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三里塚第3誘導路裁判、騒音問題で国・NAAを追及

s20121024b-1.jpg 10月23日、千葉地裁民事3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路建設許可処分取消裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東孝雄さんを天神峰から追い出すためだけに建設が進められる第3誘導路に怒りをたぎらせ、この日も顧問弁護団、傍聴席の労働者・学生・市民とともに闘った。(写真は終了後の弁護士会館での報告集会)
 弁護団は準備書面で成田空港の騒音問題を取り上げ、航空機騒音環境基準違反、さらに成田市公害防止条例違反であることを突きつけた。 

 1973年に告示された環境庁の告示「航空機騒音に係る環境基準について」では、飛行場の周辺で「もっぱら住居の用に供される地域」におけるWECPNL(うるささ指数)の基準を70以下とし、これをすみやかに達成するよう促している。成田空港周辺の騒音はこの基準を明白に超えているにもかかわらず、NAAはこれをまったく無視している。また成田市公害防止条例は、騒音の規制基準を朝夕で55デシベル、昼間で60デシベル、夜間で50デシベルと定め、これを超えた場合「市長は改善・変更を命じる」とし、勧告・改善命令に違反した場合には刑事罰を定めてでも環境を防止するとしている。
 この8月に、弁護団と反対同盟が東峰、天神峰、取香など暫定滑走路敷地境界周辺の6カ所で行った騒音測定調査では、基準をはるかに超える違法状態が続いていることが明らかになった。こうして環境破壊の横暴を積み重ねながら、被告の国・NAAは「生活を著しく破壊するものとまでは言えない」「空港周辺地域の環境が明らかに激変することが見込まれるとも言えない」と言葉をもてあそび、居直りの態度を文書上ではあからさまに示し続けている。だがこの日もやはり被告の代理人たちは、法廷での卑劣な沈黙を決め込むばかりだ。
 次回期日を来年の2月19日として閉廷。
s20121024b-2.jpg 弁護士会館で報告集会が開かれた。伊藤信晴さんが司会を務め、最初に北原鉱治事務局長があいさつに立った。「市東さんの住居は空港の騒音のために夜間安眠できないほどだ。来年の春には第3誘導路を完成させ、さらに農地を囲い込み強奪する攻撃が具体的に襲ってくるだろう。市東さん一人の問題ではない。日本農業を壊滅させるTPPを許さない。未来をつくるのは農民であり労働者である」と、一同の奮起を促した。
 続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が法廷を振り返りながら発言し、農地取り上げ攻撃との攻防として、すべての裁判を毎回真剣勝負として闘いぬく決意を表した。動労千葉、関実、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の宮内正志さんは「私は70年3月から動労千葉青年部として闘いに参加し、71年9月の三里塚第2次代執行にも逮捕覚悟で臨み闘った。動労千葉は今、外注化攻撃と全力で闘っている。11・4に1万人を結集できれば、市東さんへの攻撃への大反撃の力になると確信する」と訴えた。
 最後に萩原進事務局次長がまとめの発言を行った。萩原さんは05年に北側一雄国交相が東峰地区の人びとにあてて出した書簡を紹介した。それは成田の平行滑走路整備(延長)の必要性を強調し、「話し合いによる用地交渉」を言いつつ、最後に「理解を得られないのであれば、本来計画を断念し北延伸をするしかない。そうなったら交渉は終わりだ」と最後通告を突きつけ農地を売れ、と威迫するものだ。「国益だ国策だと言われるものの正体がこれだ」と萩原さんは怒りを込めて弾劾した。さらに「日本の三大小作争議」の一つとして知られる戦前の新潟県木崎村の争議を紹介し、「権力の圧政、暴力的弾圧に対して果敢に闘った歴史に学び、三里塚は一本に団結して闘おう」と訴え、参加者は大きな拍手で応えた。(TN)
 ◎10月29日(月)には市東さん耕作権裁判(午前10時30分開廷、千葉地裁)が開かれます。結集を。 

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