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非正規職ベアゼロのCTSに動労千葉が抗議行動

JR東日本の子会社で車両の検査・修繕や構内運転、車両や駅の清掃業務などを請け負うCTS(千葉鉄道サービス)は4月5日、春闘の賃金回答を出した。正社員には定期昇給に加えて2号俸アップに相当するベースアップを行う一方、パートや契約社員などの非正規職労働者にはゼロ回答という内容だ。
戦時下インフレはさらに激化し、水光熱費や食品価格は実質2〜3割も上がっている。にもかかわらずCTSは、非正規職労働者に賃上げゼロを突きつけてきた。業務を現実に動かしている現場の労働者に対する仕打ちがこれなのか! 労働者の怒りはかつてなく激しい。
正社員に対する2号俸相当分のベアも、額にすれば800円から1100円程度で、超低額だ。「プロパー社員」と言われるCTSの正社員は、あまりの低賃金に嫌気がさし、将来展望を描けずに次々と若年退職している。その結果、CTSはJRから請け負った業務を回せなくなっている。その矛盾も、CTSは放置したまま居直った。
動労千葉はCTSの賃金回答を弾劾し、4月6日夕方、CTS本社前で怒りの抗議行動に立った。

動労千葉と支援する会はCTS本社に怒りのこぶしを突き上げた(4月6日 千葉市)

本社直撃する憤怒
渡辺剛史書記長がマイクを握り、ウクライナ戦争が長期化し物価高騰が進む中で、非正規職労働者にゼロ回答を強行したCTSに怒りを突きつけた。また、検修・構内運転業務の外注化は10年を経て完全に破産したと断定し、「CTSを青年が将来展望を見いだせる会社にするためには、動労千葉の組織拡大しかない」と強調した。
幕張車両センターでCTSが請け負う車両清掃業務に携わる北村武執行委員が、交渉経過を報告した。
5日に出されたCTSの賃金回答を動労千葉は断固拒否し再回答を求めたが、この日、CTSは「再回答はしない」と通告してきた。北村執行委員はその経過を怒りを込めて語った。
非正規職労働者は賃上げなしというCTSの回答は、親会社のJR東日本によって仕組まれたものだ。CTSはJRからコストカットを迫られ、業務委託費もこの数年は毎年約1億円ずつ削られている。それは現場労働者には低賃金と人員削減になって襲いかかる。他方、全社員で800人規模のCTSには、JRからの天下り管理者が100人近くもいて、高給を取っている。この構造を暴いた北村執行委員は、「100人もの管理者が必要なのか! こんな腐った会社は根本から変えるしかない」と声を強めた。
同じ職場で清掃業務に携わる組合員も、「このままでは生活できない」と怒りを募らせ、組織拡大で反撃すると表明した。
エルダー社員(JRを60歳で定年退職した後、再雇用された社員)として清掃業務に携わる組合員は、動労千葉組合員の65歳以降の継続雇用を拒むCTSが、65歳を超えたJRからの天下り管理職を6人も雇っている事実に怒りをぶつけ、「何としても継続雇用を勝ち取る」と表明した。
各支部代表が、CTSの仲間に対する資本の仕打ちに怒りを表し、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長も、怒りに声を震わせながらCTSを弾劾した。
関道利委員長は、「CTSの非正規職労働者の時給はこの3年で10円しか上がっていない。それも最低賃金引き上げに伴うものだった」と暴露した。また、「今春闘では岸田政権や経団連が賃金を上げてくれるかのような宣伝がなされたが、われわれは労働組合が闘って賃上げを勝ち取ることを訴えてきた」と述べ、動労千葉が貫徹した3月18〜19日のストライキの意義を強調した。そして、改めて組織拡大が勝利の土台になると訴えた。
行動をまとめた渡辺書記長は、「今日の闘いはすべての労働者のために行われた」と意義づけた。
賃下げを打ち破る階級的労働運動を
動労千葉のCTS春闘は、「このままでは生きていけない」という非正規職労働者の切実な叫びと怒りを土台に、非正規職と正規職の組合員が団結して最終盤まで闘いぬかれた。それは日本の労働者が置かれている普遍的な現実と対決する闘いになった。
岸田政権や経団連が触れ回った「構造的賃上げ」は、一部の大企業の限られた正社員を対象にしたものでしかなかった。戦時インフレ下で非正規職労働者は実質賃下げを強いられ、格差はさらに拡大した。外注化・非正規職化は新自由主義の基幹的な攻撃であり、それにより延命してきた資本には、非正規職労働者の賃上げを認めるつもりなどなかったのだ。
だが、大半の労働者は実質賃下げという現実が明らかになって、我慢の限界はもはや超えた。労働者はいつまでも黙ってはいない。連合が屈服と崩壊を深め、大恐慌が進展する中、世界を覆うストライキの波が日本にも波及する兆しが、23春闘には現れた。資本に賃上げを強制し、生活を守りぬくためには、労働者の階級的な団結と実力の闘いを取り戻す以外にない。階級的労働運動をよみがえらせる決戦の時はまさに今だ。

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