石川一雄さんとともに再審へ 各地で狭山集会
狭山事件(1963年)の犯人にデッチあげた国家権力を弾劾し、石川一雄さんは再審・無罪へ闘っている。東京高裁・寺尾正二裁判長による無期懲役判決(74年10月31日)43カ年にあたり、「証拠調べと事実調べを強く求める」「不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で今後も全力で闘う」とのメッセージを発した。石川さんと連帯し、権力犯罪弾劾、衆院選の高揚を引き継いで11・5労働者集会―改憲阻止1万人大行進の実現の力で狭山第3次再審闘争に勝利しようと、10・31狭山集会が東京、広島、大阪で開催された。
東京 労組拠点づくりへ 衆院選の地平で
東京での狭山集会は10月28日、部落解放東日本共闘会議と全国水平同盟杉並支部の主催で全水道会館で開催され、関東各地から70人が集まった。衆院選での斎藤いくま全学連委員長の街頭演説の余韻が残る中、革命の現実性に胸を躍らせ、11・5組織化に向けた1週間決戦の突入集会となった。
主催者あいさつで解放共闘の岩本正治事務局長は、労働者階級への団結破壊としての「差別=分断」論を深めることの意義を語り、これを打ち破る中に戦争を阻止する力があると強調した。連帯あいさつでは星野再審連絡会議の金山克巳事務局長が石川さん、大坂正明さんの闘いと一体で勝利するとの決意を述べた。
続いて石川一雄さんの10・31アピールが紹介され、これを受けて杉並支部の狩野正幸書記長が基調報告を行った。狩野さんはまず、朝鮮侵略戦争のための安倍・トランプ会談を11・5で迎え撃とうと訴えた。さらに、狭山事件の有罪証拠である「万年筆」のねつ造を暴いた下山鑑定に対して検察が反論してきたことを徹底批判、その破産ぶりを暴き、勝利への展望を示した。
報告と決意を、常磐線富岡駅延伸を弾劾し10・21ストライキを打ちぬいた動労水戸の石井真一委員長、外注化・出向阻止へ闘う動労千葉の繁沢敬一副委員長、とちのきユニオン、婦民全国協、全学連、そして杉並支部の田中れい子支部長が述べた。全学連をはじめ発言者からは衆院選での経験が口々に熱く語られたが、田中さんは職場での取り組みや反響を紹介。これをステップに杉並に闘う労組の拠点をつくる決意を述べ、拍手を浴びた。
東京西部ユニオンの大西文夫書記長がまとめと行動提起を行い、直ちに11・5の組織化に入った。
〔写真上〕11・5大結集と戦争・改憲阻止、狭山再審闘争の勝利を誓った(10月28日 文京区)
全関西 すべてを奪い返せ 京大弾圧に怒り
全関西狭山集会は、全国水平同盟、八尾北医療センター労働組合、関西労働組合交流センターの主催で10月31日、大阪府八尾市西郡第3集会所で行われ、100人が参加した。
まず「映像でよみがえる西郡のあゆみ」のビデオ上映から始まった。最初に関西労組交流センターの深町加代子代表が狭山闘争への総決起とともに、朝の京都大学生2人の不当逮捕を弾劾し、全力で支援に立つことを呼びかけた。
石川一雄さんの10・31メッセージに続き、基調報告に立った久原正子全国水平同盟委員長は、「石川さんの『もう一肌を脱いでほしい』は私たちへの呼びかけだ」「狭山闘争の爆発で、国際連帯とゼネスト―革命を切り開こう」と提起。
続いて水平同盟が次々発言した。高槻支部は11月23日の植木団地3周年闘争と12月13日の植木団地裁判判決闘争への結集を、崇仁・東三条支部は11月26日の保育集会への結集を呼びかけた。西郡支部の佃文弘青年部長は、八尾北夏祭りの成功が青年を中心に新しい団結を生み出していると語り、「70年代の11万人決起を上回る狭山闘争をかちとろう。奪われたすべてのものを奪い返す闘いに打って出よう」と決意を述べた。
八尾北労組の藤木好枝委員長は、「八尾北労組を拠点に、更地化・民営化に怒る地域の人たちを一つにまとめて住民訴訟に打って出る」と決意を語った。
さらに動労総連合、婦民全国協、「大阪・星野文昭さんを取り戻す会」が決意を表明。自治体労働者と関西合同労組は、奈良における非正規労働者の解雇をめぐって体制内指導部と激突していると報告し、勝利への確信を語った。これに熱い連帯の拍手が送られた。
戦争と改憲阻止へ、11・5労働者集会への総決起を決意し集会を終えた。
(全国水平同盟西郡支部・錦織進)
〔写真中〕久原委員長が基調報告を提起し、参加者は集中して聞き入った(10月31日 八尾市)
広島 差別・分断論深める 組織拡大への力
広島狭山集会は10月29日、部落解放広島共闘会議が主催して広島市西区福島町の西地域交流センター(旧西隣保館)で開催され、30人が参加しました。(写真)
冒頭、「映像でよみがえる西郡のあゆみ」のビデオを上映し、西郡・八尾北の闘いを学びました。
石川一雄さんの10・31メッセージが読み上げられ、再審勝利の決意をともにしました。続いて昨年急逝した元広教組の富村寛久さんに代わって広島解放共闘議長となった壹貫田康博・広島連帯ユニオン書記長が基調を提起。「狭山闘争、非正規職撤廃の闘いで階級分断を打ち破り、労組拠点建設で改憲・戦争の安倍打倒へ」と呼びかけました。
集会のメインは『共産主義者』第194号所収の「階級的団結を軸とする『差別=分断』論の深化」の読み合わせ、学習です。「部落差別の本質は労働者階級の分断にある。したがって部落解放闘争の目的は差別の撤廃=共同性の奪還にあり、プロレタリア革命によってのみ実現される」ことを確認しました。広島、福島町でも広島連帯ユニオンの組織拡大を軸に全国水平同盟を建設することで一致しました。
共闘団体から、動労西日本(執行委員会のためメッセージ)、広島大学部落解放研究会、広島連帯ユニオン、婦民全国協広島支部、星野文昭さんを救う会・広島が発言。狭山・部落解放を職場・大学、地域の課題として闘う決意が表明されました。
最後に11・5組織化の行動方針が提起され、壹貫田議長の音頭で団結がんばろうを行いました。
(部落解放広島共闘会議事務局長・奥村毅)
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