8・6ヒロシマ大集会に700人 世界戦争・核戦争阻止へ団結
朝の原爆ドーム前集会・デモの熱気を引き継いで、12時30分から、広島県立総合体育館小アリーナで「核戦争阻止!8・6ヒロシマ大集会」が700人の結集で開催された。
(主な発言要旨は下部に掲載)
冒頭の被爆者・被爆2世の発言は、改めて原爆の残虐さ、非人間性を突き出した。苦難の人生を歩んで、今「青春を取り戻した」と闘う長崎の被爆者・土井玞美子(ふみこ)さんや、被爆2世の中島健さん、木原省治さんの訴えは参加者の胸を強く打った。
基調報告を大行動実行委員会事務局長の宮原亮さん(被爆3世)が行った。宮原さんは「広島ビジョンは帝国主義者の核戦争宣言だ」と断罪し、「我々の回答は反戦闘争の巨大な爆発だ」と呼びかけた。
福島の椎名千恵子さんは切迫する原発汚染水の海洋放出阻止を訴え、「改憲・戦争阻止!大行進」呼びかけ人の高山俊吉弁護士は「防衛・自衛のウソを暴こう」と語り、9・23芝公園集会への結集を訴えた。
11月労働者集会の呼びかけ3労組から、全日建運輸連帯労組関西生コン支部と動労千葉の労働者が発言した。職場闘争と反戦闘争を一体で闘って11・19全国労働者集会に大結集しようと呼びかけた。さらに自治体労働者と教育労働者の発言に大きな拍手が送られた。
広島大学自治会の学生は「実力闘争が学生の決起を広げている。戦争を止める力はここにある」と決意を表明した。海外の青年も多数参加し、国際連帯集会としても豊かにかちとられた。
午後3時すぎ、デモに出発。相生通りから金座街、本通り商店街を通り平和資料館まで1時間、炎天下のデモをうちぬいた。沿道どこでも地元の青年、労働者、旅行者が大注目し、デモに加わる人も大勢いた。8・6ヒロシマ大行動は、被爆者、広島市民の怒りを体現して大成功した。
核兵器はどこにも誰にも使わせない
長崎の被爆者/婦人民主クラブ全国協議会・福岡支部
土井玞美子さん
78年前の8月9日、私は6歳で、母と乳飲み子の妹と親戚のおじさんの戦死の弔いに行った帰りに、汽車の中で被爆しました。ピカッと強い光を浴びた時、大人の人が覆いかぶさってくれて命拾いしました。それからが本当に悲惨で……むごいことをたくさん目にしました。一生、忘れることはありません。
こんな体験を話したのは79歳で婦人民主クラブに行ってからです。私が経験したことは、絶対誰にもしてほしくない。
岸田政権はウクライナ戦争にも関与を深め、米バイデン政権と一緒に中国侵略戦争をやろうと前のめりで軍拡を進めています。九州は中国侵略戦争の出撃拠点として陸上自衛隊駐屯地建設が休みなく強行されています。絶対に許せません。
あのG7広島サミットは核戦争会議でした。「広島ビジョン」がそれを表しています。何がG7の核は抑止力だ。核はどこにも、誰も、絶対使ってはいけないのです。私は怒りをもって5月19日のG7広島サミット闘争に参加しました。早くは歩けませんが、みなさんと一緒にデモに参加したことは自信になりました。7月9日には佐賀空港へのオスプレイ配備を許さない行動に参加し、17日には長崎で反戦反核行動の街宣も行ってきました。
今日、岸田は恥知らずにも14万人もの命が失われたこの広島に、広島ビジョンの賛美に来ました。9日には長崎に来ます。弾劾の嵐で追い返したい。私は今、青春を取り戻したと感じています。今日も一緒に元気にデモに出たい。がんばりましょう!
被爆者の闘う組織が求められている
広島の被爆2世/8・6ヒロシマ大行動共同代表
中島健さん
たくさんの方に集まっていただいて、ドーム前での決着はつきました。極右団体の妨害も、集会の刺身のつまでしかなかった。
2年前にできた広島市の平和推進基本条例は、「原爆投下は国際平和の礎だ」とはっきり書いている。そしてその条例をつくった議員の一人は、「広島はGHQにお金を出してもらったおかげでこんなに発展できた。だからアメリカを批判するな」と平気で言っている。それで今度は米真珠湾公園と広島平和記念公園が姉妹協定だと。みんな本当に怒っています。
「広島とアメリカの結託体制」という言葉もあります。広島の原爆投下の責任を追及しないかわりに、アメリカは日本のアジア侵略を追及しないと。こういうことを今から岸田や米バイデンはどんどんやろうとしているわけで、絶対見過ごすことはできません。
今日、被爆者7団体と岸田が話していますが、驚いたのは7団体の要求項目の中に「G7弾劾、広島ビジョン撤回」がないんですよ。やっぱり本当に被爆者が闘う組織がなければいけないと思いました。「ヒロシマ・ナガサキの被爆者、被爆2世、3世による共同アピール」を広島サミット粉砕闘争の際に出しています。まわりの被爆者の人や2世、3世にも広げていただきたいと思います。
1950年朝鮮戦争時と同じ様な状況を今われわれは迎えています。ウクライナ戦争を絶対に止める、中国侵略戦争を絶対に阻止するため、みなさんと一緒に決意を固めて闘っていきたいと思います。
世界に期待される「ヒロシマ」であれ
広島の被爆2世
木原省治さん
私は1949年、原爆投下の4年後に生まれました。両親も、姉2人もいずれも被爆者です。父親は私が4歳のときに急死し、すぐ上の姉も五十数歳で亡くなりました。広島平和公園関連では平和公園の碑巡りガイドをやっています。最近の碑巡りでは、外国人と修学旅行生がほぼ8割です。碑巡りガイドをやる中で、何か広島で感じ取りたいと思って来た方の期待に応える広島でありたいといつも思っております。
しかし日本の今の状況では、そういかないことに心を痛めています。外国人の方も非常に冷静な目で平和公園を見ています。
被爆2世は親である被爆者の生き様、死に様を見て育ってきました。そういう意味ではもっと大きな使命があるのではないか。最近思うのは、先人たちの被爆者の言葉です。「大切なのは二度と放射能で苦しむ人をつくらせんことじゃ」、その言葉を思い出します。
広島の運動の位置づけの中で広島サミット前と後は明確に分けるべきです。今までは被爆体験を訴えることによって広島の存在感がありました。今、平和を脅かしているものが極めて具体的な中で、一方で広島ビジョンを尊重し、他方で「核抑止論批判」という広島市長の矛盾したあり方ではいけない。私は被爆2世として、世界から期待されるヒロシマという言葉に応えたいと思っています。
広島の勝利なしに福島の勝利もない
3・11反原発福島行動実行委員会共同代表
椎名千恵子さん
いわきでの「7・30原発汚染水海に流すな行動」を、動労総連合水戸や全国の皆さんとともに闘いぬいて勝利感を持っています。
福島民報では原水禁世界大会の記事と並んで掲載され、福島民友では戦争反対の文面も入りました。地元紙の両方掲載は異例です。
実はこの日、福島県水産会館で、相馬・双葉といわき市の両漁業関係者への「丁寧な説明」のために西村康稔経済産業相が来ていました。ところが出席した漁協代表らは全く納得せず、こぞって反対。そこでも国は負けていたのです。
しかしながら、8月末とも言われる海洋放出は目前。この暴挙に福島現地でどう向き合っていくか。難題だからこそ、ヒロシマ大行動の一翼を担うために広島に来ました。原発推進・汚染水放出を宣言した広島ビジョン。岸田の核武装のための原発回帰を粉砕しなければ福島の勝利もない。
被爆地には怒りがある。必ず闘いがあります。これも厳粛な真実です。78年前、原爆を落とされただけでなく、その後の血を吐くような日々の苦しみと怒り、無念さを運動として結実させている広島・長崎の尊い歴史があります。福島はこれらの闘いから学び、闘い続けていきます。
「自衛」のうそ暴き内乱呼び起こそう
弁護士 高山俊吉さん
「戦争に反対だ」「平和を守ろう」という気持ちでいるだけで本当の反戦闘争ができるかというと、実はできない。権力はなぜ戦争をやろうとするのか、戦争によってどういう利益を奴らは追求しようとしているか。「自衛」とか「防衛」とかいう言葉の中に潜むペテン、うそ、欺瞞(ぎまん)をひっぺがさないといけない。
そのことが分かったときに、本当にこの国全体が内乱状態になる。「内乱? ピンと来ないなぁ」という方もいるかもしれない。でも私に言わせれば、反安倍の闘いは内乱だった。そして今、私たちが頑張っている反岸田も、大軍拡と戦争の岸田打倒と言うけれど、これはまさしく内乱だ。岸田はそれを多くの人に感じさせないように、マスメディアも使って必死になっている。ここが本当の闘いなんです。
9月23日に東京の芝公園23号地で、改憲・戦争阻止!大行進が呼びかけて岸田打倒の全国集会を予定しています。ぜひ多くの人に参加してもらいたい。
そして11月19日には全国労働者総決起集会がある。この集会を成功させることはどういう意味をもつか。権力が隠蔽しようとしている内乱の、そのかさぶたをひっぺがす、内乱の実体はここにあるんだということを示す。ここで私たちが成功した時、燎原(りょうげん)の火のように全国にこの内乱が拡大する。そのための闘いを共に闘いぬきたいと思います。がんばりましょう。
自国政府の戦争と弾圧恐れず闘おう
杉並区議会議員
洞口朋子さん
いま時代の核心は、自国政府の戦争と闘うこと。反戦闘争の核心は、逮捕や弾圧、処分を跳ね返して闘うことだと思います。逮捕や弾圧や処分を恐れない青年・学生、労働者が数百の規模で登場し、機動隊や右翼の妨害を粉砕して実力デモを貫徹した時に、必ずや百万人規模での労働者民衆の心をとらえます。5月広島サミット粉砕闘争はその力を示しました。
岸田や日本会議が言う「静かな広島」はまさに戦争への道です。「静かな8・6広島」とは、戦争をやろうとする政府による国家暴力を使った弾圧です。反戦闘争はこの暴力をうち破った時に初めて爆発します。それは戦争を止めるだけではなく、この腐りきった資本主義社会を根本から変えていく、資本主義を打倒する道を切り開きます。
とりわけ青年・学生の皆さん。共に一歩も二歩も前に出て、実力デモを激しく闘いぬきましょう。全学連の闘いに続きましょう。そのことが被爆者の無念を晴らし、岸田を倒す道です。
ウクライナ戦争は徹頭徹尾、帝国主義戦争としての本質を明らかにしています。岸田政権はウクライナ戦争への参戦、そして中国侵略戦争に踏み切っています。杉並では11・19に向かって毎月の反戦デモを闘います。私もその先頭に立ちます。
労働者階級の回答は「帝国主義戦争を内乱へ」です。明日の闘いで岸田政権を打倒しましょう。
(8月5日夜の全国総決起集会での発言)
反戦闘う労働組合つくり直す転換点
自治労広島市労働組合副委員長
住廣美智子さん
私の所属する自治労広島市労働組合で、今年度の定期大会議案から「反核・脱原発」「非正規職員の組織化」をスローガンから下ろすことが提案されました。私はその提案に執行委員会の場で反対しましたが、執行部、特に書記局は「(作成)スケジュールに間に合わない」と議題として取り上げもしませんでした。
さらに、同じく反対した福井利明前委員長と非正規職員の組合員による大会議案の修正提案に賛同署名をしたことを理由に、執行部は私を組合の執行体制から排除しました。これに対しビラ配布と署名活動を行い、50筆近い署名を集めて委員長へ提出しました。
しかし、回答は「本部の資金援助に感謝し、自治労の方針と異なる団体での活動をやめること」「上の決定に従うこと」。ウクライナ戦争の激化や「広島ビジョン」を見ても、広島の労働組合がわざわざ「反核」をスローガンから下ろすなど考えられません。
絶対反対の声を上げ闘う労働者階級人民と、すべての被爆者と被爆2世・3世の人々を抑圧する側へ回ると言っているのと同義です。G7サミット、広島ビジョンに絶対反対で闘ってきた私たちを排除する攻撃です。
上の出した方針に従っていればいいというのは、組合員の運動意欲を喪失させ、組織離れを引き起こす要因でしかありません。今回のことで、今の組合は加入している意味を感じないと組合員や労働者と話すことが格段に増えました。仲間と向き合い議論する労働組合につくり直す、大きな転換点です。奈良市従など全国の自治体単組、産別でも同じことが言えます。
その第一歩として、8月自治労函館大会に全国の仲間と参上してこの裏切りを暴露し、被爆地ヒロシマ、労働者民衆の怒りをたたきつけます。ともに闘いましょう。
反戦の誓いは教育労働者の魂の火だ
神奈川県労組交流センター・三浦半島教育労働者部会
桝淵祥子さん
昨日、私たちは「教育労働者は戦争に反対する!8・5ヒロシマデモ」で広島の繁華街を練り歩いてきました。11・19労働者集会へ向けて、たくさんの仲間と団結をつくり教育労働者の底力で戦争をとめます!
公立小・中学校現場の「学校崩壊」の状況はすさまじいです。年度初めから教員が未配置状態。心身を壊しての療養休暇も増加し、とりわけ青年層は採用から数か月でやめてしまう仲間もいます。命を育む学校現場で「同僚の産休を喜べない」との声もあります。セクハラ・パワハラも横行する、そんな状況の中でも私たち教職員は、子どもたちの未来は明るいものであってほしいと願っています。戦争で命がなくなるなど絶対に避けるべきだと思っています。誰かが話題を振れば、このままではダメなんだと労働者魂に火が付きます。
「自衛隊への名簿閲覧・提供」反対署名は多くの分会から束になって集まり、先日、横浜市などに提出しました。先輩たちの「教え子を二度と戦場に送らない」誓いは、現在の教育労働者の願いでもあります。
横須賀のアメリカ海軍基地を母港として原子力空母が居座り続けて今年で50年。今年の10・1には「反戦反基地横須賀闘争」を計画しています。「世界のどこにも基地はいらない! 原子力空母は出ていけ! 地球からなくなれ!」の思いを爆発させて呼びかけます。ともに闘いましょう!
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