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耐震偽装に加担するな! 豊洲市場裁判控訴審で裁判長を忌避

東京高裁前で公判への結集をアピール(1月27日 東京都千代田区)

1月27日、東京高裁101号法廷で、豊洲市場で働く水産仲卸業者を原告とする豊洲市場耐震偽装裁判の控訴審が開かれた。
昨年9月17日、不当にも一審・東京地裁での清水知恵子裁判長による「違法建築物除却命令等義務付け提訴」への棄却判決があったが、原告らは意気揚々と出廷し高裁へと闘いを進めた。
登壇した秋吉仁美裁判長は第1回でありながら、原告代理人・武内更一弁護士の10分足らずでしかない冒頭意見を渋々認めるも、なんと1回での終局・結審をはかった。
弁護人がその意を察知して、陳述後にすかさず「東京都の答弁書にも反論したい」と申し入れるや、裁判長は「では終局後に提出してください」などと逃げ切りをはかった。しかし間一髪で「裁判長忌避!」がたたきつけられ、1回結審策動は打ち破られた。
不信任そのものである忌避をめぐって高裁での審査を経た後に裁判が再開される予定だが、都と裁判所の結託ぶりは実に許しがたい。閉廷後、傍聴した仲間は総括会議で交流を深め、都立病院独立行政法人化と同様、小池の権力犯罪に対してトコトン闘おうと決意を語り合った。
そもそもの発端は、豊洲市場の大黒柱である1階柱脚が非埋込式であり、鉄量が埋込式の半分しかないことだ。これは建築基準法違反である。
都は「請け負った日建設計の図面通りで適合検査も完了」と高をくくるが、問題はその手前の構造計算での偽装だ。しかも単なる偽装ではなく、長期使うことを想定していない抜去可能な新製品であるセンクシア社製の柱脚を使用したのだ。これは、公設市場を物量倉庫に転用したり民営化さえ準備したりする策略の一端といえる。
都も裁判所も、ことさらに本論である建築基準法違反の事実調べに入らない。「東京都の建物に違反があっても民間とは異なり、東京都には是正要請しても処分の権力行使はできない」と立ちふさがる。しかし実際には、富山県知事が行った病院開設中止「勧告」処分を実質的権限として認めた2005年最高裁判例が存在する。地裁の清水裁判長も棄却したとはいえ、この事実は打ち消せていない。しかし秋吉裁判長は、まさに最高裁判例への背信的事態を生んで恥じないのだ。
民衆による権力との闘いの前進の中で広がった「抗告訴訟」の範囲の拡大や行政訴訟法改定による「処分性の拡大」(権力の手を縛る範囲の拡大)を、旧体制の守護者となって押しとどめようとする権力への加担は許されない。代理人である藤田城治弁護士も、「違反建築物の放置状態をこれ以上見過ごしてはならない」と力説する。
労働者の仲間の力で豊洲の問題性を暴き、築地を取り戻そう!(山上龍一)

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