3・16春闘大行動 首都圏各産別の労働組合を中心に450人が集会・デモ
「われわれは、やつらのおこぼれをもらっているんじゃねえ!」――。「過労死を許さない労働組合をつくろう」を掲げた春闘大行動(実行委員会主催)が3月16日、東京・代々木公園で行われ、集会とデモがかちとられた。首都圏各産別の労働組合を中心に450人が結集、アベノミクスの破産を押し隠すための「官製春闘」をぶっ飛ばし、労働者の怒りと誇り、闘いと団結を取り戻す14春闘の旗を打ち立てた。
集会は、国鉄闘争を軸に新自由主義と職場で闘い抜いてきた労組が次々と発言、連合幹部に代わる階級的労働運動の奔流として登場した。労組拠点建設を前進させ、5・1メーデーと6・8国鉄全国運動大集会へ向けて、国鉄10万筆署名達成への出発点を築いた。自治労3・14全国統一行動と合流し、安倍政権を倒す労働者階級の力強い闘いが始まった。
「外注化・非正規化、低賃金・長時間労働で過労死させられる状況に一言もふれないベアとはなんだ!」。司会を務める精研労組青年部のほとばしる怒りの中で、集会は始まった。
連帯あいさつは東京都知事選挙に立候補し戦った鈴木達夫弁護士だ。鈴木弁護士は「都知事選は春闘の前段。これからが本番だ」と切り出し、「官製春闘」について「アベノミクスの崩壊をごまかすもの。ベアも消費増税でのみこまれる」とその正体を暴いた。
そして春闘のもう一つの課題として、ウクライナにおける帝国主義間・大国間の大争闘戦と戦争情勢と対決し「安倍の改憲・戦争政治を吹き飛ばそう」と提起、「中曽根元首相は国鉄分割・民営化で労働運動をつぶして新憲法を作ると言ったが、国鉄闘争全国運動の力が改憲策動に立ちふさがっている。労働者の力で安倍は倒せる」と改憲阻止・国鉄闘争勝利の闘いを熱烈に呼びかけた。
基調提起は合同・一般労働組合全国協議会代表の吉本伸幸さんだ。吉本さんは、安倍のベア演出を「われわれはやつらのおこぼれをもらっているんじゃねえ!」と弾劾、5・1メーデーと6・8国鉄闘争全国運動大集会へ向かって国鉄10万筆署名を集め切り、労組拠点建設へ突き進もうと提起した。(要旨下記)
続いて特別アピールに動労千葉の田中康宏委員長が立ち、「安倍の攻撃を粉砕する力は国鉄10万筆署名にある」と訴えた。(要旨下記)
東京西部ユニオン青年部のはつらつとしたカンパアピールの後、司会を自治労の青年労働者に交替、集会は職場からの決意表明に移った。
JRの職場からは、民営化粉砕・JR体制打倒の決意が述べられた。
動労千葉青年部は、職場の分断をもたらす外注化やライフサイクルが事故の元だと指摘、「ライフサイクルで駅に出された運転士を元の職場に取り戻した。動労千葉の闘いがあったからだ」と春闘の勝利を報告した。
被曝労働拒否で闘ってきた動労水戸の池田学執行委員は、住民と労働者に被曝を強制するJR常磐線の竜田駅延伸阻止をあらためて決意した。また茨城県の小竹運輸グループ労働組合支援共闘会議の結成を、呼びかけ人代表として報告、動労水戸もともに闘い抜くことを訴えた。
国労原告団・旭川闘争団の成田昭雄さんは、JR北海道事故を「現場に人がいない。プロの首を切ったからだ」と弾劾、保線労働者としての誇りを胸に「闘い続ければ勝てる」と力を込めた。
さらに、自治労3・14全国統一行動に立った北島一恵さん、郵政民営化の破綻がもたらした現実に怒りを燃やし拠点建設へ向かうJP労組東京銀座支部の星野勝紀さん、教育の民営化絶対反対で組合役員選挙で体制内執行部と本格的な激突を開始した三浦半島教組の仲間が、国鉄・公務員決戦に立ち上がることを意気高く宣言した。
続いて大きな拍手に包まれる中、首都圏広域労働組合連絡会から過労死、労組破壊、解雇攻撃と闘う小竹労組が登壇、「過重労働、低賃金は全労働者への攻撃だ。支援共闘会議の団結を全国に拡大し、人らしく生きられる世の中をつくろう」と呼びかけた。
医療現場からは精研労組の諸永政廣委員長が、医療労働者は新自由主義資本を打ち倒す先頭に立つと述べた。
金属の現場からは日本機械労働組合の山口弘宣書記長が「ストを背景に大幅賃上げをかちとる」と不退転の決意を表明。
ちば合同労組の古内麻美副委員長は、「過労死が起きても資本は責任をとらない。労働者の命を軽く見ている。職場に労働組合をつくろう」と青年労働者の怒りを体現して発言した。
全学連の斎藤郁真委員長は「闘う労働組合こそ学生の展望」と語った。
まとめに、全国協の小泉義秀事務局長が非正規職撤廃へ労働者派遣法改悪阻止を訴えた。
集会後、渋谷の繁華街へ向けてデモに出発。
「解雇撤回! 安倍打倒!」「会社の都合で首切りするな」「過労死するまで働かせるな」「生きられるだけの賃金よこせ」「消費増税ふざけるな!」
デモコールに街頭の労働者の共感が広がる。チラシを受け取り手を振る青年も。職場で闘い抜く労働組合のデモの迫力に、街頭の労働者の怒りが解き放たれた。14春闘の爆発へさらに闘おう。(K)
■基調提起要旨
合同・一般労組全国協議会代表 吉本伸幸さん
安倍が賃金を上げろと言って、経営者がじゃあ上げてやろうかと言う。ふざけるな。われわれは、やつらのおこぼれをもらっているんじゃない。世の中を動かしているのはわれわれ労働者じゃないか。経営と非和解に闘うのが労働組合だ。
安倍は戦争に向かっている。戦争か革命かの情勢だ。派遣法改悪、公務員攻撃など雇用・賃金破壊に対し正規と非正規が団結して闘おう。国鉄闘争を軸に外注化阻止・非正規職撤廃、解雇撤回、過労死を許さない闘う労働運動をつくり、安倍を倒す。国鉄10万筆署名を職場・地域にもちこむ。
われわれ鈴コン分会の解雇撤回闘争も経営者の本質を暴き、敵を追い詰めている。職場で仲間を信じ闘えば負けない。首広連、ストライキ会議のように闘いも拡大する。
われわれ自身が闘いに責任をとりきるリーダー=労働者の党になろう。 組織拡大、権力奪取の第2ステージへの突入を宣言する。5・1メーデー、6・8国鉄集会へ攻め上ろう。
■特別アピール要旨 動労千葉委員長 田中康宏さん
春闘は労働者の闘いの日だ。安倍や経団連にお涙の銭をもらうためではない。労働者の誇り、怒り、団結を取り戻していく日だ。
腐り果てた社会をつくり出した連中を僕らの手で打ち倒さなければならない。根本原因は資本主義の危機だ。危機に立っているのは敵の側。だから団結する。そうすれば時代は大きく動き出す。
安倍は自らの危機を戦争に組織している。膨大な人たちが許してはならないと思っている。僕らが命をかけて闘う決意をそこにほうり込めば、必ず波紋は広がる。問題はその真剣さだ。
安倍は、社会丸ごと民営化をして全部を非正規職に突き落とそうしている。安倍の攻撃を粉砕する力が国鉄闘争10万筆署名運動にある。これを集めきる。多くの仲間に声をかける。その時の目の輝き、一言の意見を全部聞き逃さない。これをすべて組織する。
本物の力が怒りの声と爆発的につながって、巨大な力にしていく出発点が今日の闘いだ。
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