三里塚反対同盟、市東さんを先頭に最高裁へ第3次署名提出行動
9月7日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、最高裁判所への農地取り上げ反対署名の第3次提出行動がかちとられた。
成田市天神峰で農業を営む市東孝雄さんに対し「成田空港会社(NAA)に農地を明け渡して出て行け」と命じる農地法裁判一審・二審判決への怒りに燃え、上告審で逆転勝訴をもぎとる決意をみなぎらせ、全国から労働者・農民・学生・市民120人が結集し、ともに闘った。
午後1時30分、一同は最高裁に程近い千代田区永田町の星陵会館前に集合しデモ行進に出発した。市東さんを始め反対同盟が「耕す者に権利あり」と大書した横断幕を広げて先頭に立った。宣伝カーに乗り込んだ婦人行動隊・宮本麻子さんのリードで「最高裁による農地収奪を許さないぞ!」「高裁判決を破棄しろ」の力強いシュプレヒコールが、首都中枢に響き渡り、機動隊と公安刑事による弾圧態勢を打ち破ってデモを貫徹した。
「反対同盟の歌」を熱唱しながら、いよいよ隼町の最高裁西門前に到着。太郎良陽一さんが司会を務め、各参加者のマイクでのアピールが行われた。
最初に動労千葉の中村仁さんが立ち、反対同盟の農地死守の闘いと連帯しながら、動労千葉は13日から指名ストに突入することを誇り高く宣言した。
関西住民、市東さんの農地取り上げに反対する会、沖縄の会からの発言に続き、反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が、「動労千葉もこの場所に8回もデモをかけて、ついに最高裁に不当労働行為を認めさせた。違法な公用収用を断じて許さない」と裁判勝利への気概を表した。
さらに動労水戸の石井真一委員長、福島の椎名千恵子さんが、反対同盟とともに農地を守りぬく決意を熱烈に表明した。
反対同盟事務局を代表して萩原富夫さんが「空港建設のために農地を奪うという不当判決を絶対に許さず、この1年署名運動に取り組んできた。本日は2347筆を提出し、すでに提出した分と合わせて2万0539筆となる。沖縄、福島と連帯し、人生をかけて闘いぬく」と反対同盟の決意を鮮明に打ち出した。
2時30分、シュプレヒコールと拍手で送られながら、2347筆の分厚い合冊を持った市東さんを先頭に17人が代表して裁判所構内に入り、要請行動を行った。対応に現れた書記官に署名を受け取らせた上で、萩原さんが反対同盟の「申し入れ書」を読み上げた。「強制収用は何があっても許さない!という思いでこの場に臨んでいる」「50年にわたって戦争反対を掲げて闘う反対同盟をつぶそうというのが安倍政権の狙いだ」「最高裁第三小法廷・大谷剛彦裁判長、日置朋弘調査官は、耕す権利を否定し、戦争につながる農地取り上げ判決を破棄せよ」
続いて葉山弁護士始め弁護団が一審・二審判決の重大な違憲性を指摘し、「ゆめゆめ上告棄却などないように」と鋭く迫った。さらに参加者がそれぞれ発言した。だが、書記官はうつむいてひたすらメモを取るのみ。全学連三里塚現地行動隊長が「顔を上げて訴えを聞くべきだ。あなたの考えを述べてほしい」と求めると、書記官は「質問には答えられない。私は伝えるだけ」と木で鼻をくくったような拒絶の意思表示をし、怒りを買った。
約30分の要請行動を終えて、再び西門前に全員が集合した。
弁護団の報告に続き、市東さんがマイクを握り、「国策であれば何をしてもいい、法律を曲げてでも通すというやり方を認めることはできない。これからも天神峰の地で農地を守って闘います」と不動の姿勢を明らかにし、大きな拍手を浴びた。
さらに全学連副委員長に就任した沖縄大学学生自治会委員長の赤嶺知晃君、全国農民会議、婦人民主クラブ全国協議会などが市東さんと連帯して、勝利する決意を表した。
最後に伊藤信晴さんが「TPPで日本農民全体が壊滅的打撃を受けようとしている。労働者も非正規化攻撃の中でもう生きていけない。この中で市東さんは、労働者・農民の未来をかけて先陣を切って立ち上がっている。必ず勝利しよう」と訴え、三里塚現地で開かれる10・9全国総決起集会への大結集を呼びかけた。「農地収奪を許さないぞ!」と最高裁へシュプレヒコールをたたきつけ、この日の行動を締めくくった。(TN)
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