JR労働者の不当解雇弾劾し、函館駅前で10万筆署名集める
5月31日、国鉄闘争全国運動・北海道の労働者は、JR函館駅前で最高裁に解雇撤回の判決を迫る国鉄10万筆署名の街宣を行いました。地元の2人の労働者が2月に不当解雇されたことに対し、「JRは保線労働者の解雇を撤回しろ!」と訴えました。多くの函館市民や観光客が応じ、26筆の署名が寄せられました。
今年2月、大沼保線管理室勤務の23歳と59歳の2人の労働者が懲戒解雇されました。昨年9月に函館線大沼駅構内で貨物列車が脱線した直後、2人はレール数値を改ざんしたとされています。入社したての青年や退職間際の労働者が勝手にそんなことをやるでしょうか。保線現場での安全の崩壊、鉄道の安全に対するモラルの崩壊が背景にあって、事故原因隠しのために改ざんが行われたのです。上司の指示があった疑いも濃厚です。
「会社に従った青年の未来を奪う解雇は、青年を切り捨てる今の社会の縮図だ」「安全崩壊のJRの始まりは1047名の解雇。この2人の不当解雇をJR体制の終わりにしよう」「北海道新幹線から函館を切り離し、大間原発の死の灰を押し付けるこの社会を労働者の団結でひっくり返そう」との訴えに共鳴して、修学旅行の高校生など若者が多数署名してくれました。
この事故を契機に保線現場の驚くべき実態が明るみに出ました。レール異常の放置が270カ所(ポイントを除く)、レール数値の改ざんも20年以上前からあって、44ある保線部署のうち33カ所で130人近くの社員が関与していたことが社内調査などで分かりました。懲戒解雇された2人だけが特に悪質というわけではありません。
これまでJR北海道には、レール数値改ざんを懲戒解雇の対象とする就業規則はありませんでした。鉄道パッケージ輸出をめざす安倍政権の介入と国土交通省の圧力で、今年の1月に就業規則の変更提案があり、「全従業員の賛成」、実はすべての労働組合の同意で9月にさかのぼって適用されたのです。
この日の北海道新聞朝刊のトップは、JRが保線業務を丸投げしている北海道軌道施設という会社が根室線で、枕木交換の際にレールの敷設方法を誤り、仕上がりの検査を怠っただけでなくデータを捏造しために、レールの危険な異常が4日間も放置され、そこを多くの特急列車などが行き来していたことが分かったというものでした。仕事に追いまくられて1人の労働者が検査を失念したのが原因とされています。
当日のビラにあるように、JR体制のもとではJR北海道の安全は回復できません。動労千葉や動労水戸のように闘う労働組合を北海道に打ち立てること、青年労働者が奪われた未来を取り戻す闘いに立ち上がることが一切の出発点です。このことをさらに訴えて、北海道の労働者は6・8全国集会に結集します。(北海道・S)
この記事へのコメントはありません。