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「入管法・入管体制粉砕を」/全国交流集会 戦争阻止へ国境越え団結

田中宏さんの講演に聞き入る参加者(4月10日 横浜市)

入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が主催する第31回全国交流集会が4月10日、横浜市内で300人を集めて開催された。
ウクライナでの戦争が世界戦争へと転化する中、労働者階級の民族・国籍・国境を越えた連帯と団結こそが戦争を阻止し、世界を変革できる唯一の現実的な力であることを全参加者が確信する場となった。国際的団結の実現にとって入管体制粉砕の闘いが決定的であり、それは階級的労働運動をよみがえらせる闘いと一体であることが、全発言を通して明らかになった。
主催者あいさつに立った全国実行委の鎌田由子さんは、ウクライナ戦争を利用して改憲・戦争攻撃を一気に強める岸田政権が、昨年廃案になった入管法改悪案を再び持ち出したことに警鐘を鳴らし、絶対阻止を訴えた。そして、かつてのアジア侵略戦争で天皇の軍隊が犯した数々の戦争犯罪を居直り、中国侵略戦争―世界戦争参戦のためにロシア非難を声高に叫ぶ岸田を、「プーチンのウクライナ侵略戦争は絶対に許されないが、岸田も同じ穴のムジナだ」と断罪した。

在日ロシア人から
ロシア人とウクライナ人を両親にもつ在日ロシア人が発言に立ち、現在の戦争は国と国、民族と民族の対立で起きているのではなく、「それぞれの国の大資本に奉仕する支配階級の衝突、覇権争奪」だと言い切った。
さらに「ロシアを弾劾しながらウクライナの政権を美化する人もいるが大間違いだ。ゼレンスキー政権も大資本と過激ナショナリストが合併した政権だ」「戦争でもうかる資本家のプロパガンダにだまされず、帝国主義の戦争を階級戦争に転化することが唯一の出口だ。労働者階級として団結し、それぞれの政権に反対して立ち上がろう!」と訴え、熱烈な拍手を浴びた。
国軍クーデターとの命がけの闘いを貫くミャンマー人民からは、在日ビルマ市民労働組合代表のミンスイさんとビルマ民主化活動家の2人が登壇し、「世界のどの国でも平和を取り戻すために団結して闘おう」と力強く訴えた。

問題は社会体制だ
一橋大学名誉教授の田中宏さんが「『告発・入管体制』から考える50年」と題する講演を行った。
田中さんは、この問題を入管だけの問題ではなく「トータルな日本の社会体制の問題」として考え、闘わなければならないと鋭く提起した。入管体制が当初から外国人を「犯罪者予備軍」とみなして排斥し、管理・抑圧の対象としてきたこと、戦後の日本が戦前の植民地支配と侵略戦争の責任を全くとらず、居直り続けてきたことが背景にあると、田中さん自身の経験をふまえて訴えた。
全学連によるカンパアピールと休憩の後、入管収容所闘争を闘う現場からの発言が続いた。SYI(収容者友人有志一同)として東京入管と闘う織田朝日さん、牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さん、さらに難民申請者・仮放免者から、スリランカ人女性ウィシュマさんの虐殺後も被収容者を人間扱いしない入管当局に対する怒りに満ちた告発が行われた。

労働組合が先頭に
闘う労働組合からの報告と決意表明では、合同・一般労組全国協議会でさいたまユニオンの新井拓書記長が、コンゴ内戦を逃れてきた外国人労働者と一緒に登壇。入管体制の抑圧下にある外国人の仲間と団結してともに生きていくために、資本・権力と日常的に闘うことが労働組合の重要な任務だと提起した。コンゴの仲間は「私たちは豚などの動物ではない。人間だ。人間がつくったルールは人間の手で変えられるはずだ」と必死に訴えた。
動労千葉の中村仁副委員長は、動労千葉が3月に戦時下での48時間ストライキを貫徹したことを意気高く報告し、階級的労働運動の再生と国際連帯で戦争を止める11月労働者集会への結集を呼びかけた。
閉会あいさつで金元重さんが「非常に内容の濃い集会だった」と語り、入管法改悪を粉砕して前進しようと締めくくった。

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