三里塚団結街道裁判、全証人の採用を求める
8月5日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、成田市による団結街道の廃道処分への怒りを新たにしてこの日の法廷に臨んだ。
成田市は2010年6月、天神峰の市東孝雄さんが日常的に営農で使っていた市道=団結街道を、夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、その土地を成田空港会社(NAA)に格安で売り飛ばした。市東さんは南台の畑に通うために、それまでの3倍もの道のりの「代替道路」往復を強制されている。現に営農で住民が使っている道を行政が一方的に廃道にするとは明らかに違法であり、成田空港関連でも前例のない暴挙だ! そしてこの廃道は、第3誘導路建設のために強行された。すべては市東さんを天神峰から追い出すための攻撃だ。絶対に許せない。
これまで原告・反対同盟側は、成田市職員3人、NAA社員1人、前成田市議の足立満知子さん、経済学者の鎌倉孝夫さん、地元住民の萩原富夫さん、市東孝雄さんを証人として申請している。この日弁護団は「補充書」を提出し、これらの証人調べが不可欠であることを重ねて強調した。
裁判長は「尋問事項を絞って整理してほしい」などと注文をつけてきたが、まったく不当な制限だ。そもそも「廃道処分は適法」と主張する被告側にこそ立証責任があるのに、成田市はそれを放棄して証人申請もせず、裁判所が反動判決を出すことだけを期待しているのだ。弁護団が証人予定の市職員の所在を尋ねると、市の代理人弁護士は「すでに退職した職員については今わからない」などとつぶやいた。このふざけた対応に「わからないはずがあるか!」と弁護団が鋭く追及し、傍聴席からも「つれて来い!」と怒りの声が飛んだ。
次回期日を11月8日と確認し閉廷。千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士は、「8月5~6日、敵が卑劣な攻撃をかけてくることを再び許さない態勢で弁護団は闘っている」と述べ、2011年8・6天神峰現地闘争本部破壊を一同に想起させた。そして「証人の全員採用を必ずかちとる」と誓った。さらに弁護団がそれぞれ法廷での応酬を解説し、市東さん農地法裁判上告審と一体で団結街道裁判に勝利する決意と展望を語った。
動労千葉と市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは「猛暑の中、JR検修職場にクーラーはなく、CTSの組合員も炎天下での作業を強いられている。熱中症への具体的な対策を求めて、動労千葉は日々当局との攻防を続けている。小池百合子新都知事は”東京五輪で稼ぐ”と称して、羽田空港の発着枠を拡大して都心上空300メートルの低空飛行新ルートをつくろうとしている。都労連、都職労に闘う労働運動を復権し、小池都知事と対決しよう」と訴えた。
集会終了後、反対同盟と支援連は猛暑をものともせず千葉市繁華街に繰り出し、農地取り上げ反対5万人署名を訴える情宣活動を全力で行った。(TN)
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