女性解放を真に闘う運動体へ 婦民全国協総会で徹底討論
〝自己批判し生まれ変わる〟
性暴力を許さない
8月30~31日、神奈川県相模原市内で婦人民主クラブ全国協議会の第42回全国総会を開催しました。「中国侵略戦争を本当に阻止するために婦民の根底的変革をかちとる総会だ」という司会の埼玉支部会員の開会あいさつで始まりました。
荒井素子代表もまた「性差別・性暴力を絶対に許さない組織に変革するための大討論を行いましょう。自分自身も帝国主義の下での女性差別とはいかなるものかを理解せず、身近で起こった女性差別事件に対して、加害者を糾弾し除名しただけで被害者の女性に寄り添うこともせず終わらせてしまっていた。信頼される婦民に変革したい。差別・排外主義と全力で闘い、石破打倒の反戦闘争を巻き起こそう」と代表あいさつを行いました。
議案は全国運営委員であり新聞「婦人民主クラブ」編集長の川添望が行いました。第一に、「関西女性差別・性暴力事件への謝罪と自己批判」として、「関西女性差別・性暴力事件は、婦民全国協が女性差別・抑圧の思想をもって引き起こした事件である」とはっきりさせ、被害当該女性への謝罪と婦民の変革の立場を表明しました。婦民の会員が事件を隠ぺいし長期化・多重化させ、「第2、第3の襲撃」をしたことは、個人問題や一部地域の問題ではなく、婦民の思想・路線・組織の問題です。
第二に、女性差別者・加害者となっていた婦民を打倒し変革するために、これまでの婦民の思想・路線的誤りを4点提起しました。①差別を「資本・権力による分断攻撃」と一面的に捉えることで、差別への告発・糾弾をむしろ「労働者同士の分断を深めるもの」としたことは誤りである、②帝国主義を捨象した「新自由主義」論が、「労組建設あっての婦民建設」論になり、差別・抑圧との闘いに敵対するものとなったことは誤りである、③これらの誤りを打ち破るために、あらためて3・8国際婦人デー中央闘争の提起や全学連の4・28事件総括に学んで、女性差別糾弾闘争を復権させよう、④新聞「婦人民主クラブ」第821号で関西女性差別・性暴力事件の総括を「女性解放闘争の欠落」としたことは婦民の抑圧・加害的思想を隠す誤りであった、また「均等法反対を掲げたが、それがもたらした現実と闘ってこられなかった」ということも、帝国主義への屈服があったことをすりぬける誤った総括の導き方だった——と提起しました。
議案はその上で1年間の運動総括と情勢、方針を提起し、方針では改めて「マルクス主義の女性解放闘争論に立って闘う」ことを表明し、10・5反戦闘争、11・2労働者総決起集会への大結集を訴えました。
戦争・差別と闘う
かつてなく議案に沿った討議が行われ、関西の会員は、自分が「第2、第3の襲撃者となっていた」ことの具体的な切開と謝罪、関西での「セクハラ・パワハラぶっとばせ集会」や「こども園廃止反対闘争」で、実は女性差別・抑圧の思想を宣伝していたことへの痛切な反省と変革への決意を語りました。自己切開のない「反省・謝罪」に対しては、「それでは自己批判にならない!」と意見が飛び、全体がこれを受け止めました。共闘・傍聴者も含めて、革命的女性解放闘争を必ず勝ち取るという真剣な討論になりました。
「婦民に出会い、マルクス主義で獲得された」「性・生殖の問題は、階級社会の中でそれ自体が抑圧されているところから厳しく捉える必要がある」「被爆者として戦争を絶対に止めなければならない」「女性差別との闘いへのあきらめ、容認、屈服があったことを打ち破っていく」「学生の4・28提起を学ばなければ、自分が第2加害をやっていた」——すべての質問・発言・メッセージが、新たな婦民をつくるものになりました。
代表に荒井、新聞編集長と事務局長兼任で川添を選出し、「中国侵略戦争阻止! 女性差別と闘いぬくぞ!」と誓って2日間の総会を終えました。
加害者・抑圧者としての婦民から女性解放闘争を闘う婦民への根底的変革は開始されました。婦民は総会での転換をさらに進め、10・5、11・2に大結集します。(婦人民主クラブ全国協議会事務局長・川添望)
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