反原発金曜行動 「世界の人が再稼働許さない」官邸前で怒りの声
8月23日午後6時から首相官邸前・国会前で恒例の反原発金曜行動が闘われた。
汚染水問題で重大事態が次々と明らかになる一方、安倍政権の再稼働攻撃が強まることに対して危機感をもった労働者人民が全国から駆けつけ怒りの声を上げた。とりわけ全国の原発立地の住民の発言が多くなされ注目を浴びた。
毎回参加して発言している女性は、汚染水問題と除染の破綻的現実に対して、「海も山も放射能で汚してしまった。世界の人が再稼動を絶対に許さない。私も許せない」と熱烈な訴え。
福島県の双葉町から東京に避難している亀屋幸子さんは、「甲状腺がんが3日前に18人に増えたと発表された。それなのに国は放射能は関係ないと言っている。福島県の子どもたちを守って下さい。汚染水、前からすこしづつ漏れている。あれは止めようがない。次から次に漏れると思う。早く汚染水、甲状腺がんの問題を解決してください」と福島の怒りを語った。
全国の原発立地からの発言が官邸前でも国会前でも数多くなされた。
九州電力の玄海原発訴訟の原告から2人の女性が発言し、「玄海原発はもう古くて限界なんです。原発をやめて子どもを守って下さい。原発をベトナムやトルコやインドに輸出しないで下さい。世界の子どもを守って下さい。すぐに廃炉にして下さい」「玄海訴訟は去年の7月から今年の7月で7回の提訴をしました。原告団は6751名です。もうすぐ7000の原告団です。この裁判で勝利の判決をとって、政策を変えさせましょう」と、それぞれ発言した。
再稼働が一番狙われている四国電力の伊方原発からは、香川県の女性と愛媛県今治市の女性が発言した。
「四国にある伊方原発はリスクが低いからと一番始めに再稼働されるというキャンペーンが始まってしまい、私たちは大きな危機感を持ち、東京までやってきました。多くの研究者は、巨大地震になれば、伊方原発のすぐ近くにある世界有数の中央構造線の活断層が大きく動くと警告している。それなのに、なぜ伊方原発のリスクが低いと言えるのか」「住民の意見を聞かず、現地の様子をきちんと知ろうともせず、こんなに遠く離れた東京の官邸で勝手に命にかかわる重大なことを決めるのは止めろ」と鋭く訴えた。
今治市の女性は、「私たちは原発を50機以上つくってしまったのですが、今ここで責任を取らなければ子どもたちに顔向けできません。本当に恥ずかしくない大人としてがんばっていきたいと思います」と熱烈な発言を行った。
上関原発建設反対の女性は、「山口県から3人で来ました。安倍首相は山口県、それだけでも非常に責任を感じている。3・11の後は上関原発を見直そうという機運が高まった。しかし、安倍首相が政権を取り、推進派が一挙にうごめき始めた。私たちはそれを大変危惧(きぐ)している。そして毎月山口でも第2・第4金曜日にデモをしている。祝島の町民の方たちは30年間、原発反対の運動をやってきていまだに何億という交付金を1円たりとも受け取っていない」と現地の闘いぶりを報告した。
石川県金沢から来た女性は珠洲(すず)原発を白紙撤回させた地平から「志賀原発は今重大な活断層の指摘をされている。原発の再稼動などとんでもない、ましてや輸出なんて恥ずかしい話を進めるな」と激しくアピールした。
国会前では鹿児島県から来た男性が、「中央構造線は伊方原発のそばにあるが、最南端が川内原発の東北側にある。川内原発はものすごい活断層の上に建っているということになる。今日来て泊原発、伊方原発、玄海原発などの再稼働反対のコールが必ず入るということで非常に勇気づけられた。鹿児島に帰って報告してがんばります」と、首都圏の運動と地方の運動が連動していることを実感をもって語った。
福島第一原発の事故は収束どころか、海洋汚染をも引き起こしてますます全世界的に拡大しようとしている。ことここにいたっては、原発再稼働や原発輸出など論外だ。今秋反原発大闘争を爆発させ、全原発廃炉に向かって突き進もう。(K)
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