三里塚フィールドワーク―横堀と菱田で工事を弾劾
三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで3月12日、成田空港機能強化の工事現場を確認するフィールドワークが行われた。
現在は新C滑走路新設、B滑走路延長の本格工事に向けた「準備工事」が進行中とされているが、2月24日には中野洋昌国土交通相がC滑走路予定地などを視察し、「国を挙げて取り組む」などと「決意」を述べ、機能強化攻撃を国策として加速し、反対運動つぶしを進めようとしている。
天神峰の反対同盟会議室前で出発前の打ち合わせが行われた。集まった参加者に、反対同盟事務局の伊藤信晴さんが今回の行程を説明した。
市東孝雄さんは、伊藤さんの日々の奮闘をねぎらいながら、「工事は今はあまり進んでいるように見えないが、進むときは速い。工事の現状をしっかり把握しよう」とあいさつした。
車に分乗して直ちに出発。最初の目的地は横堀地区だ。
「新しい成田空港」構想による旅客ターミナルの統合、貨物地区整備の事業費は、8000億円と見積もられている。この新ターミナルの位置取りをめぐる思惑、利権が横堀地区周囲で渦巻いているとも言われている。
一行は横堀の整地作業を行っている現場に到着した。樹木が伐採されむき出しになった土の上をパワーショベルなどの重機がせわしなく動いている。反対同盟が来たと気づくと、作業員らは動きを止めた。
宣伝カーから発するシュプレヒコールが一帯に響き、伊藤さんを先頭に参加者が怒りのこぶしを突き出した。「工事をやめろ!」「第3滑走路建設粉砕!」「空港拡張工事粉砕!」「機能強化反対!」「芝山町を守ろう!」
後をつけてきた山武警察の警察官が、「交通のじゃまだ。早く移動しなさい」などとわめいて立ち退かせようとするが、ものともせずに弾劾行動をやりぬいた。
続いて、菱田地区へと移動。この地はかつて反対同盟の拠点であったが、成田用水(成田空港の肝いりで行われた水田の基盤整備事業)による激しい切り崩しを受けて、現在『空港反対』を表す人はごくわずかだ。だが今、第3滑走路建設によって立ち退きを迫られ、より激しい騒音にさらされることへの住民の怒りが噴出している。
かつて豊かな収穫をもたらしていた田んぼは、今は作物の栽培が禁止されており見る影もない。表面の土が固く乾き、重機の展開によって踏み荒らされ、資材の袋が積み上げられ、鉄板がすえつけられている。米不足が深刻な社会問題となっている中で、ここではあからさまな水田つぶしが行われているのだ。
菱田一帯に弾劾のシュプレヒコールが響き渡った。
人間の生きる糧を生む農地をつぶし農家を追い出して、ここに造られようとしているのは、排気ガスと騒音をまき散らしてひっきりなしに飛び交う航空機の滑走路だ。そこにはやがて軍用機が発着することまで見込まれている。
参加者は心底からの怒りを込めて空港機能強化・第3滑走路計画を弾劾し、3・24耕作権裁判勝利、3・30天神峰現地闘争への総決起を固く誓い合った。(TN)
スケジュール
◎耕作権裁判判決 3月24日(月)正午 千葉市中央公園集合→市内デモ 午後2時開廷 千葉地裁601号法廷
◎3・30天神峰現地闘争 3月30日(日)午後1時 市東さんの南台農地集合 NAA本社へ向けてデモ 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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