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動労千葉鉄建公団訴訟控訴審始まる 「事実直視し解雇撤回を!」

s20121219a-1.jpg 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の第1回口頭弁論が12月17日、東京高裁民事12部(難波孝一裁判長)で開かれた。いよいよ解雇撤回・JR復帰に向けた新たな闘いが始まった。
 裁判所前に結集した動労千葉組合員と支援者を前に、動労千葉争議団の高石正博団長は「一審判決は、私たちが不当労働行為によって職場を奪われたことを認めた。不当労働行為を認めた以上、JRに戻すのが当たり前だ。自分たちの闘いが正しかったこと、JRに復帰するのが当然だということを裁判所に認めさせるために、今後ともご支援をお願いします」とあいさつした。参加者は、反動の牙城=東京高裁に「1047名解雇撤回! JRに採用しろ!」と怒りのコールをたたきつけて裁判所に入った。 

s20121219a-2.jpg 裁判の冒頭、動労千葉争議団の中村仁さんが意見陳述を行った。中村さんは「一審判決は、停職6カ月以上または停職2回という名簿不記載基準を策定してわれわれを採用候補者名簿から外したこと、それを指示したのが葛西敬之職員局次長(現JR東海会長)であったことを認定し、国鉄当局の不当労働行為を認めた。ここまで認定すれば解雇撤回以外の結論があるはずがない」と断じ、「この25年間、JR不採用になった怒りと悔しさを忘れたことはない。東京高裁は事実を事実として見て公正な判決を出すべきだ」と裁判官に迫った。
 続いて原告代理人が、控訴の理由を陳述した。
 代理人は最初に、東京地裁の裁判官時代に国労鉄建公団訴訟一審判決(2005年9月15日)を出した難波裁判長に次のように迫った。「自分は1047名問題は分かっているというような認識をすべて捨てて本裁判に臨むべきだ。その後の闘いによって、名簿作成過程における具体的な事実関係が初めて明らかになった。裁判長は1歩も2歩も認識を進め、事実を直視した審理を求める」。そして、採用候補者名簿からの排除と90年清算事業団解雇は密接不可分であることを改めて明らかにし、採用候補者名簿作成過程での不当労働行為を認定しながら「両者は一体のものではない」と強弁して90年清算事業団解雇を有効とした一審判決の誤りを明快に指摘した。さらに、国鉄分割・民営化そのものが国家的不当労働行為であったというこの裁判の原点を強調し、消滅時効や損害賠償額認定の問題などにわたり原判決を全面批判した。最後に「不当労働行為に基づく解雇は無効であり被告の鉄道運輸機構は原状回復する義務がある。原告が他の採用候補者名簿記載者と同等、すなわちJR東日本職員の地位にあることを認めるべきだ」と解雇撤回・JR復帰の判決を求めた。
 被告代理人である西綜合法律事務所の向井千杉は「本件基準の策定と名簿不記載が不当労働行為だと認めた原判決は致命的誤りだ。解雇が有効であることは過去の裁判において等しく認められている」と悲鳴をあげ、一審判決への打撃感をあらわにした。
s20121219a-3.jpg 都内の会場で報告集会が開催された。動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士は「現在の学説では、不当労働行為に対する救済は単なる原状回復でなく、『少なくとも原状回復』というのが主流の考え方だ。原告を名簿に記載されていた状態に戻すこと、つまり必然的にJR職員としての地位が回復されねばならない」と控訴審での課題を解説した。
 支援に駆けつけた動労連帯高崎の和田山繁委員長は「私の所属する埼玉県の熊谷地区労で『1047名問題は終わっていない』と署名運動への協力を要請した。物販も非常に感触がいい。1047名闘争の持っている位置は非常に大きい。検修の外注化問題と一体で職場から闘いをつくっていく」とあいさつ。動労水戸の木村郁夫書記長も「動労千葉は労働運動の未来をかけ、国鉄分割・民営化に対して首をかけて2波のストに立った。こうした歴史のすべてがこの闘いには詰まっている。絶対に勝利しなければならない。総選挙の結果を見ても、連合支配は完全に崩壊している。今こそ打って出るべき時だ」と共に闘う決意を示した。
 動労千葉を支援する会の代表が連帯あいさつを行い、最後に動労千葉の田中康宏委員長が「新たな闘いが始まった。初心に返り、勝ちにいく裁判として全力で闘う。外注化攻撃との闘いもこれから本格的な段階に入る。年内に外注化と強制出向差し止めの裁判を提訴する。この二つの闘いを軸に、闘う労働運動復権に向けて闘おう」と集会をまとめた。
 次回の裁判は2月27日(水)午後2時30分から東京高裁で開かれる。(O) 

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