沖縄「慰霊の日」/式典出席の石破を弾劾
改憲・戦争阻止!大行進沖縄と全国の仲間は6月23日、糸満市の平和祈念公園を会場にして石破首相ら日米政府・自衛隊・米軍の高官が参加する「戦後80年沖縄全戦没者追悼式」への弾劾闘争を闘った。
当日朝、事前の告知では通行可能とされていた平和祈念公園正門前への道に大行進の仲間たちが車で入ろうとすると、待機していた県警がバリケードを出して車道を封鎖。さらに県職員も出てきて「許可証を見せろ」と要求してきた。公園の南側から徒歩で正門前に向かおうとすると、県警と県職員が歩道に立ちふさがって移動を制止してきた。玉城県政が県警と一体化して規制に乗り出したのだ。
大行進沖縄の赤嶺知晃さんを先頭に、「改憲・戦争の石破は出ていけ!」「沖縄戦を繰り返すな!」と怒りのシュプレヒコールを上げた。
続いて、公園の南側を通って「追悼式」への抗議行動に移ろうとすると、県警は式典を〝静粛に〟執り行おうと、大行進の仲間を取り囲んで足止めしてきた。全国から動員された機動隊も現れる中、大行進の仲間は「沖縄戦は終わってないぞ!」「中国侵略戦争を繰り返すな!」「性暴力の共犯者を子どもたちに会わせるな!」と全力でシュプレヒコール。とりわけ石破の発言時には仲間たちの怒りも頂点に達し、「石破は出ていけ!」と声を限りに叫びを上げた。
防衛相・中谷元は12日の衆院安全保障委員会で、「沖縄戦が捨て石作戦だったという考えは一切もっていない」と発言した。また、玉城デニー沖縄県知事は5日の記者会見で天皇の訪沖を大絶賛し、沖縄に直結する天皇の戦争責任について問われると、昭和天皇ヒロヒトや上皇アキヒトが「再び戦争を起こしてはならないという努力を続けてきた」と述べ、現天皇ナルヒトはその考えを聞いてきたから「さらに平和な時代、社会をつくっていくための務めに徹している」とヒロヒトまで含めて歴代の天皇を平和主義者として描き上げた。しかも、天皇の気持ちや姿、言葉を「広く国民が共有できる環境にしていくことが行政の責任」などと、行政の名で労働者人民を天皇制のもとに動員する積極的役割を担うことを宣言した。オール沖縄・玉城県政が天皇制に総屈服し、その先兵として登場しようとしているのだ。
今年の「追悼式」は、こうした人物に献花・発言をさせる一方、会場で手荷物検査を行うなど警察権力が徹底的に管理する形で開かれた。沖縄米兵の少女暴行を隠蔽(いんぺい)した米日帝国主義を免罪し、沖縄戦への怒りを圧殺して、再びの中国侵略戦争に向かうための政治セレモニーとして強行されたのだ。
式典会場は空席だらけで、石破の発言中には会場内からも「沖縄を戦場にするな!」と怒りの声が上がった。大行進の抗議の声は会場に届き、NHKの生中継にもシュプレヒコールが入った。戦争セレモニーに変質した「追悼式」の権威は完全に粉砕された。
前日の22日には、「追悼式」弾劾闘争への参加を訴える沖縄県庁前街宣と国際通りデモを行った。街宣では米帝のイラン攻撃をただちに弾劾して反戦を訴え、沿道からは共感の声が上がった。デモには台湾のメディアが取材にかけつけるなど注目を集めた。
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