韓国でKTX民営化に反対し鉄道労組が総力闘争を宣言
韓国では、イミョンバク政権を引き継ぐパククネ政権のもとで公共部門の民営化攻撃が本格化し、これとの大激突が始まっている。5月23日、政府は韓国高速鉄道(KTX)の民営化に向けて新たな攻撃を開始した。現在の鉄道公社(KORAIL)を持株会社に転換し、そのもとに複数の子会社を設立するという形で、鉄道事業への民間資本の全面導入―分割・民営化に突き進もうというのだ。これに対して民主労総と全国鉄道労組は5月25日、ソウル駅前広場で総決起大会を開き、「ゼネストを含む総力闘争」をもって鉄道分割・民営化を絶対阻止すると宣言した。
集会には、鉄道労組2万5千組合員のうち4千人が全国から結集、駅前広場を満杯にし、ものすごい組織力と団結力を示した。民主労総のヤンソンユン非常対策委員長、公共運輸連盟のイサンム委員長、公共運輸ガス労組なども発言し、鉄道労組とともに団結して闘うことを訴えた。パククネが昨年末の大統領選挙で「国民合意なしのKTX民営化には反対する」との公約をペテン的に掲げていたことに対し、「パククネは公約を履行しろ!」の怒りの叫びが、「鉄道分割・民営化反対!」の声とともにたたきつけられた。
パククネ政権がやろうとしているのは、KORAILを持株会社にした上で、鉄道を旅客と貨物など5つの子会社に分割し、運営はその子会社に任せるというもの。子会社へのKORAILの一部出資(30%)を理由に「民営化ではない」と強弁するが、残り70%は市場での資金調達となり、まさに民営化そのもの、鉄道事業を民間資本の食い物にしようとする攻撃だ。2015年開通予定のKTX新路線(ソウルの水西を起点にソウルと釜山、ソウルと木浦を結ぶ新線)からこの方式を採用し、順次、全国・全路線に拡大するという計画である。
KTXはKORAIL唯一の黒字路線であり、とくに新設される路線は年間数千億ウォンの収益が見込まれている。これを民間大資本が奪い取って、鉄道事業全体を資本の新たな金もうけの手段に転化しようというのが攻撃の狙いだ。このKTX民営化を突破口に、電気、ガス、水道、医療などの民営化攻撃が一挙に加速しようとしている。最大の核心は労組破壊、民主労総解体、労働運動の根絶一掃である。まさに26年前の日本の国鉄分割・民営化と同じ質の攻撃が韓国においてもしかけられてきているのだ。
国鉄分割・民営化と絶対非和解の闘いを唯一、26年間にわたって貫き通してきた動労千葉の闘いは今、分割・民営化体制を根底から覆す正念場に突入している。韓国の情勢は、この闘いが今や国際的な決戦課題に押し上げられたことを示している。民営化攻撃への徹底抗戦を宣言した韓国労働者階級との連帯をかけて、6・9国鉄集会への大結集をかちとろう!(CO)
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