第3誘導路裁判、「進入表面」でNAAの違法明らか
3月10日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路許可取消裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民がともに闘いぬいた。
反対同盟側は第3誘導路など3本の誘導路の運用実態と騒音にかんする調査報告書を5月に提出する予定である。今回弁護団は、その調査と分析の進捗状況をつづった上申書を提出した。これは単に一日の騒音の大きさを測るだけでなく、航空機の離着陸、誘導路の走行などの状況を具体的に把握し、音源を特定し、新しい環境基準に合わせた厳密なものとして行われた調査・分析だ。この騒音が周辺住民にとってまさに生活破壊そのものであることが、明らかとなるだろう。
今回はさらに、被告の国・NAA側の違法性が浮き彫りになった。彼らは滑走路の侵入表面(航空機が安全に離着陸を行うために設置される勾配を有した表面)を突き破って、東峰の民家の屋敷林などが存在していることを承知していながら、暫定滑走路で飛行機を飛ばし続けているのである。これは明白な航空法第40条違反だ。危険性を重々承知しながら、東峰地区の民家の頭上40㍍にジェット機を飛ばし、騒音地獄にたたき込み、住民の追い出しをはかってきたのだ。この違法が明るみに出されたくないので、許可処分を出した手続きに関する書類を裁判に出そうとしないという態度を貫いている。暫定滑走路と第3誘導路は安全無視と違法のかたまりであることを、国側は自認しているのだ。
弁護団は求釈明の補充によって、さらに徹底的な追及を行う姿勢を明らかにした。
次回期日を6月9日として閉廷したあと、千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。最初に葉山岳夫弁護士があいさつを行い、第3誘導路は市東さん追い出しのためだけに巨費を投じて造られた矛盾に満ちた存在であることを強調した。さらに弁護団全員が発言してこの日の法廷を解説し、農地裁判控訴審勝利への決意を述べた。
質疑応答で、進入表面を突き出ているのは、東峰地区の屋敷林、東峰神社の成長した立木であり、さらに滑走路北側にもそうした樹木が存在していることが明らかにされた。
動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、「DC会館で3・2千葉県三里塚集会を開き、3・23全国集会(芝公園)から3・26東京高裁での農地裁判控訴審弁論へと立ち上がることを誓い合った。明日は3・11福島・郡山集会に集まろう。成田空港内で働く労働者の怒りをも組織しよう」と訴えた。
最後に司会の伊藤信晴さんが、農地取り上げに反対する署名について、駅頭宣伝や反原発集会での訴えなど数々の取り組みによって集められ、当面の目標である3千を超えたことを報告した。そして3月16日に第1次集約を行い、さらに3・26には1万人分を集めて持ち寄ることを目標に奮闘しようと力強く訴えた。(TN)
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