群馬で「農民は訴える!」集会に100人、市東孝雄さんとの絆固める
9月9日、「農民は訴える!9・9群馬集会」が高崎市労使会館で開かれました。はじめに、足尾鉱毒反対運動の資料映像と、三里塚闘争記録映画『大地の乱』が上映されました。支配階級は足尾鉱毒問題を過去のこととして語りますが、今も続いています。1907年、谷中村廃村攻撃と闘う農民と、軍隊まで引きずり出した足尾鉱山労働者の闘いを鎮圧した後に銅生産・精錬量は拡大し、ピークのベトナム戦争時には5倍化、被害も広がりました。こうして、銅精錬後の鉱さいは今も現地に2千万トン以上(「3・11がれき」総量に匹敵)が放置され、大雨のたびに鉱毒を渡良瀬川―利根川に流し続け、広大な農地と飲用水を汚染し続けています。
『大地の乱』では、そういった、明治以来の農民と労働者の闘いを引き継いで、三里塚反対同盟と全学連、動労千葉の「労農学同盟」が不死鳥のようによみがえった様相がダイナミックにえがかれました。ラストで「反対同盟の歌」が上映されると、いつの間にか、0歳児から95才の小池正男氏まで約100人の参加者がこれに唱和し、会場が一体化して集会が始まりました。司会の石川眞男・玉村町議から紹介された、群馬・市東さんの農地を守る会の高階ミチさんが主催者挨拶。「原発推進の政府やマスコミから〈過激派〉と宣伝されている三里塚になぜ自分はかかわっているのか。市東さんの農地を守るこの闘いの中に、日本の人々の力と真実があります」と訴えられました。
各界からの挨拶として、原発とめよう群馬呼びかけ人の若いお母さんが赤ちゃんとともに登壇。昨年以来2500人にまで拡大した数波にわたるデモの積み重ねの上で、「7・16集会には家族5人で参加しました。夫も農業です。市東さんとともに、そして、子どもたちに原発のない社会を渡すためにがんばります」と、会場全体をさらに明るくしてくれました。群馬合同労組の清水書記長からこの間の地労委闘争の報告と、JR検修業務外注化阻止の闘いが訴えられました。JR職場の現場労働者の生の声の紹介と、8月28日動労連帯高崎労組も参加して闘われた集団提訴の報告は、「闘えば勝てる」実感を与えてくれました。最後に県内の医師から、福島医療施設建設運動と三里塚への思いが語られました。
続いて「農民は訴える!」にうつり、渡良瀬川鉱毒根絶太田期成同盟会(1500戸)の板橋明治会長(91歳)がドクターストップをおしてつづってくれた、三里塚闘争への心のこもったメッセージが代読され、満場の拍手で確認されました。八ッ場ダム建設反対運動を取り組む方から「政府はもう終わったものと宣伝しているがそれはうそ、まだダムは何もできていません。」と、ダム建設の不当性と、現地のリアルな格闘が報告されました。原発とめよう群馬の呼びかけ人でもある田村貞重さんが登壇し、保守陣営からの妨害をものともせずに、県北部で40年前から大規模な無農薬農業を続けてきた実績に踏まえて、「社会そのものを変えないと農業問題は解決しない。自分の足元から始めよう」と訴えました。
いよいよ市東孝雄さんの登場です。「毎年、群馬に来るたびに参加者が広がっていてうれしいです。群馬の皆さんとは絆でつながっていると思っています。」「NAAのやっていることは全部でたらめです。にもかかわらず毎日、工事が進んでいる。ほんとうに憎い。私は絶対に負けません。いざとなったら体を張る覚悟です」「明日も裁判があります。私の農地を奪う許可を与えた張本人である、元の千葉県農地課長の渡辺の証人尋問です。私は絶対に許しません。」「来月の7日、現地で全国集会をやります。ぜひ皆さん来てください」の訴えに、会場全体が拍手で応えました。
閉会の挨拶に立った青柳晃玄さんから、「10・7三里塚―11月労働者集会へ」と、今秋決戦へのアピールが熱烈に訴えられました。今回の集会で、三里塚と動労千葉の闘いは、今の時代だからこそすべての労農学に新鮮な感動を与え広がる力を持っていることを実感しました。(群馬・T)
この記事へのコメントはありません。