裁判員制度発足10年、拒否続出 今こそ廃止へ都心デモ
11月15日、裁判員制度の廃止を求めるデモが、東京都心で意気高く闘われた。
11月は、最高裁が毎年、有権者名簿から抽出した翌年の裁判員候補者に、「名簿に載せました」と一方的に通知する時期にあたる。「裁判員制度はいらない!大運動」は10年間、毎年この時期に「通知の発送をやめろ」とデモを闘ってきた。今年も大運動の呼びかけに応えて100人が集まった。
正午前に日比谷公園霞門でデモ前のアピールが行われた。武内更一弁護士があいさつした。「最高裁は今日のデモを恐れて、おととい(13日)23万人の候補者に通知を発送したそうです。私たちの批判を恐れている、本当にやましいやり方です。でも裁判員制度は8割の人がやりたくないと拒否しています。裁判員制度は、徴兵制の第一歩です。デモで元気に声を上げて廃止に追い込もう」
続いて大運動世話人の高山俊吉弁護士があいさつした。「裁判員制度は実態においてもう壊滅しています。みんなが見離しています。今年は制度発足から10年の節目なのに、政府も最高裁も祝賀行事をやれなかった。廃止の議論に火がつくことを恐れているのです。今こそ『水に落ちた犬をたたけ』です」「香港で、韓国で、全世界で民衆が立ち上がっています。政治家を誰も信用していない。誰が未来を決めるのか。私たち市民です。声を上げていこう」
アピールを受けて元気よくデモに出発した。弁護士会館前を通り、東京地裁・高裁前から霞が関官庁街へ。各団体が色とりどりの旗をなびかせて進んだ。首相官邸の間近を通る時には、「改憲反対! 安倍はやめろ!」の大きな声を安倍にたたきつけた。
赤坂見附では昼休みの労働者が注目。最高裁付近では「人を裁くことを強制するな」「裁判員制度を今すぐ廃止せよ」と叫んだ。
大嘗祭(だいじょうさい)など天皇行事への怒りをもバネに、今年は例年にも増して力のこもったデモが打ち抜かれた。
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