狭山闘争 東京高裁は下山鑑定調べろ 水平同盟・解放共闘がデモと要請
狭山事件の犯人にでっち上げられた石川一雄さんに対する東京高裁・寺尾正二裁判長の無期判決から10月31日で丸45年だ。再審へと連続闘争が闘われている。
再審を開く鍵
反論できない検察
「石川一雄さんは無実だ!」「後藤眞理子裁判長は下山鑑定を調べろ!」
10月29日、降りしきる雨をついて、昼時の霞が関にシュプレヒコールが響いた。全国水平同盟と部落解放東日本共闘会議の東京高裁包囲デモだ。
午後3時半からは狭山裁判の再審を求める東京高裁要請行動が取り組まれた。
まず、杉並、西郡をはじめ全国水平同盟の各支部、動労水戸、東京各地区労組交流センター、婦人民主クラブ全国協の要請文が読み上げられた。
さらに要請団は、後藤裁判長が7月に再審請求を棄却した三鷹事件のように「事実調べもせずに棄却することは許されない」とくぎを刺した。そして、確定判決をくつがえした「新規かつ明白な証拠」である下山鑑定を調べるよう訟廷管理官に迫った。
24歳で不当逮捕された石川さんは現在80歳だ。石川さんは証人尋問、鑑定人尋問が再審開始への鍵だと訴えている。10・31集会参加者への石川さんのメッセージ(要旨別掲)を載せたビラも提出された。
検察は下山第二鑑定に反論できないでいる。29日の行動は、下山鑑定を武器に再審の扉をこじ開ける決定的な闘いとなった。
東京狭山集会
改憲を阻む闘いに
10月26日、部落解放東日本共闘会議と全国水平同盟杉並支部が主催する狭山集会が開催され、東京の全水道会館に60人が集まった。
連帯あいさつで星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議事務局の金山克巳さんが「狭山闘争と星野闘争を一体で闘おう」と呼びかけた。
10・31集会参加者に向けた石川一雄さんのメッセージが読み上げられ、杉並支部の田中れい子支部長が基調報告を行った。田中さんは冒頭「大水害は安倍による人災だ」と弾劾。そして「大崎事件、三鷹事件と、この間の相次ぐ再審棄却は改憲攻撃そのものだ。山場にきた狭山闘争を安倍の戦争・改憲との闘いとして闘おう。そのために一から狭山闘争を学ぼう」と訴え、有罪証拠の万年筆は偽物だと科学的に暴いた下山鑑定を丁寧に解説。参加者は権力犯罪への怒りを新たにし、下山鑑定で第3次再審は実現できると確信を深めた。
植木団地闘争へのカンパの訴えがあり、闘いの報告と決意表明に移った。動労千葉の繁沢敬一副委員長、動労水戸の石井真一委員長、三多摩労組交流センターの徳永健生代表が狭山再審闘争への決意と職場闘争報告を述べ、関西生コン支部への弾圧を粉砕しよう、こうした闘いの勝利のためにも11・3集会に大結集をと口々に訴えた。全学連の斎藤郁真・前全学連委員長もこれに続いた。杉並支部の狩野正幸書記長は、新自由主義の下で資本を救済する狙いで部落差別があおられていると弾劾した。
最後に、部落解放東日本共闘会議の岩本正治事務局長の音頭で団結ガンバローを行った(写真)。
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石川一雄さんのメッセージ(要旨)
検察側は下山第二鑑定に対し、反証を出すといいながら、反論も反証も出さないで一年以上がたちました。下山第一鑑定の時も、検察側の鑑定人の名前を公表しない、できない。
事件発生当時、検察側の鑑定人、荏原・科学警察研究所技官が、発見万年筆のインクは、被害者が使用していたインクと異なることを指摘していたにも拘(かか)わらず、検察官はインク補充説を唱えました。寺尾判決はインクの違いを無視して万年筆発見を有罪の根拠にし、その後の裁判所はインクの違いを別インク補充の可能性でごまかしてきた訳です。
下山第一、第二鑑定は、発見万年筆には被害者が使用していたインクが入っていないことを科学的に指摘し、被害者の物ではないことを看破しました。証拠開示で明らかになった資料をもとに科学的、客観的な新証拠が多数提出されているこの第3次再審請求で、なんとしても証人尋問、鑑定人尋問をさせることが最重要な闘いであり、再審開始へのカギとなりましょう。
第3次裁判以外にないと思う私の意を汲んで頂き、最大限のご協力下さいますようお願い申し上げます。
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