動労東京が定期大会 八潮を拠点に組織拡大へ
動労東京は6月3日、東京都内で第2回定期大会を開いた。昨年6月に4人の組合員で結成された動労東京は、この1年の闘いを経て組合員を2けたに拡大した。昨年12月の交通機械サービス八潮支部の結成がその転機になった。今回の大会で動労東京は、東京に階級的労働運動の拠点を打ち立てる新たな闘いの態勢を確立した。特に、八潮支部を拠点にJRとその関連労働者を圧倒的に組織する方針を確認した。
あいさつに立った吉野元久委員長は、「この大会は朝鮮半島での戦争が切迫し、共謀罪をめぐる攻防が決戦を迎える中で開かれている」と強調し、「労働組合の力で戦争を止め、この時代に立ち向かう新たな決意を固めよう」と訴えた。
連帯あいさつでは、動労総連合の川崎昌浩書記長が「戦争・改憲と闘い、JRの第2の分割・民営化阻止へ動労総連合の真価を発揮する時だ」と呼びかけ、動労水戸の辻川慎一副委員長が「仲間を信じともに闘うことの楽しさを労働者に伝えることが労働組合の最大の役割だ」と提起した。動労神奈川の中村幸夫委員長が「青年とともに人生をかけて闘う」と決意を述べ、動労総連合・九州の羽廣憲委員長は「九州でも組織拡大に全力を挙げる方針を確立した」と報告した。
金子浩書記長が八潮支部の闘いを中心に経過を報告し、「職場でストに立ち、大井工場(東京総合車両センター)に攻め込む」と熱く語った。運動方針を提案した吉野委員長は、都庁ふくしま署名解雇を動労東京自身にかけられた攻撃ととらえて全力で反撃し、東京都議会議員選挙闘争に勝利すること、八潮支部の闘いを大井工場に広げること、東京で階級的労働運動をよみがえらせるため動労東京支援共闘を拡大すること、結成される動労総連合青年部の闘いの先頭に動労東京が立つこと、などの具体的課題を打ち出した。
討論では、八潮支部の組合員がそれぞれ、闘いへの自信に満ちて発言し、低賃金を強い残業代もごまかす資本への怒りを語った。青年組合員は、青年に組織を拡大する決意を述べた。
運動方針を採択し、スト権を100%の批准で確立した。都庁ふくしま署名解雇と闘う柿沼庸子さんのメッセージが読み上げられ、東京都議選に立つ東京西部ユニオンの北島くにひこ副委員長があいさつした。
都議選決戦を突破口に、東京に階級的労働運動を打ち立てる歴史的な決戦に、動労東京は踏み出した。
労働者の力への自信に満ち団結を固める八潮支部
動労東京交通機械サービス八潮支部は昨年12月、職場の過半数を超える労働者を組織して結成された。「清掃労働者など代わりはいくらでもいる」という資本の傲慢(ごうまん)な態度への怒りから、組合員が組合員を組織する過程が始まり支部結成に結実した。
組合員が働く交通機械サービス八潮事業所は、東京臨海高速鉄道の車両検修部門を請け負うJR東日本テクノロジーの2次下請けで、車両清掃の業務を行っている。JR東日本テクノロジーはJR東日本が設立した車両検修の専門子会社で、東京総合車両センター(旧大井工場)などで主な業務を行っている。交通機械サービスの本社は東京総合車両センター内にある。
東京臨海高速鉄道は大崎―新木場間のりんかい線を運営するが、その株式の91・32%を東京都が出資している。JR東日本も同社の株主だ。
八潮支部は36協定締結権を握った。しかし、八潮事業所の36協定は2カ月以上も未締結状態にある。不可避に発生する残業を36協定も結ばず労働者に強いることは、明白な違法行為だ。しかも交通機械サービスは、6月1日付で大井工場の本社から4人を八潮事業所に「副所長」として送り込んだ。その目的は、八潮事業所の人員を増やすことで、八潮支部が職場を支配している状態を覆すことにある。あからさまな不当労働行為だ。
職場では人員が不足し、特に深夜勤務は体を壊すような強労働になっている。にもかかわらず、本社から送り込まれた「副所長」たちは夜勤には就かない。これに対する組合員の怒りも強い。
交通機械サービスの労働時間管理はでたらめだ。深夜の労働時間を実際より少なく計算することで深夜勤務手当を削減された労働者もいる。午前2時から5時までは仮眠時間とされて労働時間から除外されているが、その時間帯でも電話で仕事を指示されることがある。これは当然、労働時間として扱われるべきだ。しかも、元請けのJR東日本テクノロジーが直接に電話で労働者に指示を出している。まさに偽装請負だ。
資本はすさまじい低賃金を強制した上、さらに労働時間もごまかして労働者からかすめとっている。だが、この現実との闘いを開始した組合員は、「職場を動かしているのはおれたちだ」という自信に満ち、「ストで労働者の力を見せつける」という決意のもと、創意工夫を凝らして資本と闘い団結を固めている。「ゼネスト情勢は職場にある」ことを示しているのが八潮支部の闘いだ。
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