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三里塚・農楽まつり、猛暑はねのけ120人が集う

農楽まつりの大成功を確認し、最後で団結ガンバローを三唱する反対同盟

三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する「農楽まつり」が7月6日、三里塚現地で開かれた。猛暑をはねのけて労働者・農民・学生・市民120人が参加し、「農地死守、空港廃港」の決意を固め、大地の恵みを享受して英気を養う一日となった。
まず、耕作権裁判で争われている市東孝雄さんの南台の畑に集合。市東さんが日々手入れしている作物が青々と育ち、目前のB滑走路の誘導路を引っ切りなしにジェット機が走行している。
反対同盟事務局の太郎良陽一さんが第一声を発した。「暑い日が続き、作物も育てるのも過酷な状況だ。成田では機能強化を『第二の開港』と騒ぎ立て、周囲の山の木を切り倒し自然を破壊している。地球規模の温暖化が進み、戦争で人々が殺されている。この資本主義の現実と闘い続けてきたのが三里塚であり、その勝利の証しがこの南台農地であり、今日のまつり会場である萩原さんの清水の畑だ。耕作権裁判一審不当判決を許さず、東京高裁での控訴審を闘おう。市東さんの農地を守り抜こう」
力強くシュプレヒコールを上げて空港敷地内デモに出発した。婦人行動隊の宮本麻子さんが宣伝カーのマイクを握り、市東さんとともに南台農地を守り、戦争を阻止するアピールを一帯に響かせた。
公道を南下し、県道44号との交差点をこえ、第3誘導路の下をくぐる「天神峰第二トンネル」を抜けると、すでにここは空港敷地のど真ん中だ。市東さん宅わきの天神峰農地であった場所が、鉄製の高いフェンスで包囲されている情景は、デモ参加者の怒りをかき立てた。

反対同盟を先頭に、市東さんの南台の畑から「農楽まつり」会場の清水の畑に向けデモ(7月6日 千葉県成田市)

誘導路を走行する旅客機の機体を間近に見ながら、デモは東峰神社前を過ぎ、東峰の萩原さんの清水の畑までの約2キロのデモを貫徹した。
木陰のもとで水分を補給する参加者に、反対同盟と支援連絡会議が用意した、茹でトウモロコシ、焼きそば、かき氷などがふるまわれた。
婦人行動隊の木内敦子さんの司会で、まつりが始まった。「いつかこの地で、空港やフェンスがなくなり勝利のお祭りができることを、来るたびに夢想します。ここにいる若い人たちがそれをかなえてくれるのではないかと、心強く思います。今後の厳しい闘いに向けて、今日は英気を養ってください」
オープニングライブとして、三里塚ではおなじみとなった「いなのとひら・のとこば」のトリオが、政治風刺を利かせた曲を次々と演奏して、会場を沸かせた。
反対同盟事務局の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。「中国侵略戦争、第3次世界大戦が差し迫る情勢の中で、たじろぐことなく日帝と対決する。NAAは機能強化への本格着工をうたって、5月25日に空港の本社内で着工式を行った。だが第3滑走路予定地の民有地の26%が契約を拒否しており、マスコミも言うように、機能強化は前途多難だ。芝山町の町民の死亡原因の第一位が心疾患だとの調査結果は、まさに騒音が人を殺すということ。実力闘争の原則を貫き、市東さんの農地を守り、軍事空港粉砕へ闘おう」

演奏でにぎわう農楽まつり会場

動労千葉の関道利委員長が連帯のあいさつに立ち、6・15国鉄集会で市東さんが動労千葉との連帯を表明したことに応えて、農地死守、軍事空港粉砕へ「車の両輪」として共に闘うことを誓った。そして、11・2全国労働者総決起集会を動労千葉、改憲・戦争阻止!大行進、国鉄全国運動の3団体の主催で、芝公園において開催することを発表した。また9月19日の国鉄解雇撤回1047名闘争控訴審で、一発結審を許さず東京高裁を包囲して闘うことを訴えた。そして怒りを湛えて「私が働く幕張車両センターで、熱中症で労働者が一人亡くなった。何層にもわたる下請けへの外注化、スキマバイトでの募集が、この死亡事故の真の原因だ」と弾劾し、JR東、CTS(千葉鉄道サービス)を徹底追及する姿勢を明らかにした。
関西実行委のあいさつに続き、再び音楽ライブに。京都から駆けつけた川口真由美さんらが、闘いの歌を披露した。川口さんは、市東さんの天神峰農地への強制執行にあらためて怒りを表し、「いつかこの地で勝利のお祭りを開くと言われていた。私もそれに賭けたい。共に闘おう!」と叫び、歌に熱を込めた。
婦人行動隊の宮本麻子さんがカンパアピールに立ち、「トランプはイラン核施設を爆撃し、石破政権は、中国侵略戦争を準備している。反対同盟は沖縄・福島と連帯し、農地死守・軍事空港反対で闘います」と訴えた。

とうもろこし、焼きそば、スイカ、かき氷、デーツなどがふるまわれ、参加者を笑顔にした

ここでスイカがふるまわれ、参加者ののどを潤した。
リレートークに入った。最初に、全国農民会議共同代表の小川浩さんが発言し、「米騒動」と呼ばれる米不足、米価高騰の事態について、「誰かが隠している」のではなく、自民党農政による減反政策を続けてきた結果、実際に米の生産量が不足したことを指摘した。そして、戦後の農政は一貫して農業から収奪し、労働力を農家から奪う農業つぶしであったことを解き明かした。そして政府や野党を頼るのではなく、三里塚のように農民が自分たちの力で社会を変えることが必要と強調し、市東さんとの連帯を呼びかけた。
婦人民主クラブ全国協議会の川添望さんは、6・14反戦集会で不当逮捕された全学連のBさんが奪還されたことを報告し、7・19新宿女性反戦集会・デモへの結集を呼びかけた。
神奈川労組交流センター代表の西田貴広さんは、点呼問題(日本郵便の運送事業許可取り消し)という形で郵政民営化が大破綻したことを指摘し、三里塚・動労千葉・沖縄の闘いをわがものとして貫き、社会を変革する必要を訴えた。
三多摩労組交流センター代表の徳永健生さんは、自らが90年代に三里塚現地で二期決戦行動隊隊長として闘った経験を語り、三里塚の不屈性が中国侵略戦争を止める力だと強調した。
成田夜間飛行差し止め騒音訴訟団の原告は、長年にわたり騒音にさらされてきた住民が健康をむしばまれ「突然死」した事例を挙げ、被害の深刻さを訴え、裁判への傍聴を呼びかけた。
全学連の小川智史さんは、耕作権裁判不当判決を徹底弾劾しつつ、不屈の実力闘争を貫いてきた三里塚の歴史が「仮執行宣言」を付けさせなかったことを勝利的に確認した。そして23年2・15天神峰農地強制執行との実力攻防を動画で見て「その映像は僕の社会への絶望と無力感を打ち砕き、労働者・農民・学生の実力闘争が社会を変える現実性を持つと確信し、全学連に合流した」と自らの経験を述べた。そして「今日も新入生が初参加している」と報告し、中国侵略戦争を阻止する反戦闘争の先頭に立つ鮮明な決意を表した。

実力闘争に立つ決意を述べる全学連

市東孝雄さんがあいさつに立った。「反対同盟59年、国家権力をもってしてもまだつぶせていない。それはなぜか。車の両輪として闘ってきた動労千葉をはじめ、市民・学生との共闘の力であり、その力を借りてここまで反対同盟は生き延びてきました。これからも『農地死守、戦争絶対反対』で闘います。そして何よりも、国策と対決する福島・沖縄・三里塚を一つの闘いとして、これからもみなさんと共に闘います。声を出し、あきらめずに、そして最終的には完全勝利へ。体が続く限りがんばります」
市東さんのこの決意をわがものとして受けとめ、全員で「反対同盟の歌」を熱唱した。
最後に東峰の萩原富夫さんが「行動提起」を行った。「10月12日に成田市赤坂公園で三里塚全国集会開催する。今NAAは機能強化を『第2の開港プロジェクト』と言い出しているが、工事は実際にはなかなか進んでいない。業者が足りないし、土地売却の契約していない人もたくさんいる。周辺住民の飛行差し止めを求める騒音訴訟を支え、共に勝利していきたい。今年の夏も6月から30度超えるという異常な暑さだ。ジェット機の排ガスをまき散らし、温暖化を促進する資本主義のあり方を変え、戦争を止めるために全力で闘おう」

参加者全員で「反対同盟の歌」を熱唱

「農楽まつり」の大成功を確認し、萩原さんのリードで団結ガンバローを三唱した。(TN)

スケジュール
◎空港拡張差し止め裁判 7月8日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁
◎第3滑走路建設阻止・フィールドワーク 7月16日(水)午前10時 成田市天神峰 市東さん宅前集合 呼びかけ/三里塚芝山連合空港反対同盟
◎団結街道裁判 7月25日(金)午後2時開

これからも「農地死守、軍事空港絶対反対」で闘うと決意を述べる市東孝雄さん

廷 判決 千葉地裁

㊤いなのとひら・のとこばの3人 ㊦川口真由美さん

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