奈良市従 下水道民営化阻もう 現場の怒り集め裁判闘争へ
1月25日、下水道民営化を阻止し、4月委託強行を打ち砕くため、奈良市従業員労働組合(奈良市従)の「裁判闘争決起集会」が約100名の参加で行われました。ここに至る現場の思い、根底的な怒りが集会の基調提起で出されました。そして、ともに闘う弁護士、大阪市職、京都府職労舞鶴支部、動労西日本、関西地区生コン支部奈良ブロック、日教組奈良市の仲間の発言がすべて一つになって、感動的な集会となりました。
今回始める奈良市当局に対する「義務付け訴訟」(行政訴訟)は、未来に向かっての裁判です。地方自治体には水を守る義務があり、そのための仕事は経験と熟練が必要です。だから市は、現在の正規職員・非正規職員を下水道維持業務に配属し、任用する義務があるのです。このことを訴えて裁判闘争を闘っていきたいと思います。
2017年の激動情勢の中で、現場でも日々、さまざまな事が起きます。この過程で「一切は労働組合つぶし」との闘いであるという柱をはっきりさせることができました。
国鉄分割・民営化の最大の目的は労働組合をつぶすことだったのに、今なお国鉄闘争をつぶせていない結果、資本と労働者の階級的力関係がまだ厳然(げんぜん)としてあります。だからJRは今春にむけて、分社化・転籍攻撃をかけてきているのです。それは資本・当局にとって、戦争が目前になった今、民営化に協力し推進してきた労働組合さえも邪魔(じゃま)になったからです。労働組合という団結形態がある限り、労働者は一瞬で団結して根底的な闘いに決起を開始するからです。
教育支部は何年も前から絶対反対の旗を立て、1年半前から「下水道民間委託絶対反対、正規職員の不当配転をするな、非正規職員の解雇をするな」と、ともに闘ってきました。
自治労本部は、「非正規公務員は任用だから裁判は無理」「次の雇用先を探す交渉を」と主張して、あきらめと絶望を組織してきました。今回の裁判闘争は、現場組合員の手に本当の労働運動を取り戻す闘いでもあります。
同時に、下水道の仲間たちの労働の誇りを守る闘いです。彼らの仕事の中身を紹介します。
住民から「下水がつまった」と市に連絡が入れば現場にかけつけます。誰でも水を飲み、トイレに行きます。下水が利用できなければ生活できず、水は人間の命の問題です。住民がどれだけ困っているかわかるので、仕事への責任感がすごくあります。「下水がつまる」と言っても現場は毎回違うので、原因をつきとめるには経験と熟練が必要です。マンホールに入る時は、命を預け合うような信頼関係と団結がなければ安心して仕事をすることはできません。
それが民間委託で、全部、金もうけに転換させられようとしています。絶対に許せません。
下水道に利潤は生まれません。今は職員と住民の間に金銭関係は発生しませんが、そこが転換させられます。住民から連絡を受けても採算がとれなければ、現場に行きたくてもかけつけられなくなります。
本来、簡単に終わる作業でも、次々に会社や人が入れ替わったら、解決方法がわからなくなります。住民にとってはさらに金銭的な負担が増します。戦前のように不衛生で伝染病の蔓延(まんえん)などをもたらす可能性もあります。
奈良市長と企業局長は住民の知らないところで民間委託をしようとしています。労働組合がこの事実を暴露し、存在をもって闘うことが求められています。それがこれまで4回にわたって民間委託を止めてきた力です。
2017年は、これまでにも増して、労働組合の闘いが未来を左右します。ここに人生をかけて、ともに闘っていきましょう!
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