国鉄解雇撤回 9・19控訴審へ
署名提出し「警備法廷」撤回迫る
国鉄1047名解雇撤回裁判の9・19控訴審第1回口頭弁論を前に、国鉄闘争全国運動と動労総連合、動労千葉は9月9日、東京高裁第24民事部(東亜由美裁判長)に解雇撤回判決を求める署名4766筆を提出した。また、東京高裁による「警備法廷」指定に抗議し、その撤回と大法廷の使用を強く求めた。
同日昼、東京高裁前に集まった動労千葉組合員と動労千葉を支援する会は、「1047名解雇撤回」「警備法廷を撤回せよ」の怒りの声を上げた。
署名提出行動では、対応した2人の東京高裁民事訟廷管理官に、1047名当該の中村仁動労千葉副委員長が解雇撤回判決を求める要請文を読み上げ、「全国から寄せられた署名の重みを受け止めよ」と念を押して署名を手渡した。
また、動労総連合の田中康宏委員長が、国鉄分割・民営化による解雇から38年を経た今も裁判が続いているのは、JRが偽証を続けてきたからであり、そのJRを「時効」で免罪することは社会正義に反すると声を強めた。さらに、「警備法廷」指定について、一審の結審時に法廷が「混乱」したのは裁判長の挑発行為によるものであり、それを口実に東京高裁が「警備法廷」を指定したのであれば、高裁は動労総連合にあらかじめ偏見を抱いていると思わざるを得ず、公正な裁判を受ける原告の権利を裁判所は侵害していると強く弾劾した。
動労千葉の関道利委員長も、一審判決はJRに解雇の責任があることを否定できなくなったのに、「時効」で真実を闇に葬ったと指摘し、事実の解明は裁判所の責務であり、そのためにも「警備法廷」を撤回せよと迫った。
動労総連合の川崎昌浩書記長が、「警備法廷」指定に抗議し大法廷での開催を求める要請文を読み上げた。動労総連合の主任代理人の藤田正人弁護士も、理由も示さずなされた「警備法廷」指定に抗議した。
川崎書記長を先頭に要請行動参加者が「警備法廷」指定の理由を問いただしても、訟廷管理官は「裁判官の判断」「この場では答えられない」と繰り返すだけだ。ならばその判断をした裁判官は誰なのかと尋ねても、訟廷管理官は「調べなければわからない」と言う。「警備法廷」指定を強行しながら、その責任の所在を隠すことは許せない。
要請行動参加者の怒りが高まる中、訟廷管理官は「担当裁判官の名前は調べて伝える」と述べて席を外し、しばらくして東裁判長をはじめとする裁判官の名前を明らかにした。
田中委員長は「警備法廷」指定の理由を原告代理人に伝えるよう、改めて求めた。
要請行動を終えた組合員と支援は、高裁前で再びシュプレヒコールを行い、「東裁判長はまともな審理を行え」「警備法廷を撤回せよ」と声を上げた。
戦時司法と対決を
この裁判の一審で東京地裁は24年7月、きわめて異様な形で結審を強行した。事実調べを一切拒否して結審を宣告した須賀康太郎裁判長は、「裁判は終了した」と言いながらその後も法廷にとどまった。そして、「結審の理由を言え」と声を上げる傍聴者を次々と暴力的に退廷させ、最後は全員に退廷命令と庁外退去命令を発出した。
同年11月の判決には「警備法廷」が指定された。法廷内外に多数の廷吏が配置され、法廷前には鉄柵が置かれて、少数の傍聴者以外は排除された。法廷で裁判長は判決主文だけを読み上げて判決理由は一切述べず、傍聴者に退廷を求めた。「判決理由を言え」と求める傍聴者を前に、裁判長は法廷にとどまって弾圧の機会をうかがった。
これは裁判長による意図的な挑発行為だ。それによる「混乱」を口実に、東京高裁が「警備法廷」を指定したことは許されない。東京高裁も戦時司法の姿をあらわにして、裁判を強行しようとしているのだ。
だがそれは、改憲と戦争国家化の前に立ちはだかる国鉄解雇撤回闘争への、支配階級の恐怖の表われだ。
一審は事実調べもせず暴力的に結審を強行しながらも、その判決では事実上、解雇された労働者を採用する義務がJRにあることを認めざるを得なくなった。だから「時効」の一点で解雇撤回の訴えを切り捨てるしかなかったのだ。
9月19日の控訴審裁判は戦時体制と対決し、裁判所に事実調べを行わせ、国鉄闘争勝利へ最後の関門をこじ開ける決戦になった。全国から結集し、東京高裁を包囲するデモを貫徹して結審策動を打ち破ろう。
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