春闘勝利-ダイヤ改定阻止へ 動労千葉がスト貫徹
動労千葉はJRダイヤ改定当日の3月18日から翌19日にかけて、JR東日本の運転、車両の検査・修繕、構内運転の業務を対象に(CTS〔千葉鉄道サービス〕への委託業務を含む)ストライキに入った。
JRは今回のダイヤ改定で「業務融合化」をさらに進めた。運転士・車掌の行路に「その他時間」を設け、駅業務や企画業務、車両清掃や駅内コンビニの品出し業務などをやらせることにした。乗務員は乗務に専念することで鉄道の安全を守ってきた。今回のダイ改定は安全を根本から破壊する。反合理化・運転保安確立を闘いの柱に据えてきた動労千葉は、ストライキでこれに怒りをたたきつけた。
JR東日本は6月には車両センターを支社から切り離して首都圏本部に集約する組織再編を強行する。7月には、運転士と車掌が所属する運輸区と複数の駅を統合して一つの職場にする「統括センター化」をさらに拡大する。これにより労働者は、職種や勤務場所の限定もなくあらゆる仕事に使い回される。労働条件の根本的な破壊だ。今春~今夏に予定される大攻撃への第1弾の反撃として、動労千葉はこのストに立った。
ダイ改直前の14日にJR東日本が、17日にJR貨物が低額の賃金回答を出してきた。戦時インフレが労働者の生活を圧迫する中、連合の屈服と崩壊はさらに深まり、春闘は解体されつつある。これに抗し、大幅賃上げを求めてこのストは闘われた。
この闘いは何よりも、戦時下の実力闘争だ。ウクライナ戦争は激化・長期化し、世界戦争を引き寄せている。日米帝国主義は中国侵略戦争に突進しつつある。昨年6月の定期委員会で「新・戦争協力拒否宣言」を発した動労千葉は、労働組合の本質的課題として反戦を貫くために、ストライキに立った。
階級的な闘いの復権へ
18日午後1時、ストに入った組合員をはじめ支援も集まり、DC会館で動労千葉総決起集会が行われた。
冒頭、急逝した動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士に全員で黙祷(もくとう)を捧げた。
あいさつに立った関道利委員長は、JRの「労組なき社会」化や全日建運輸連帯労組関西区生コン支部への大弾圧などの労組つぶしの大攻撃と対決し、戦時下の実力闘争としてこのストが貫徹されていると強調した。
今春闘では岸田政権や財界が賃上げを唱え、大手企業で満額回答あるいは労組の要求を上回る回答が出されるなど、異様な状態が生まれている。賃上げは資本によって与えられるものであるかのようなムードがつくられ、連合はこれに総屈服している。他方で、中小企業や非正規職の労働者の賃金は生きていけない水準に抑え込まれたままだ。関委員長はこの現実に対し、「30年以上にわたり賃金を下げ続け、2千万人の非正規職労働者を生んだのは自民党と財界ではないか」と声を強め、「闘いをやめて政労使会議に取り込まれた連合には、労働基本権も位置づかなくなった」と弾劾し、「賃上げは労働組合が闘って勝ち取るものだという階級的なものの考え方、階級的労働運動を取り戻そう」と力説した。
同時に関委員長は、「この状況は資本主義が危機に陥り、支配が崩壊していることの表れだ」と喝破した。非正規職労働者の春闘ストが話題になり、18日には日本中央競馬会(JRA)で3労組がストに入った。世界を覆うストライキの波は、ついに日本にも波及し始めた。関委員長は「新たな労働運動の潮流を創る条件が生まれている」と指摘し、その中で闘われている動労千葉のストライキは、階級的労働運動復権のきっかけに必ずなると強調した。そして、「会社の攻撃への最大の反撃は組織拡大」と述べ、ストを機に本格的な組織戦に入ることを訴えた。
婦人民主クラブ全国協議会から関委員長に、スト支援の団結たまごが送られた。
連帯あいさつでは、三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さんが、農地強奪の強制執行に徹底抗戦した反対同盟は、市東孝雄さんの営農維持へ新たな闘いに入ったと報告した。動労総連合の各単組が、動労千葉とともにとことん闘う決意を示した。動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長と織田陽介事務局次長が、今回のストを号砲に階級的労働運動の再生へ闘うと表明した。久留里線と地域を守る会は、廃線反対署名がすでに5千筆近く集まっていると報告し、地域を破壊するJRへの地元の怒りの大きさを明らかにした。共闘団体の発言がさらに続いた。
JR‐CTSとの交渉経過を渡辺剛史書記長が報告した。今回のダイ改では、CTSに委託していた業務の一部をJR本体の乗務員にやらせるという形をとって、幕張と津田沼の車両センターの構内運転業務の人員が削減される。その事実を指摘した渡辺書記長は、「外注化は破綻した」と断定した。また、動労千葉組合員については65歳以上の雇用延長を拒むCTSが、JRからの天下り管理者6人を65歳を超えて雇用していた事実を暴き、これを徹底追及して闘うと表明した。そして、「『今だけ、金だけ、自分だけ』という考えを捨て、今、闘わなければならないと若い人たちに訴えるために、このストに立った」と強調した。さらに、執行部が賃金に関する交渉経過、JR貨物との交渉経過を報告し、CTS賃金闘争の方針を提起した。
各支部代表が並び、スト貫徹の闘志を示した。業務融合化への怒り、久留里線廃止阻止の決意や、組織拡大への意気込みが語られた。
同日午前7時30分から幕張本郷駅直近の幕張車両センター社員通用口前で、11時からは千葉運輸区前で、職場の労働者や乗客にストの意義を訴える宣伝活動が行われた。「動労千葉に結集し共にストを闘おう」という組合員の呼びかけは確実に職場に届き、出退勤する労働者はうなずき返して訴えに呼応した。
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