戦争と労組破壊に怒り/メーデー闘争 世界各地でスト・デモ
韓国ではユンソンニョル大統領就任1年を前に全国民主労働組合総連盟(民主労総)が「労働改悪阻止!ユンソンニョル審判!」を掲げてメーデー大会を開催。ソウルに3万5千人、全国15地域で計13万人が結集し、ソウルでは龍山(ヨンサン)の大統領室、ソウル雇用労働庁、憲法裁判所へのデモが行われた。
この日の早朝、建設労組江原建設支部に所属し3地域で支会長を務めていたヤンフェドン組合員が「ユンソンニョルを退陣させ、労働者が主人公になる世の中を必ずつくってくれ」という遺言を残して自らの体に火をつけ、翌日に亡くなった。正当な労働組合活動を「恐喝」「業務妨害」だとでっち上げられたことに深く憤り、拘束令状の審査を前に命を投げうって抗議したのだ。これは労組活動を犯罪とみなして弾圧する政府による殺人だ。
労働組合葬でヤン組合員を送った建設労組は「ユン政権と警察が建設労働者の体に火をつけた」と弾劾し、ゼネストも辞さずに闘う決意を示している。
フランスでも、マクロン政権の年金制度改悪への怒りのただなかで大闘争が爆発。全国230万人、パリ55万人という参加者数は過去最多を大きく上回る。背景には、女性を中心に労組への加盟者が増えていることがある。デモ隊は大挙動員された警官隊・機動隊と激突し、催涙ガス弾・放水に対して石や火炎瓶が飛び交う市街戦状態となった。
年頭からの年金改悪反対の闘いはストを含めて13波にわたる。今回のメーデー闘争は、ウクライナ戦争への参戦と一体で年金制度改悪による社会保障・福祉制度の解体に延命の道を求めようとするフランス帝国主義そのものの打倒を求める闘いへと発展している。
イタリアでは、社会保障を切り捨ててウクライナ戦争に加担する極右メローニ政権に対し「職場委員会連合」(S・I・Cobas)を先頭に軍事費増額やウクライナへの兵器供与に反対するデモが闘われた。
ドイツではベルリンなど各地で、軍拡に反対し賃上げを求める集会とデモが機動隊と対決して闘われた。
アメリカでは労働運動の拠点カリフォルニアをはじめ各地で行動が行われた。ロサンゼルスでは3月にストを打ち抜き賃上げをかちとったロサンゼルス統一教組(UTLA)・学校スタッフの組合SEIUローカル99が共にデモ。サンフランシスコでも国際港湾倉庫労組(ILWU)ローカル10などが港へデモした。
イギリスでは、王立看護協会(RCN)の看護師たちが歴史的なストの中でメーデーを迎えた。組合執行部が3月、政府によるわずか5%の賃上げ案を受け入れたものの、現場組合員の怒りがこれを覆したためだ。4月14日の組合員投票で同案は否決され、4月30日からストに突入。闘いへの敵意をあらわにする政府に対して看護師たちは一歩も引かず、「看護師を軽んじるな!」「公正な賃金を払え!」と声を上げた。
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