香港港湾非正規労働者のストライキが大勝利 「この闘いは、まだ終わらない」
3月28日より始まった、香港のコンテナ労働者を中心とする港湾非正規労働者のストライキは、5月1日のメーデーの5000人デモを経て、5月6日、40日間の不屈の闘いを貫いて、ついに労働者側の勝利に終わった。
港湾を支配する香港最大のブルジョアジーである李嘉誠の拠点・長江実業グループと派遣会社は、この非正規労働者の40日間の闘いに追い詰められた。そして労働者は、次のような勝利を資本に対して勝ち取った。
①すべての労働者の基本給9.8%の賃上げ
②労働者が自分の判断で機械(クレーンなど)を止めて、食事を取れるようにすること
③労働者が必要なときに仕事場を離れて、トイレに行けること
④会社は労働者に協力して、職場の安全や労働者の健康の状況について調べ、積極的に改善計画を実行すること
⑤労働者を平等に扱い、ストライキに参加した労働者の責任を追及しないこと
港湾業職労働組合総幹事の何偉航氏は、「派遣業者は白紙に文字を書くという確かな証拠となる形で、賃上げ、トイレや食事の仕方の改善などを承認した。今回のストライキの勝利はまだ半分だと考えている。資本を追いつめて、全香港市民の前でこれらを承認させることに成功したが、労働組合の団体交渉での地位はまだ定まっていない。この点で負けている」「この闘いはまだ終わっていない」「港湾の労働者はついに立ち上がり、そして港湾の仕事に戻る。これは小さな一歩だが、同時に港湾業の将来に向けた大きな一歩である。仲間たちはみんな同じ気持ちだ。労働組合は闘いを継続し、今後の賃上げの実行や職場の安全や労働者の健康問題の解決などで力を発揮しなければならないと」語っている
また香港労働組合連盟の組織幹事である陳昭偉氏は、「かなりの賃上げを勝ち取ったのは労働者の勝利だ。ストライキは労働者のいくつかの要求を満たしただけでなく、労働組合の力を強めた」と発言した。
今回の港湾労働者のストライキは、香港労働運動史上歴史的な勝利を勝ち取るとともに、その地平を総括し、今後の闘いの新たな出発点となったのである。
この闘いは何よりも非正規労働者の怒りと団結の勝利である。資本との40日間にもわたる不屈の闘争が切り開いた地平である。闘いが続けば続くほど、新たに闘いに参加する非正規労働者が増大し、労働組合への加入者が増えていった。まさに団結の拡大である。
またこのストライキが学生の決起を促し、その連帯闘争で勝利したことも画期的な地平である。遠く北京大学の学生も支援に駆けつけた。
さらに労働者の国際団結の生み出した勝利である。このストライキには、香港で働く東南アジアからの出稼ぎ労働者がともに闘った。大陸の戦闘的な労働者も支持を表明し、カンパなどを送り、その額は1億円近くに至った。そして「ひとつの海の労働者は団結しよう!」という彼らの訴えにこたえて、ILWU Local10が連帯声明を発し、また民主労組の労働者が連帯メッセージ写真を送付した。彼らの集会ではインターナショナルがうたわれた。こうした労働者の国際連帯も、この勝利の背後にある。
「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘い、そして国際連帯闘争こそ、世界の労働者階級の共通の闘いの課題であり勝利の展望である。国鉄決戦、自治労決戦を闘い、6.9へ! 香港や中国をはじめ全世界の労働者の連帯を求めて闘おう!(K)
写真は、
①李嘉誠の拠点・長江実業グループ本部ビル前を占拠し、抗議する港湾日正規労働者
②韓国民主労組が香港非正規労働者によせた写真メッセージ
③ストライキ支援に集まった学生たちのデモ
④資本による禁止令申請と対決して集会を開く港湾労働者
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