「8・6ヒロシマ大行動大集会」が1250人の結集で大成功
被爆68周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会主催による「8・6ヒロシマ大行動大集会」が8月6日午後、広島県立総合体育館小アリーナにおいて1250人の結集で行われ、その後の市内デモと合わせ、大成功をおさめた。前日の「再稼働阻止・全原発廃炉 ヒロシマ世界大会」と、当日早朝から行われたヒロシマ・アピール集会―安倍首相の式典出席抗議デモの高揚感がそのまま持ち込まれ、会場は集会開始前から早くも解放感と熱気でいっぱいだ。
12時半、集会が始まった。まず、8・6ヒロシマ大行動共同代表でセイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表の大江厚子さんが開会あいさつを行い、フクシマ切り捨ての攻撃と前日に発生した沖縄での米軍ヘリコプターの墜落事故に対して心の底から怒りを表明し、「本日の集会を成功させよう。デモを頑張ろう!」と元気あふれる声で呼びかけた。「ヒロシマの被爆者の訴え」に高陽第一診療所の患者団体である「ひまわり会」の山口元さん、被爆者で8・6ヒロシマ大行動共同代表の下田禮子さんが立った。高陽第一診療所の吉田良順医師に紹介されて発言した山口さんは自らの被爆の体験を語り「母、妹、祖父が亡くなった。皆さんとともに頑張る」と表明。下田さんは「山本太郎さんの勝利が光を与えてくれた。団結して行動して行きましょう」と語った。
続いて基調報告だ。参加者の熱い視線と拍手の中、広島大学学生自治会を建設し、委員長に就任した百武拓さんが登壇した。百武さんは開口一番「私は被爆者の闘いを継承し、このヒロシマ闘争を学生が最先頭で闘うため、そして新自由主義に対する学生運動の大高揚をつくり出すために、広島大学に自治会を建設しました!」と若いエネルギーをはち切らせて報告。「これからも一人ひとりが闘いの先頭に立ち、職場・キャンパス・地域に拠点をつくりあげていく行動を巻き起こし、必ず社会をひっくり返す100万決起をつくり出しましょう」「8・6ヒロシマ闘争の爆発から、秋の反原発100万人決起をつくり出していきましょう。そして11月労働者集会に1万人の結集を実現しましょう!」と訴えた。学生運動の若きリーダーの鮮烈な登場は会場を感動で包み、全参加者の拍手と歓声が途切れることなく続いた。
NAZENヒロシマの若いメンバーからのカンパアピールに続き、アメリカの著名な社会派反戦シンガーのデビット・ロビックスさんが「Hiroshima」という歌を熱唱した。続いてゴアレーベン核廃棄物処分場反対闘争をともに闘っているドイツの青年が登場。百武さんとNAZENヒロシマの青年労働者が、会場で寄せ書きした檄布を手渡した。ドイツの青年は溌剌(はつらつ)とした声で「ドイツと日本が腕を組んで一緒に闘いましょう」と会場に向かって呼びかけ、日本語で「ダンケツ、ガンバロウー!」と拳を突き上げた。
フクシマとともに放射能から命を守る医療・保養・避難の取り組みを、福島の女性、ふくしま共同診療所医師の杉井吉彦さん、8・6ヒロシマ大行動共同代表でNPO法人よもぎのアトリエの室本けい子さんが報告した。福島の女性は「ふくしま共同診療所ができて本当にうれしい」、杉井さんは「長期にわたり福島の人とともに歩む。全国の支援と協力が必要」、室本さんは「フクシマとつながって保養をしていく」と思いを語った。
安倍政権の原発再稼働、改憲攻撃と闘っている仲間が発言に立った。愛媛県職員労働組合委員長の宇都宮理さんは「政府は万全の準備はできていない。地方公務員の賃下げ攻撃にストライキで闘おうという機運が高まっている。伊方原発の再稼働を絶対に阻止する」と高らかに決意を表明。島根人類愛善会会長でNAZEN呼びかけ人の松浦武生さんは自民党改憲草案をつぶさに批判し、「日本を戦争のできる国にする改憲に反対しましょう。これからも反戦・反核・反原発で頑張りましょう」と呼びかけた。
広島の青年労働者のアピールだ。最初に倉澤憲司さんへの「8・6処分」撤回闘争で団結を固めてきた広島の教育労働者3人が登場した。広教組組合員で被爆二世の平野綾子さんが8・6処分との闘いを報告。倉澤さんは「私は皆さんとの団結にかけてこれからも闘う」と固い決意を語った。さらに『広島県人事委員会と広島県教育委員会を弾劾する決議』を会場の拍手で採択した。続いて広島連帯ユニオン草津病院支部の3人の仲間が登場。女性労働者が「今日ここに立って、金もうけ優先の社会を変えていくことはできると確信した」と気概に満ちた発言。中山崇志委員長は「一致団結して皆さんとともに闘う」と決意を表明した。
青年を先頭に明るく気合いのこもった発言が続き会場が熱気に包まれる中、動労千葉の田中康宏委員長が登壇した。田中委員長は「今、必要なことは腹の底からの怒りだ!」と安倍政権の原発再稼働、改憲、戦争攻撃に怒りをたたき付け、「この国の政府は腐っている。打ち倒さなければならない」と鮮明に提起。そのためにも政府の手先になっている連合本部を打倒し、闘う労働組合をつくり上げようと語り、「国鉄闘争の20年間の闘いはすべてをひっくり返すところに来ている」と、一段と声を張り上げ11月労働者集会への大結集を訴えた。
最後に、8・6ヒロシマ大行動共同代表で動労西日本委員長の大江照己さんが閉会あいさつを行い、「団結ガンバロー」で集会を締めくくった。
デモの出発だ。安倍と「原爆と原発は別」とフクシマとヒロシマの分断を図る松井・広島市長の意を受けた警察はデモ隊を寸断し、妨害を図るが、5、6日の連続した勝利に燃えるデモ隊の士気を抑えることなどできるはずもない。広島市の繁華街を通るデモはどこでも労働者民衆の注目の的だ。年輩の女性が歩み寄り「60年代、70年代に労働組合で活動していた。このところ労働運動が停滞していて悔しかった。こんな元気のいいデモは初めて見た。こうやって労働組合が闘っているのに感動しました」と思いを語った。
闘う労働組合を作り、安倍政権を打倒して労働者民衆の社会をつくろうの声は今や誰も押しとどめることのできない奔流となった。9・25反動判決を阻止し、11月労働者集会1万人結集に向かって突き進もう。(H)
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