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全米で数百万が反トランプ・デモ 大統領就任式を直撃 学校でピケット、港湾も停止

労組を先頭に怒りが爆発
20170123b-1.jpg 1月20日のトランプ米大統領就任式は出席者も少なく、かつてなく低調なものとなった。
 他方、”ダンプ・トランプ (トランプを放り出せ!)〟の掛け声でワシントンは席巻された。首都でも全米各地でも、60年代ベトナム反戦闘争時をも超える大きな結集となった。
 ランク&ファイル(現場労働者)の労働運動の新たな潮流がこの闘いを力強く牽引(けんいん)した。既成指導部をのりこえて労組執行部を次々に奪取していった全米の新たな教育労働者運動がその核となった。また、30年代のゼネスト以来戦闘的な団結を守り続けてきたILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)も就任式当日にオークランド港を停止させ、労働者の団結がもつ巨大な力を見せつけた。

教職員組合が統一行動闘う
20170123b-2.jpg 就任式前日の19日、全米200以上の都市の教職員組合が始業前にトランプ政権反対の統一闘争を行った。
 この全米統一行動の拠点であるロサンゼルスでは、UTLA(ロサンゼルス統一教組)の呼びかけに応えて、ホテル・レストラン労働者の組合UNITE―HEREローカル11(縫製・繊維・ホテル・レストラン労組第11支部)などの労働組合、保護者・生徒など1万人が各学校前でピケットを張り、デモ行進をした。「移民を拘束させるな!」「トランプ、デボス、ブロウド、ウォルマートと闘おう!」が主要なスローガンだ。
 デボス新教育長官は、兄がイラクのファルージャ大虐殺や拷問などで悪名高い民間軍事会社ブラックウォーターの経営者だ。労働者人民の血と汗を搾り取って築いた莫大(ばくだい)な一族の資産を使って学校の民営化を推進してきた実績を買われ、教育長官に任命されたのだ。
 ブロウドは、労働者を追い出して都市再開発を進めることで暴利を得てきた不動産王で、ロサンゼルスの学校民営化計画の中心人物だ。巨大スーパーチェーンであるウォルマートの経営者一族も教育民営化の主役だ。この資本はバングラデシュなどに生産を外注化し、工場火災や工場ビルの崩壊、ヤクザを使った労組活動家襲撃などで悪名高い。国内での労働者酷使・労組破壊とこうした海外生産が密接に結びついている。
 ILWUローカル10では、もともとクリントンを支持したAFL―CIO(米労働総同盟・産業別労働組合会議)既成指導部への批判が大きく、19日の総会での討議にもとづいて20日にオークランド港での就労を拒否し、貨物の取り扱いがストップした。
 クリントン支持のAFL―CIOの統制を破って闘ってきた全国統一看護師労組(NNU)も15日、「皆に健康保険を!」「プライス厚生長官任命反対」「セッションズ司法長官反対」などを掲げてトランプ政権反対の全米統一行動に立ち上がった。プライスはメディケア(高齢者医療制度)の民営化論者で、セッションズは露骨な差別主義者だ。
式典への入場を実力で阻止
 就任式を警備するために、当局は大量の警察官だけでなく州兵部隊を動員し、河川には沿岸警備隊の艦船を配置した。式典会場には検問所を通らないと入場できない。
 ところが、この検問所が反トランプ闘争のターゲットになった。「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」運動などが呼びかけた20日の行動は、スクラムや座り込みで各検問所の前を塞ぎ、トランプ支持者の入場を数時間も阻止した。鎖で体をバリケードに縛り付けた人もいた。
 これによって、ただでさえ少ない出席者がさらに削られ、会場はガラガラになったのだ。
 労働者人民の団結の固さを前に、トランプ支持者たちの中からスクラムを突破しようという者はほとんど現れなかった。マスコミは「トランプ現象」を「巨大な恐るべき力」と描いてきたが、現実には労働者人民の団結と戦闘性が圧倒した。
 翌21日の「女性たちの行進」では、主催者が計画した「20万人」をはるかに超えて50万人がワシントンに結集し、ロサンゼルスでは75万人がデモ、シカゴでも25万人が抗議行動に立った。全米各地、さらに世界各国でも行動が行われた。
 アメリカ労働者階級人民は自分たちの巨大な力を自覚した。〈政権発足後100日間の闘い〉は、さらに深く広く労働者の組織化に向かっている。労働者国際連帯をさらに発展させ、トランプ、安倍、パククネを葬り去ろう。

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