1. HOME
  2. ブログ
  3. 三里塚「天神峰樫の木まつり」が大盛況―農地死守の誓い新たに

三里塚「天神峰樫の木まつり」が大盛況―農地死守の誓い新たに

南台農地で集会をかちとり反対同盟を先頭にデモに出発。「NO FARM, NO LIFE」(農地は命!)の新Tシャツが夏の日差しに映える(7月11日)

7月11日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する「天神峰樫(かし)の木まつり」が開かれ、労働者・農民・学生・地元住民など150人が参加し、6月8日の請求異議裁判の上告棄却に怒りを燃やして「農地死守」の決意を固めあった。
直射日光で気温がぐんぐん上昇する午後1時、成田空港B滑走路の誘導路の直線化を阻んで存在する市東孝雄さんの南台農地に集合し、デモ出発前の集会を行った。反対同盟と支援連は「三里塚55周年」の新Tシャツで登場。
司会の太郎良陽一さんが、「強制執行来るなら来いの気概で、泊まり込み体制を組んで闘っています。今日一日頑張ろう!」と一同を激励した。
伊藤信晴さんがこの間の闘いの報告をした。反対同盟への集会会場貸し出しを拒否した芝山町・相川勝重町長に対する不服申し立てと町長の弁明の経緯を明らかにし、相川町政を一層徹底的に追い詰める決意を述べた。さらに、成田空港の第3滑走路建設強行路線が軍事空港としての本質をあらわにしていることを指摘し、「農地決戦は戦時収用との闘い。反戦の砦として三里塚は闘い抜く」とアピールした。
強制執行攻撃に対し未明から朝まで泊まり込み当番制で闘っている現地の支援連絡会議の仲間が次々と発言に立った。全学連三里塚現地行動隊の二川光隊長は、「援農を通じてこの畑に居続けることを心がけている。強制執行を絶対に許さない」と述べた。

市東さん宅の中庭、樫の巨木の下で「まつり」が開かれた

意気高くシュプレヒコールを上げて、反対同盟を先頭にデモに出発した。宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが「市東さんの農地を守り抜こう」の訴えを周辺地域に響かせた。警察の規制をはねのけて炎天下のもと、市東さんの自宅前までのデモを貫徹。参加者は畑に青々と実る作物を見て、農地強奪阻止の気概をいよいよ高めた。
畑に隣接する市東さんの中庭に会場が整えられ、伊藤さんの司会で樫の木まつりが始まった。
最初に東峰の萩原富夫さんが主催者あいさつを行った。「最高裁の上告棄却は許すことはできないが、私たちは落胆したり慌てたりしてはいない。どんなことがあっても市東さんがこの地で生活することを守り支えぬく。06年以来、15年も裁判を闘い市東さんの生活を守り抜いてきた。成田空港は今や新型コロナの影響で需要は9割減り、閑古鳥が鳴いている。新やぐら裁判の控訴審はまだ始まってもいない。耕作権裁判も一審が続いている。私たちはここで畑を耕ししっかりと生活しながら、空港と闘い抜いていく」

川口真由美さん(左)とともに反戦歌を熱唱する萩原富夫さん

続いて動労千葉の繁沢敬一副委員長が連帯発言に立った。「強制執行を許さない。JRでもNEX(成田エクスプレス)は朝と夕しか走らせていない。空港拡張に1%の正義もない。〈業務融合化〉の名のもとで進められているJRの大合理化攻撃を必ず粉砕する」と述べ、CTSでの組合員の加入、職場代表選挙での勝利を報告した。
関西実行委の連帯発言に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部・西山直洋さん、騒音下南部住民Aさんから寄せられたメッセージを伊藤さんが読み上げた。目前に迫った関生支部・武建一委員長に対する7・13判決での無罪戦取の訴えに、一同は決意を共にして拍手を送った。さらに市東さんの農地を守る沖縄の会、若狭の原発を考える会、茨城・騒音下住民、関西新空港絶対反対泉州住民の会・中川育子さんから連帯メッセージが届いていることが確認された。
宮本さんのカンパアピールに続き、関西から駆け付けたシンガー川口真由美さんが、ギター弾き語りで闘いの歌を力強く歌い上げ、会場の熱気を高めた。萩原さんもマイクを握り、リクエストした反戦歌を笑顔で一緒に歌った。

よく冷えたスイカがふるまわれ、思わず皆の顔が和む

続いて全国農民会議共同代表の小川浩さんが、怒りをあらわにして訴えた。「上告棄却は、国家権力が55年間不屈に闘う三里塚に恐怖を覚えていることの表れだ。全国で農業つぶし攻撃が続いている。この5年間で農業従事者が48万人減った。大規模化しても農家はやっていけない。今後起こりうる食料危機で日本はどうなるか。市東さんの農地を守ることは、労働者と農民が連帯して社会を変える闘いだ」と述べ、農民の組織化に全力を尽くすことを誓った。
婦人民主クラブ全国協、全国水平同盟、星野全国再審連絡会議、動労水戸の木村郁夫委員長、「市東さんの農地取り上げに反対する会」などが次々と連帯発言を行った。
中核派を代表して発言した石田真弓同志は「農地強奪、第3滑走路建設に対しわれわれは全学連現地行動隊を先頭に体を張って実力阻止する」と宣言し、全学連の隊列に新たに加わった仲間の援農への決起と、前進チャンネル・三里塚特集動画への大きな反響を報告した。そして東京五輪強行に対する全人民の怒りの高まりを確認し、7・23開会式粉砕闘争への決起を呼びかけた。7・7京都大学キャンパス中央での不当処分撤回集会の大成功を報告し、「団結と連帯の力で市東さんの農地に一指も触れさせない」と断言した。
景品交換タイムでは、番号抽選で参加者に「カレーセット」の野菜が配布され、歓声と拍手が交差した。全員によく冷えたスイカがふるまわれ、用意されたボードに参加者の一言メッセージが次々と貼られた。反対同盟の新Tシャツと新DVDを買い求める人が続いた。空模様が一変して雨が降り始めたが、「まつり」らしい和やかな雰囲気が場を満たした。

「この地で農業を続ける」と決意を表す市東孝雄さん

最後に市東さんがあいさつに立った。「裁判では負けましたが、闘いは裁判だけではありません。現地でいかに権力に対して力を発揮できるかです。私もクシュンとしているわけではありません。動労千葉、関西生コン支部など労働組合がものすごい勢いで闘っています。私たちもそれに負けずに、その勢いに乗って闘います。体の続く限り、私はこの天神峰の地で畑を耕し、皆さんとともに頑張ります。福島・沖縄・三里塚を一つの闘いとして、市民運動、学生運動と連帯し、これからも反対同盟を強固にしていきます。ともに闘いましょう」。この感動的な決意表明に、惜しみない拍手が続いた。
全員でこぶしを固めて団結ガンバローを三唱し、勝利を誓い合った。(TN)

市東さんとともにこの場所、この畑を守り抜く決意を込めて反対同盟が団結ガンバローを三唱

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

アーカイブ

月を選択