8・9長崎 核戦争阻止誓う 改憲と核武装許さない 「安倍は帰れ」と怒りのデモ
安倍政権が改憲をたくらみ、米トランプ政権が小型核兵器の製造を開始するなど、核戦争の危機が迫る中、被爆74周年の8・9長崎反戦反核闘争は、これと真っ向から対決して闘われた。また、安倍の原発再稼働・新設政策の強行に対し、福島の怒りと連帯し、すべての核を許さないことを改めて誓い合った。
9日朝、NAZENナガサキは全国の仲間とともに安倍の平和祈念式典出席を弾劾するデモに立った。20年改憲を公言し、韓国への排外主義を激しくあおる安倍が長崎に入り、被爆者の思いを真っ向から踏みにじることを、どうして許せるか。デモ隊は決意を固め城栄公園を出発した。しばらくして警察がデモを妨害してきた。目の前の通りを安倍の車列が通るからだ。デモ隊は「戦争・改憲反対!安倍は長崎に来るな!」と声を限りに叫び続けた。
デモが再開されると、今度は式典会場に続く坂道に警察が阻止線を張っている。ちょうど安倍が式典で発言している時刻だ。デモ隊はその場で安倍弾劾の声をさらにたたきつけた。
平和公園に到着したデモ隊は、原爆犠牲者遺族をはじめ多くの人々と合流し、原爆投下時刻の午前11時02分、二度と戦争・核戦争を許さないと心に誓い、黙祷を捧げた。
■福島と連帯して被爆74周年集会
9日午後、NAZENナガサキが主催し、動労総連合・九州が協賛する8・9長崎反戦反核集会が長崎県勤労福祉会館で開かれ、52人が参加した。
被爆者の城臺(じょうだい)美彌子さんが主催者としてあいさつし、被爆74周年のメッセージを発した。冒頭、獄中で命を奪われた星野文昭さんに全参加者が黙祷を捧げた。城臺さんは、全世界に1万5千発もの核兵器が存在する事実を指摘し、「核は人類を滅亡させる。絶対に許してはならない」と声を強めた。また、自らの被爆体験を詳しく語り、被爆者を切り捨ててきたこの国のあり方を暴き、「今、福島でも同じことが行われている」と述べ、「核は兵器にも『平和利用』にも使ってはならない」と訴えた。さらに、被爆者の切実な願いを拒んで核兵器禁止条約の批准を妨げる安倍に、「どの面を下げて長崎に来たのか」と怒りをたたきつけ、改憲・戦争阻止の決意を表明した。
広島連帯ユニオンの壱貫田康博書記長が広島の闘いの大成功を報告した。動労総連合・九州の石﨑義徳執行委員が「星野さんの闘いに続く」と述べ、同労組の羽廣憲委員長が「戦争を阻み、この国のあり方を変えるために国鉄分割・民営化以来32年、解雇撤回闘争を続けてきた」と表明した。
「止めよう!安倍政権の改憲を」と題して山本志都弁護士が講演し、「今年の8月はいつにない緊張感で迎えた」と切り出した。韓国への禁輸や名古屋で「表現の不自由展」が中止されるなど、排外主義が激しくあおられる情勢下、改憲と対決するためには、国会に頼るのではなく、憲法をも武器に権利を拡充してきた労働者民衆の闘いに依拠すべきだと強調した。そして全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧と闘う重要性を訴えた。
福島の子どもたちの健康を守るために行われている長崎での保養活動のビデオが上映され、スタッフがその取り組みを報告した。
福島診療所建設委員会の渡辺馨さんが講演し、原発事故「自主避難者」への住宅補助が3月で打ち切られるなど、帰還強制の攻撃が進む福島の現実を報告した。「東京オリンピックは福島圧殺そのもの」と弾劾し、原発事故による健康被害を否定する安倍政権と対決すると表明した。また、広島・長崎・沖縄・福島の連帯を訴え、被曝を拡大する常磐線全線開通を阻止するため9・22水戸集会への参加を呼びかけた。
NAZEN福岡が玄海原発・川内原発廃炉に向けてアピールを発した。
動労千葉の中村仁執行委員が、労組を破壊するJRと対決し、労組が改憲阻止の先頭に立つと表明した。レーバーユニオン福岡は、共謀罪を先取りした同労組への弾圧をはね返したと報告した。全学連の安田淳敏副委員長は、京都大学や広島大学で連続する弾圧と対決する中、新たな仲間が立ち上がり始めたと述べた。
集会をまとめたNAZENナガサキの橋里耕悟事務局長が、吹き荒れる排外主義を許さないと表明し、11・3全国労働者集会への結集を訴えた。最後に「安倍の改憲を阻止し、核戦争を止め、すべての核を全廃しよう!」という集会決議を参加者全員で採択した。
この記事へのコメントはありません。