために労災の適用も受けることができない。昨年1年間で建設現場での墜落、崩壊などの事故で死亡した建設労働者は577人に達した。安全対策が軽視される中、構造的な大規模事故が多発しているのだ。
貨物連帯と建設労組のストは、イミョンバク政権と資本家団体に労働者のストライキの威力を見せつけるものとなった。建設労組は28日の対政府交渉で前向きの回答を引き出したとし、テグなど一部の地域を除いてストを中断。貨物連帯も28日から29日朝にかけての運送事業者団体とのマラソン交渉の末、運送料の9・9%引き上げをもってスト中断を決定した。しかし労組側の要求達成にはまだほど遠い。貨物労働者・建設労働者の生存権確保と労働三権獲得への闘いはこれからだ。8月民主労総ゼネストへ、「俺たちは労働者だ!」「生きさせろ!」の闘いは続く。(M)
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