セブン告訴し記者会見 千曲ユニオン 「36協定偽装し残業」
地域合同労組・千曲ユニオンが3月22日、長野市内で記者会見を開き、セブン―イレブン・ジャパンを労働基準法違反で刑事告訴したこと、24時間営業義務化を廃止し希望制にする運動を始めることを表明した。会見には新聞社・テレビ局計13社が出席、コンビニの24時間営業が社会問題化する中で大きな注目を集めた。また、セブンのオーナーも激励に駆けつけ、本部への怒りを口々に語った。
この日の午前、千曲ユニオン副委員長でセブン本部社員の河野正史さんは、セブンが違法に36協定(時間外労働の労使協定)を結んでいたとして古屋一樹社長ら幹部3人を長野労働基準監督署に刑事告訴した。
労組をつくらせない会社として1973年に創業したセブンは、職場に過半数労組が存在しないため、本来であれば労働者代表選挙を行い36協定を結ばなければならないが、一度として適正に代表選挙を行ってこなかった。なぜなら残業時間の制限は、労働者を死ぬまでしぼりとることで成り立つ24時間営業の根幹を揺るがしかねないからだ。
2013年、パワハラ自死や過労死、健康破壊が蔓延(まんえん)する労働環境に異議を唱え、河野さんが代表選挙に名乗りを上げた。セブン資本は河野さんを選出させないために、協定書を偽造するなどして執拗(しつよう)な妨害を繰り返し行ってきた。この幾重もの違法行為と、それに基づいた協定で本部社員を残業させてきたことも違法であるとして、河野さんは告訴に踏み切ったのだ。
●24時間営業廃止を
会見で、河野さんは今声を上げる理由について「東大阪で『命よりも大切な契約書はない』と時短営業にやむにやまれず立ち上がったオーナーさんを孤立させず、後に続く闘いを絶対につくりたいからだ」と力を込めて語った。
さらに「コンビニを回しているのは社長の古屋ではなく、私たち現場の労働者だ。労働への誇りを奪うことは許せない。本部社員も含めオーナーさん、従業員さん、工場労働者、配送ドライバーさん、このみんなの団結で古屋に対する怒りの行動にうって出たい。8時間は睡眠を、8時間は労働を、8時間は自分の時間を! 人間が人間らしく生きられる社会に変えていきたい」と堂々と訴えた。
そして行動方針としてコンビニ関連ユニオンを全国でつくり、「私たちにもゆっくり休める夜をください! 24時間営業義務化の廃止・希望制へ 本部負担で店舗従業員の社保加入促進を!」を要求する署名と全国一斉時短営業ストライキの実現を呼びかけた。
記者からの質問は尽きることなく、会見は2時間を超えて大盛況のうちに終えた。その内容は各社の夕方のニュース番組や翌朝の新聞で直ちに報道された。
「時短スト」の実力行使が「違約金1700万円、契約解除」の通告も取り消させた。生きるための反乱が「コンビニオーナーは労働者ではないから団交権はない」とする3・15中労委の反動決定をのりこえ、労組のない社会をめざす安倍とそれと一体の「セブン帝国」を追い詰めている。
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