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天神峰やぐら裁判――農地裁判の弁論再開を認めぬ多見谷裁判長を弾劾

20130522b-1.jpg 5月21日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)において、〈天神峰やぐら裁判〉の第1回弁論が開かれた。この裁判は、市東孝雄さんの農地裁判において成田空港会社(NAA)が市東さんに明け渡しを求めていた物件の中の4つの工作物について、三里塚芝山連合空港反対同盟に所有権があることを認めさせ、その収去を阻むために反対同盟が起こしたものである。
 4つの工作物とは、①への字誘導路に向けて「成田空港絶対反対」など日本語と英語で書かれた大看板、②への字誘導路沿いに建てられた監視やぐら、③旧小見川県道沿いの畑に建てられた「農地取り上げを許さない」など書かれた看板、④団結街道沿いに建てられた監視用のやぐら。これらは市東さんの許可を得て天神峰の耕作地に反対同盟が設置したもので、NAAが市東さんに対して「明け渡せ」などと迫るのはまったくの見当違いなのだ。
 

20130522b-2.jpg 開廷を前に、法廷内には緊張が高まった。
 多見谷裁判長は、農地裁判において決定的な新証拠が現れたにもかかわらず、弁論再開の申し立てに対し「終結しているので折衝はしない」と拒んでいるのだ。傍聴席を埋めた労働者・学生から「弁論を再開しろ」「文書偽造に加担するのか」と怒りの声が、こわばった表情の多見谷に次々と突きつけられた。
 午前10時30分に開廷し、最初に反対同盟を代表して北原鉱治事務局長が意見陳述を行った。「4つの物件は空港反対闘争の正義性、農業つぶしと農民追い出しの不当を訴え、廃港まで闘うことを表明する反対同盟の所有物である。この裁判は農地裁判と一体のものだ。市東さんは百年続く農地を受け継ぎ、日々農業に励んでいる。これを奪うことは許されるはずがない。NAAが明け渡しの根拠としてきた〈同意書〉〈確認書〉が誤りであることを示す新証拠が出てきた。裁判長はただちに弁論再開に応じよ。十分な審理を尽くせ!」
 これに続き、顧問弁護団が反対同盟の所有権を明らかにする準備書面を陳述し、さらにこの裁判の審理のためにも、農地裁判の弁論を再開すべきであることを迫った。裁判長は、「別件について話す場ではない」と拒否した。「別件だと!?」と、たちまち法廷は怒号につつまれた。裁判長はあせりながら発言禁止命令を乱発。さらに次回期日を9月3日とした上で閉廷しようとした裁判長に対し、弁護団が再び「農地裁判の判決が7月29日に出されてからでは、本件裁判の審理が成り立たない。やはり農地裁判の弁論再開を」と突きつけると、またしても「別件」を強調して拒絶した。
20130522b-3.jpg 一層激しい怒号に包まれた法廷で、多見谷は強引に閉廷を宣し、1人に対し退廷を暴力的に強行した。
 弁護士会館に場所を移し、報告集会が開かれた。北原さんのあいさつに続き、葉山岳夫弁護士が発言に立った。「この件が農地裁判と無関係だなどと言い張るのはとんでもないことだ。多見谷は農地裁判でNAAが勝手な訴状変更を行ったことをすんなり認める一方、反対同盟の独立当事者参加(独自の立場で訴訟当事者になる)を認めなかったので、こちらは独自の訴訟を起こした。7・29反動判決を許さぬ闘いの一環としてこの裁判も全力で闘おう」と訴えた。さらに弁護団全員が発言し、弁論再開を拒絶し強権をふるう裁判長を激しく弾劾した。
 質疑応答ののち、最後に萩原進事務局次長がまとめを提起した。「多見谷は正面からの強行突破をはかっている。土地を取り上げるというのなら、あらゆる手段を用いてこれを粉砕し、空港を廃港にする。反対同盟の一斉行動で、周辺住民の中に空港への怒りが根強く渦巻いていることをあらためて実感した。3万人署名を集めながらその怒りを組織して7・14全国集会をかちとり、反動判決を粉砕しよう」
 この熱い提起を受け、その場の全員が全力で奮闘することを誓った。(TN) 

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