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三里塚耕作権裁判、文書開示拒む裁判長と徹底対決

 20170927a.jpg9月25日、天神峰・市東孝雄さんの耕作権裁判が千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・農民・学生・市民85人は、悪辣な農地強奪攻撃への怒りも新たにこの日の闘いに臨んだ。
 午前9時、千葉市中央公園で伊藤信晴さんの司会で、決起集会が開かれた。最初に反対同盟事務局の萩原富夫さんが、「NAA(成田空港会社)が3代100年にわたって畑を耕してきた市東さんを”不法耕作者”と決めつけ、明け渡しを求めてきた。許せない。しかし11年たってまだこの裁判が終わらないことは、敵の攻撃がデタラメであり、正義はわれわれにあることを証明している。農地破壊と軍事空港建設に反対して闘おう」と千葉市民に訴えた。

 続いて動労千葉の田中康宏委員長が連帯のあいさつに立った。「農地取り上げのために文書偽造までするとは、この裁判はNAAによる犯罪そのもの」と断罪し、「11・5全国労働者総決起集会は米帝トランブ来日に対する怒りの大闘争の日になる」と訴え、大結集を呼びかけた。
 さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、意気高くシュプレヒコールを上げてデモに出発した。
 「千葉地裁は市東さんの畑を強制収用するな」と書かれた横断幕を高く掲げて、反対同盟を先頭に繁華街を進み、地裁を包囲するデモ行進を貫徹した。
 10時30分に開廷。前回に続いて「証拠の墨塗り」問題で白熱の攻防となった。1970年当時の南台農地の耕作状況を詳細に調査した資料である「乙85」は、その大きな部分を墨塗りにされたまま証拠提出されている。この裁判の最大争点は、NAAによる畑の位置の特定の誤りと文書偽造問題だ。それを明らかにする上で、この乙85の隠された部分が決定的な証拠となる可能性がある。墨塗り部分をすべて開示せよ!
 だが内田裁判長はまたしても、「原告NAAが必要がないと主張するから、開示を勧告しない」「前の裁判官が必要ないと判断したから開示しない」などと言を左右にしながら拒否した。弁護団とともに市東さん自身も、「NAAは”裁判所の判断”を盾に全面開示を拒んでいる。裁判所が全部見せろと命令を出すべきだ」と追及した。傍聴席からも次々と弾劾の声が裁判長に集中した。
 なおも頑なに拒否の姿勢を貫く裁判長に対して、弁護団はここで新たな「文書提出命令申立書」を提出した。乙85墨塗り部分を含め、NAA=空港公団が行った旧地主・藤﨑政吉、さらに小作者であった石橋、根本、鈴木各人との用地買収の交渉記録をすべて明らかにせよ、と求めるものだ。
 裁判長はさすがにこの申立書を受け取らざるをえなかった。NAA代理人は、打撃感を表情に表している。
 さらに弁護団は、「準備書面34」と「立証計画について」を提出し、農地法、民事法はもとより、憲法、農業経済学、空港の虚偽の「公共性」などを根本的総合的に検討し、一片の理もない農地取り上げを粉砕する姿勢を示した。裁判長はここでも「証人を具体的に早く決めよ」と強圧的に迫り、早期結審をひたすらもくろんでいることをあからさまにした。
 次回期日を11月20日、次々回を2月19日として閉廷した。
20170927b.jpg 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。最初に市東さんが、「回を追うごとに裁判長の早期結審の姿勢があらわになってきた。それを許さず、みなさんとともに闘っていく」と決意を述べた。
 続いて葉山岳夫弁護士が、「市東さんの耕作地特定での自らの誤りをごまかそうとするNAA、それを擁護する裁判長を許さない。そのために新たな文書提出命令申立を行った。みなさんとともに市東さんの農地を守るために闘う」と決意を表した。さらに弁護団全員が勝利への展望と決意を述べた。
20170927c.jpg 質疑応答ののちに最後に萩原富夫さんが、「今が闘いの正念場。裁判スケジュールが続きみなさんも大変だと思いますが、ぜひ傍聴への参加を。そして10・8全国集会に大結集しよう」と呼びかけ、参加者全員が拍手で応えた。

 支援連は午後に千葉市中心部で、農地強奪強制執行を阻止する署名を集める情宣活動に立ち、安倍政権打倒と10・8大結集を千葉の労働者・市民に訴えた。(TN)

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