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自衛隊が「市街地行進」訓練

「市街地行進」を行う自衛隊

区役所との有事連携を確認
 東日本大震災から13年の3月11日、陸上自衛隊練馬駐屯地(東京都練馬区)から自衛隊員が「防災」を口実に各区の住宅地などを「市街地行進」するという事態が起きました。第1普通科連隊約300人が13グループに分かれ、最大6時間かけて六つの区ないしそれ以上を徒歩で行進するという大規模な訓練です。これに対し、練馬区などの市民団体による抗議行動が各地で行われ、私たち改憲・戦争阻止!大行進東京北部実行委員会の仲間も急きょ参加しました。
 迷彩服に戦闘靴、ヘルメットの自衛官がリュックを背負って1列で行進する様子はまさに戦闘訓練です。「戦闘服の軍隊行進反対」などの横断幕を掲げて抗議の声を上げました。
 練馬・板橋・北区の三つの区役所には1小隊12〜15人が立ち寄り、危機管理室で自衛官が無線機器などの説明を受け、職員が屋上に上がって駐屯地と交信するなどの連携確認が行われています。今回の「市街地行進」とは、中国侵略戦争の機動態勢訓練です。3月24日、離島上陸・奪還作戦などを担う「日本版海兵隊」=陸自水陸機動団の第3連隊が長崎に配備・発足し、木原稔防衛相は「必要な場合にいつでも迅速に機動展開できる体制が構築された」と表明しました。これが意味するものは、安保3文書に基づいて、沖縄・九州のみならず全国の陸自師団・旅団全てが南西諸島での機動展開部隊となる体制が完了したということです。「23区唯一の普通科連隊」である練馬駐屯地こそ首都における戦争出撃拠点です。
 そして、今回の訓練のもう一つの目的が「災害発生時における車両での前進が困難な場合を想定した各自治体への派遣訓練」であり、文字通り自治体の戦争動員です。今国会に提出された地方自治法改悪案では、「災害等」として「国民の安全に重大な影響を与える事態」に国が自治体に指示(命令)する権限を確立しようとしており、それを先取りして防衛省が地方自治体を牛耳る有事連携体制作りを進めているのです。今回の訓練に際しては、北区の危機管理室の担当者が事前に練馬駐屯地内で行われた説明会に行くほどの連携ぶりです。
 自衛隊にとってそもそも「災害派遣」とは戦争訓練です。昨年12月に練馬駐屯地近くの小学校で行われた防災訓練では、練馬駐屯地の自衛官が「軽装甲機動車」や「偵察用オートバイ」に小学生を試乗させています。
 そして、第1師団の司令部を置く練馬駐屯地は反戦デモなどを鎮圧する治安弾圧部隊でもあります。防衛省は、有事に軍隊が市街地を制圧し戒厳体制を敷く訓練を本格的に開始したということです。
 若い自衛官に侵略と弾圧の銃を持たせてはなりません!

陸自練馬駐屯地に怒りの抗議
 3月17日に大行進東京北部が呼びかけた練馬駐屯地デモが100人で行われ、3・11市街地行進を弾劾し、「中国侵略戦争阻止! 自衛官は侵略の銃を取るな」の声を上げました。
 デモ隊が東武練馬駅前に登場すると注目と声援が寄せられ反戦署名が集まり、練馬駐屯地に到着すると、事前に駐屯地司令部に申し入れ行動を行う確認をしていたにもかかわらず、警視庁の公安刑事が「警告」ボードを持ち、デモ隊に「先に進め」と妨害。しかしデモ隊は一歩も引かず、大行進板橋の青年を先頭に申し入れ行動を貫徹しました。
 広大な駐屯地内には大中小のトラックなど数百の自衛隊車両。全学連の学生は「戦争をしに南西諸島に行くな!」「反乱の銃を取ろう!」と呼びかけ、自衛隊官舎からも手を振る姿が! 解散地で大行進練馬の医療労働者が「次は、4・28渋谷デモに1千人の結集を」とまとめ、飛び入りの青年が「正門前で一歩も退かない皆さんの姿にまた参加しようと思いました」と約束して帰りました。
 岸田政権が中国本土への全面戦争を狙う臨戦態勢に突入する今年、大行進北部として初の練馬駐屯地デモを朝霞・横田・横須賀で基地闘争を闘う各地の大行進と共にかちとったことは決定的です。沖縄と連帯する反戦・反基地・反軍闘争を首都圏で巻き起こしましょう。(改憲・戦争阻止!大行進東京北部 川原成雄)

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