国労組合員資格訴訟、国労規約めぐる全面反論に本部側は色を失う
国労組合員資格確認訴訟の第6回口頭弁論が12月12日、東京地裁民事第11部(白石哲裁判長)で開かれた。
国労本部は2010年に4・9政治和解を強行し、その直後の同年7月の第79回全国大会で闘争団組合員を特別組合員にした。そして、翌11年7月の第80回全国大会で解雇撤回闘争の終結を宣言するとともに、組合員を「JR及び関連企業に雇用された者」に限定する規約改定を強行して、闘争団員から組合員資格を奪った。これに対し、和解を拒否して闘う4人の闘争団員が、同年11月に国労本部を相手にこの訴訟を起こした。
被告の国労本部はこの間、「組合規約に明文はないが、JRと雇用関係があることが組合員資格の前提」「雇用関係の回復ができないと判断される場合には、被解雇者の組合員資格もなくなる」と主張してきた。4・9反革命でJRの手先に転じ、ついに総合労働協約の締結に至った本部の恥知らずな姿が、ここにははっきりと表れている。
法廷では、原告の代理人弁護士が被告に真っ向から反論した。国労規約には「組合は、組合員名簿に登録されたものをもって組織する」と書かれている。国労結成当時の規約は「国鉄職員をもって組織する」となっていたが、1956年の大会で現在の形に改められた。これは、国鉄当局によって不当解雇された組合員を、労働組合として守りぬく闘いの中で実現されたものだ。原告代理人は、「被告の主張は国労の歴史を否定するものだ」と声を強めた。
国労本部は、闘争団員を79回大会で特別組合員としたことについて、「JRとの雇用関係が回復されれば一般組合員としての地位が回復される余地を残したもの」と述べている。原告代理人はその主張の矛盾を鋭く突いた。特別組合員には選挙権も被選挙権もない。これは「組合員は、労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取り扱いを受ける権利を有する」と定めた労働組合法に明らかに反する。つまり、特別組合員とされた時点で、闘争団員は組合員としての地位を確定的に奪われたのだ。これをごまかす本部の主張は決定的に破綻している。
原告代理人はさらに、規約上の手続きにないやり方で強行された組合員資格剥奪は無効だと強調した。
原告側の迫力ある主張に押された裁判長は、「規約では、名簿に登録された人が組合員とされているが、原告らは組合員名簿から抹消されたのか」と本部側に問いただした。国労弁護団の宮里邦雄弁護士は「現時点で確認できない」としか答えられない。こんな基本的な事実さえ把握していないのだ。裁判長は「被告が組合員資格喪失事由を立証できなければ、原告の請求が認められる」と念を押した。国労弁護団は顔色を失った。
総括集会で小玉忠憲さん、羽廣憲さん、成田昭雄さんの各原告は、「手を緩めず、本部を最後まで追及する」と語った。
原告を先頭に「共に闘う国労の会」は、裁判前に東京地裁前で、裁判終了後にJR東日本本社前での宣伝行動に立った。JR東日本本社前では、「笹子トンネル事故の責任は道路公団民営化委員会の委員だったJR東日本元会長の松田昌士や都知事候補の猪瀬直樹にある」と徹底弾劾、JR東日本の「グループ経営構想Ⅴ」と対決し、外注化を粉砕すると宣言した。街頭の反応は一変している。ビラは吸い込むように受け取られ、1047名解雇撤回の署名やカンパも多く寄せられた。(東京・K)
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